出産で休暇を取るにはどうすればよい?産休や育休の申請方法や注意点
知っておきたい働くママの母性健康管理措置
出産後1年を経過しない女性労働者についても、実は母性健康管理措置は適用されます。企業は、必要な保健指導を受けるための時間の捻出や、その結果医師から指導を受けた場合、指導内容を守れるように勤務時間変更などの措置などを実施する義務があります。
出産は、女性の身体に大きな負担となります。特に、出産後比較的早い段階で復職するような場合で、産後の母体の回復が思わしくないときは、このような制度を活用することも考えてみてくださいね。
働くママの味方!時間外や休日労働制限制度
そのため、労働基準法において、産後1年以内の妊産婦が請求をした場合、企業は時間外勤務や深夜労働、休日労働をさせてはならないと定められています。
サービス業や夜勤のある医療関連のお仕事などの場合、周りの人とのシフトの調整なども必要になるかと思いますので、これらの制度の利用意向がある場合は、早めに相談をしておくとよいでしょう。
また、法令上は1歳までとなっていますが、会社によってはこれらの制度が使える期間がもっと長いこともありますので、就業規則でよく確認をしてみてくださいね。
パパも利用できる男性の育児休暇
男性の育児休暇の取得率ってどのくらい?
最近では、育児はママだけでなく夫婦で行うものという考えが浸透してきています。「ワークライフバランスの実現」や「女性の負担軽減」などを目的に男性の育児休暇の取得が積極的に推進されていて、厚生労働省では2020年の男性育休取得率20.0%を目標に掲げています。
しかし、平成28年の取得率はわずか3.16%にとどまっているのが現状です。育休を取得しない理由としては、取得しやすい職場環境ではないことや収入面での懸念があげられていますが、今後少しずつでもパパの育休取得が増えていくことが期待されています。
男性の育児休暇の期間
また、2010年以降、「パパ・ママ育休プラス」という制度が始まっており、両親ともに育休を取得する場合は1歳2カ月まで延長が可能となっています。
ただし、ここでいう1歳2カ月というのは、パパママが同時に1歳2カ月まで育休が取得できるという意味ではなく、1歳2カ月までの間にそれぞれ最長1年間の育休を振り分けて取得することができるということです。
また、ママの産後8週以内にパパが育休を取得していれば、期間中に再度育休を取得することができます。産後すぐとママの復職のタイミングなど、特に家族のサポートが必要な期間にわけて取得するのもよいですね。
育児休暇中の手当てについて
育児休業給付金については所得税、社会保険料、雇用保険料が非課税になるので、実際の手取り賃金で考える半年間は約8割が支給されることになります。また、育児休業給付金は翌年の住民税の算定額には含まれません。
家計への影響はあるものの、子どもが小さいうちにパパが積極的に育児に参加することはとてもよい機会です。パパの育休の取得についても、ぜひ検討してみてくださいね。
覚えておきたい産休や育休に入る前の注意点
産休と育休では取得できる対象者が違う
まず大きな違いとしては、産休は出産前後のママの身体のサポートを目的としている休業期間のため、取得できるのはママのみとなることです。パパがお休みできるのはあくまで出産後に、育児休業として取得可能ということになります。
また、育休の取得にあたってはいくつか要件があり、日雇い労働者の場合などは育休の取得は認められていませんが、産休の場合は女性労働者であれば誰でも取得することが可能です。
さらに、実子ではなく里子や養子の場合も、産休の取得はできません。しかし、平成29年の法改正以降、法律上の親子関係のない里子などの場合でも育休がとれるようになりました。
就労期間が1年未満だと育休は取得できない
パートや派遣など、期間の定めのある労働契約で雇用されている場合、育休を取得できるのは、「同じ会社に1年以上勤務している場合」「子どもが1歳になって以降も引き続き雇用が見込まれている場合」「週の所定労働日数が3日以上の場合」とされています。
特に、就職・転職をしたばかりというママやパパで、出産後も働きたいと思っている場合はしっかりと確認をしておきましょう。
必要書類等は早めに準備しておこう
産休や育休の取得にあたっての手続きについては、安定期の落ち着いたときや産前休暇の間に早めに確認をして準備をしておくと安心です。また、ママだけではなく、パパも健康保険の手続きなど色々な手続きが発生するので、事前にしっかりと準備をしておきましょうね。
特に、育児休業給付金については、申請にあたって必要な書類も多く、申請が遅れると受け取りの時期にも影響がでてきてしまいますので、事前の確認と早めの準備が大切ですよ。