幼児期の土踏まずの役割とは?未形成の影響と土踏まずをつくる方法
現代の子どもは土踏まずの形成が遅れているといわれています。その原因は足に合っていない靴や、運動不足などといわれていますが、この土踏まずをつくることを「足育」といい、いま幼稚園などで注目の取り組みとなっています。今からできる足育についてまとめました。
幼児期の土踏まずについて詳しく解説
土踏まずの位置を再確認しよう
足の裏を見てみると足指、足の指の付け根、かかと部分、足の外側は床に密着するのに対し、足の内側部分は床から浮いていることが分かります。これが土踏まずです。
現代人の中には「偏平足」といわれ、土踏まずが正常に形成されていない、またはいったん形成されたものが消失してしまうということがあります。土踏まずは歩行や運動神経に大きな影響を与えるため、子どものうちにしっかりとした土踏まずを作るという特別な取り組みをしている保育園や幼稚園もあります。
土踏まずの四つの役割
まず「飛んで着地したときの衝撃をやわらげる」役目。そして「足骨の保護」「姿勢を保つなどバランスをとる」役目。
最後が「あおり歩行を助ける」役目です。このあおり歩行ができない子どもが増えているというのが土踏まずが形成されないこととも大きく関係しています。
聞きなれない「あおり歩行」という言葉ですが、かかとから地面に着地し、体重移動をしながら足指を巧みに使って地面を蹴る動きがアオリイカが泳ぐさまに似ていることからつけられました。
私たちが歩くときに無意識にしている動きですが、5歳ごろには完成するといわれています。
すぐできる土踏まずチェック!
次に足の裏同士をくっつけるようにあぐらをかいてもらいましょう。このときに、足の裏と裏の間に隙間ができていれば、土踏まずが正常に形成されているとわかります。
もしも、足の裏がべったりついてしまっていたら、対策として土踏まずを作る「足育」をしてみるのもよいかもしれません。ただし、土踏まずは5~8歳ごろにかけてできるものなので、この年齢前後の場合はあせらずに成長を見守るということも必要です。
土踏まずが未形成だとこんな影響が
筋肉や靭帯の機能が低下
歩き始めの赤ちゃんは足の裏を全部つけたベタ足で歩きますが、このような歩き方を続けていると鍛えられるべき筋肉が鍛えられず、間違った使い方をすることで不要な部分が育ってしまい、筋肉を支える靭帯も衰える可能性があります。
土踏まずがしっかり作られるためには、足の裏の筋肉がきちんと育つことが必要です。土踏まずがないと少し歩いただけでも疲れやすく、バランスがうまく取れずに転びやすいというのも、筋肉、靭帯の働きがよくないためといわれています。
骨盤や背骨の歪みを生じる
たとえば、瓶や缶など細長いものをしっかり立たせるために、底にへこんだ部分を作ります。これで、簡単には倒れないようになるのです。
人間がバランスをとるときに必要とする土踏まずがないと、その上の部分、骨盤や背骨などで無理やりバランスをとるということが必要になってきます。正しい歩き方ができないと姿勢が悪くなり、骨盤がゆがむという話もよく聞きます。
ゆがみは腰痛や肩こりだけでなく、むくみや冷え、肥満など多くの影響を体に与えるといわれますので、子どもたちを守るためにも土踏まずは必要なのですね。
8歳ごろまでに形成されないと偏平足と判断
だんだんと成長するにしたがって土踏まずもできてきますが、この時期の目安は5~8歳。8歳を過ぎても平らな足の裏だと「偏平足」と判断し、対策を練る必要があります。
小学校に行きはじめて、子どもが足の疲れを訴えてくるようになる、転びやすく足をくじくことが多い、などが偏平足をみつけるためのサインになります。偏平足は効果的なエクササイズと日常生活を見直すことで改善しますので、あせらず対処しましょう。