妊婦さんはなぜ味覚が変化するの?妊娠中の味覚変化の原因と対処法
妊娠したママが食事をすると「いつもと違う味がする…」と感じることがあります。味覚の変化は多くのママに現れる現象で、特別なことではありませんが、不快な症状であるためなんとかしたいものですね。そこで今回は味覚変化の原因や、具体的にどう味覚が変化するのか、また対策方法についてご紹介します。
妊婦さんの味覚が変化する理由や時期は?
ホルモンの変化や亜鉛不足などが考えられる
いくつかある説の一つが、ホルモンバランスの変化です。妊娠初期には急激なホルモンバランスの変化が起こり、それが味覚に影響を与えているといわれています。
別の説としては亜鉛不足があります。亜鉛は人の体に欠かせないミネラルの一つで、味覚を感じる味蕾の味細胞を作るために必要です。妊娠中は胎児に亜鉛を供給する必要があるため不足しやすく、そのため味覚変化が起きるのではないかと考えられています。
そのほかにも妊娠により口が乾きやすくなる、また貧血になりやすくなることも、原因と考えられるようです。
一時的な味覚変化はつわり時期に現れやすい
あるお医者さんが妊娠中のママに、味覚変化についてアンケートを実施しました。97人のママに「妊娠中に嗜好の変化がありましたか?」と聞いたところ「あり」と回答したのは全体の92.8%、90人だったそうです。
さらにそのうち32人のママに味覚検査を実施したところ、ママの味覚は妊娠初期に低下する傾向があることがわかりました。また妊娠初期を過ぎて中期、後期になると、味覚低下は改善されることも、あわせてわかりました。
ママにもよりますが、味覚変化はつわり時期に、一時的に起きることが多いようです。
味覚の変化の終わりは人によって違う
味覚変化が軽いママだと、妊娠初期に数週間という短期間で終わるケースもあります。また「妊娠中味覚は変わらず、妊娠する前と同じ食事をしていた」という、うらやましいママもいるようです。
反対に、出産まで味覚変化が続くママもいます。「安定期になったら治まると期待していたけど、結局臨月まで続いた」というママは、長期間辛い思いを強いられたそうです。
さらに辛いのが、出産後まで続いてしまうママ。一時的な味覚変化ならなんとか耐えることができますが、長期間の味覚変化により十分な食事量が食べられなかったり栄養が足りなくなったりすることがあるようです。
妊婦さんの味覚の変化とはどういうこと?
「酸っぱいものを好む」など嗜好の変化
嗜好の変化とは、例えばよく「つわりになってから酸っぱい食べ物が欲しくなった」という声を聞いたことがあると思います。これが嗜好の変化です。
もちろん酸っぱい物だけではありません。つわり中に「私は酸味ではなく、塩辛い食べ物が欲しくなった」「甘いスイーツがとにかく食べたかった」と、酸味以外の味を求めるママもいます。
中には、何を食べても苦みを感じるママや、ひどいケースでは食べてもいないのに苦みやえぐみを感じるママもいるようです。「食べたり飲んだりすることが苦しい」状態が続くのは本当に辛いことですね。
「味がよくわからない」などの味覚障害
「味覚障害」とは味の感度が下がることで「味がよくわからない」状態です。また「よくわからない」程度は、ママによって個人差があります。
例えば「味つけをしてあるのになんだか薄く感じる」ママもいれば「全然味がしない」ママもいます。味を感じないと食べにくく「頑張って赤ちゃんのために栄養を摂ろう!」と考えているママには辛いことです。
ママによっては本来と違った味に感じることもあるようです。甘いお菓子を食べて「苦い」と感じたり、またどんなものを食べても「おいしくない…」と感じたりするなど、様々な味覚障害になる可能性があります。
味覚の変化で赤ちゃんの性別は決まらない
例えば「塩辛い食べ物を好むなら男の子」「甘いものを好きになったら女の子」などです。妊娠初期ではまだエコー検査で性別がわからないので、こうした言い伝えを聞くと信じてしまいたくなりますね。
しかし、これらはあくまで言い伝えで、科学的根拠はありません。味覚がどう変化したとしても、赤ちゃんの性別は決まらないのです。
一方で科学的根拠はないにしろ、こうした言い伝えは赤ちゃんの性別をパパと予想する話題作りにするには、面白いかもしれませんね。