鯉のぼりはいつから飾ったらいい?鯉のぼりの出し方、しまい方
毎年、春頃になって、周りの家に鯉のぼりが飾られているのを見て、「あ〜ウチもそろそろ飾らなきゃ」と気がつくことも多いと思います。一体、鯉のぼりはいつから出して、いつ頃片付けるのが一番いいのか?鯉のぼりの由来と出し方、片付け方を一緒に紹介します。
そもそも鯉のぼりって何のために飾るの?
「端午の節句」に鯉のぼりを飾るのはなぜ?
江戸時代、「端午の節句」で使われていた邪を祓う「菖蒲」と、武を重んじる「尚武(しょうぶ)」の音が同じであることから、「端午の節句」を「尚武」の節句として、男子の立身出世や成長を祈る日として武家に広まりました。
やがて庶民が、武家の玄関に虫干しを兼ねて出されていた武具などを模して飾るようになり、旗指物(のぼり)の代わりに飾られた五色の吹流しが、やがて「鯉のぼり」へと派生しました。
吹流しに描かれた「鯉」には、急流をさかのぼり、滝を登って竜に変わったという「登竜門」の伝説があり、生命力も強く、清流でも、池や沼でも生きていける強い姿から、子どもがどんな環境にも耐え、立派な人になるようにとの願いが込められたそうです。
鯉のぼりの色にはどういう意味がある?
【一番上:吹流し】
「家」を表す。
【2番目:黒の真鯉】
動かない冬・生命を支える水の意味があり、大黒柱の父を表す。
【3番目:赤の緋鯉】
命を育む夏・知恵の象徴で、火の意味を持ち、母を表す。
【4番目:青の鯉のぼり】
すべての命が芽吹く春・成長やのびのび生きる姿を象徴し、子どもを表す。
全体で「家庭」を表しており、その時代の家族の姿が描かれ、真鯉だけ、緋鯉がなかったりと変化してきたようです。現在は、黒、赤、青の鯉のぼりが一般的で、家族が増えたら「緑」や「紫」などの鯉のぼりを増やすこともできるそうです。
ただ、いずれの時代も、家庭が円満で、子どもが健やかに、立派に育って欲しいという願いは、今も変わっていません。
初節句は鯉のぼりと兜のどっちも必要?
鯉のぼりは外飾りとして、我が子の成長と出世を願い飾りますが、鎧兜は内飾りとして身の安全を祈願し、健やかに育つようにとの願いが込められています。
それぞれ違う意味を持つ飾りなので、本来であれば両方飾ったほうが良いものです。
ただ「どちらかは必ず飾らなければならない」という決まりはないため、自宅のスペースや環境によって難しい場合は、飾りやすい方を選んでも大丈夫。
最近では、鯉のぼりも外に飾るものだけではなく、家の玄関に飾れる小さなタイプなども豊富なので、ちゃんと飾るのが難しい場合は、自宅に合った飾りを探してみてもいいですね。
鯉のぼりの飾りはじめの時期と飾り方
鯉のぼりは4月から飾るのが一般的
そもそも節句とは、季節の節目の意味があるので、そういう意味でも春分の日(3月20日前後)から4月中旬くらい、遅くとも4月29日までに飾り終えておくといいでしょう。
もし長く飾りたいのであれば、ひな祭り終了後、お雛様を片付けた時期からでもOKです。
飾る日柄としては、大安吉日がいいと言われますが、実はあまりこだわらなくても大丈夫です。
購入や配送についても同様で、もし混雑などを考えるならば、避けたほうがいいかもしれません。
鯉のぼりを外に出す日は、鯉のぼりが泳げる風があり、何より作業しやすい天気のいい日に飾るといいですよ。
鯉のぼりは毎日片付ける?
夜露や不意に降った雨などで、鯉のぼりが色落ちすることはほぼありませんが、なるべく長く使っていくためにも、鯉のぼりの生地を傷めないよう、毎日片付けることをおすすめします。マンションタイプの鯉のぼりを飾っている場合も、もし濡れているようなら、室内に入れるようにするといいでしょう。
水に濡れてしまった場合、しっかり乾燥させないまま、ビニール袋に入れて保管してしまうと、生地を傷める原因に繋がります。必ずよく乾かして、綺麗にたたんでから箱に入れ、なるべく湿気の少ないところに保管するようにしましょう。
雨や風はどうする?日々の取り扱い方
・雨の日はなるべくあげない
鯉のぼりが色落ちすることはありませんが、時期的に花粉や黄砂なども混じることもあり、汚れの原因になります。布の傷みにも繋がるので、雨の日は避けましょう。
・電線、木が近くにないかどうかチェック
近くの電線や木などの障害物に、鯉のぼりやポールが当たって危険につながります。初日はどこにあげたら安全か、しっかり確認しましょう。
・風速10m以上の強風の日
強風は、鯉のぼりやポールを傷める原因につながるので、揚げるのはやめましょう。
・ベランダの場合は中央に
マンション・アパートなら、隣や上下階のベランダに入り込まないように、中央に飾りましょう。