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アメリカの育児休業を知りたい!現状や日本との違いと最近の取り組み

アメリカの育児休業を知りたい!現状や日本との違いと最近の取り組み

アメリカの育児休業は、日本と比べてどのような違いがあるのでしょう。どれだけの日数休むことができるのか、給料はどのくらい支給されるのかなど、アメリカの育児休業の現状についてまとめます。現状は日本とは異なり給料保障などないアメリカですが、州や企業などで育児休業の普及を進めている段階です。

アメリカの育児休業に関する法律を知ろう

アメリカの育児介護休業法「FMLA」とは

アメリカでは1993年に「合衆国家族・医療休暇法」The Family and Medical Leave Act、略称FMLAが施行されました。この法律は、資格がある従業員に対して「不特定の家族・医療関連の理由」による毎年最大12週間の「無給の職場保護休暇」を受ける権利があるというものです。

この法律により、出産や病気、家族の看病などのために長期の休暇を取得することが認められるようになりました。育児休暇、介護休暇、病気休暇、出産休暇などが認められることになったのです。

この法律は仕事と家庭の両立を支援する法律と位置づけられています。長期休暇を取得できるようにはなりましたが、その間は無給であるところが、日本とは異なるところですね。

FMLAが適用される企業と従業員の条件

FMLAが適用される従業員の条件として、従業員は「休暇の最初の日から逆算して少なくとも12カ月(連続でなくてもよい)、または12カ月の期間中に最低1,250時間その勤務先に勤務した」ということがあげられます。

そして、この法律が対象になる企業は、社員を50人以上雇用している企業なので、中小企業は対象にならないことがあります。ただし公企業の社員は雇用人数に関わらず適用になります。

休暇終了時には、企業はその社員を休暇前と同じ職か、同等の職に復帰させなければならないという決まりもあります。夫婦で同じ企業に勤めている場合、本人の重大な健康問題以外での休暇は、夫婦で12週間の適用となることに注意が必要ですね。

FLMAが適用されないと育児休暇がない

先にまとめましたが、FLMAが適用されるには、企業側にも従業員側にもそれぞれ条件があります。この条件に該当しない企業で勤務する従業員、該当している企業で勤務していたとしても、FLMA適用の資格がない従業員は、この法律の恩恵を受けることができません。

FLMAが適用せず、育児休暇を取得できない労働者は、アメリカ全体で約40%にものぼるといわれています。育児休暇の取得は、アメリカでは誰にでも保障されているものではないのです。

FLMAは、仕事と家庭の両立を支援する法律として制定されました。しかし50人以上の従業員を雇用していることや、従業員本人の継続勤務期間と最低勤務時間の要件から、主に中流家庭以上の労働者に恩恵があるとの指摘もあるようです。

日本とアメリカの産休や育児休業の違い

アメリカは12週、日本は最大58週休める

日本とアメリカの産休、育児休業はどのような違いがあるのでしょう。

日本での産休は、産前は出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間前)から、本人が請求をすれば取得でき、産後は出産の翌日から8週間、ただし本人が請求し医師が認めた場合は6週間の休暇となります。

日本の育児休業は、同じ会社に1年以上勤務していれば、1歳に満たない子どもを養育する男女労働者が希望をすれば子どもが1歳になるまでの間、希望する期間を育児のために休業できます。出産予定日に出産した場合、産休と育休を合わせて最大58週間休業できるのです。

アメリカでは前にも書いたとおり、最大12週間の休暇です。日本とアメリカでは、産休、育休ともに、これだけの違いがあるのですね。

アメリカは育児休暇中は無給

日本とアメリカでの育児休暇中の収入の違いついてまとめます。

日本では、産前産後休業中は、健康保険からおよそ2/3が支給され、育児休業中は1/2が支給されます。さらに社会保険料も免除になります。

支給要件としては、雇用保険に加入しており、育児休業を取得する前の2年間のうち、1年以上給料を得ていたことがあげられます。

アメリカでは、国として育児休暇中の収入を保障する制度はありません。したがって育児休暇中は無給なのです。国の保障がないため、企業側が独自で収入保障制度を作っているケースもあります。

州単位で制度の整備を進めているところもあります。住んでいる州によって育児休暇などの保障制度が異なるというのが現状です。

アメリカの女性は2週間で仕事復帰する人も

日本では厚生労働省の取り決めで、産後8週間(医師が認めた場合は6週間)は就業できません。産後は6週間の休息が必要だと国が考えているからです。

アメリカでは、「FMLA」により最大で12週間の育児休暇を取得できるにも関わらず、この制度を利用できるママでも、休暇中は無給であることから4人に1人は産後2週間で職場に復帰をしているという現状があります。さらに産後2週間で復帰をしているママのなかには、産後数日で赤ちゃんをベビーシッターなどにまかせて復帰をするママもいるほどです。

アメリカでは、収入がなくては生活していけないなどの経済的理由から、やむなく復帰をしているママが多いのです。これは先進国のなかでは稀なケースです。

最近のアメリカの育児休暇への取り組み

2016年の大統領選で初めて有給が焦点に

1993年のFMLA制定後、アメリカでは国や州に育児休暇中の収入保障を求める法案が数多く提出されてきました。州によっては休暇中の収入を保障する動きもみられてきています。

国の制度としてはなかなか進まなかったのですが、2015年に連邦会議に提出された「家族医療保険休暇法案」がかなりの注目を集めたことを背景に、2016年の大統領選キャンペーンでは有給家族休暇が大きな焦点になりました。

アメリカでは長い間共和党と民主党は対立しており、共和党は民主党の有給休暇制度の提案をはねつけていました。しかし2016年の大統領選において、共和党の現トランプ大統領は、今までの共和党の意見を覆して、出産後の母親に対し6週間の出産休業を保障することを公約をしたのです。
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