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増加する育児と介護のダブルケア。発生する問題点と負担軽減策を紹介

増加する育児と介護のダブルケア。発生する問題点と負担軽減策を紹介

女性の社会進出にともない、晩婚化と晩産化が進む現代。晩産で子どもを産むママが直面するのが、親も高齢になり介護が必要になるケースです。ママは子育てだけでも精一杯なのに、親の介護も重なるとその負担は倍増です。そこで、今回は育児と介護が重なった場合の問題点と負担軽減策をご紹介します。

育児と介護のダブルケアが増えている理由

女性の社会進出により晩婚化が進んでいる

「ダブルケア」という言葉をご存知ですか?それは、生まれて数年の「育児」の時期と、高齢になり身体機能が衰えることにより「介護」が必要になる時期が重なることをいいますが、昨今このダブルケアの状態になる家庭が増えているようです。

その理由の一つ目として挙げられるのは、「女性の社会進出」です。昔と比べると、女性も仕事にやりがいを感じ、社会的地位の向上を目指せるようになりました。ですが、やはり結婚もしたいし、子どもも欲しいという女性がいるのは当然ですよね。そのような女性が、出産適齢期を過ぎる前に、駆け込み結婚をするケースが多いのも事実です。

晩婚化は、社会で輝く女性が増えていることの証なので、自然な流れなのかもしれませんね。

出産の高齢化で育児と介護の時期が被る

ダブルケアが増えている要因の二つ目は、出産の高齢化が挙げられます。

その理由は色々と考えられますが、特に団塊ジュニア世代といわれる年代(1971年~1974年生まれ)が鍵をにぎっているようです。男性稼ぎ主型モデルから、共働きモデルへの移行期に生き、介護の社会化・子育て支援制度化されるなど、制度環境が変化した世代だからです。

兄弟数が少なく、社会進出にともないキャリア重視の女性が増えているのも、この世代の特徴です。ゆえに、晩婚、晩産の傾向になり、子育てと介護のダブルケアになるケースが多く見られるようです。

女性が社会進出することが当たり前になっている今、それにともなう親の介護と育児のダブルケアは、今後さらに増え続けることが予想されますね。

少子化により親の介護を抱え込むことに

晩婚化、晩産化によるダブルケアが増えていることに加え、さらに介護を厳しい状況に追い込んでいるのが、三つ目の少子化問題です。

昔は、兄弟や親戚も多く、おじいちゃんやおばあちゃんの介護はみんなで協力して行える環境がありました。しかし、昨今では少子化で兄弟も少なく、ひとりっ子も増えています。ひとりっ子の場合、親の介護をひとりで抱え込んでしまいがちです。親戚との関係も希薄となると、誰にも助けを求められず八方ふさがりの状況に陥ってしまうこともあるようですよ。

団塊の世代全員が75歳以上になる2025年以降には、団塊ジュニアと呼ばれる世代にダブルケアが襲いかかり、ダブルケア経験者は大きなボリュームとなることが予想されています。

ダブルケアで発生するさまざまな問題点

育児と介護の費用が家計を圧迫する

それでは、ダブルケアで発生する問題点について見てみましょう。

様々な問題点が考えられる中、まず一番に挙げられるのが、経済的負担ではないでしょうか。ダブルケアを必要とする家庭では、育児費用と介護費用が重くのしかかるにもかかわらず、時間の融通が利かないことから、介護離職をする人も多いそうです。そうなると、お金が必要なのに収入が減るという状況に陥り、ますます家計を圧迫するという悪循環が起きてしまいます。

また、要介護状態や子どもの年齢にもよりますが、育児と介護を抱える世帯で必要とされる費用は月8万円以上ともいわれています。月に8万円以上は大きな負担ですよね。

経済負担については、できるだけ自治体や国の補助を利用して減らす工夫が必要になりそうです。

ママの負担が大きく家事や仕事に影響する

次に挙げられる問題点は、ダブルケアになった際、負担が女性に偏ることです。

あるデータによると、有職者(1,547名)に、介護や育児を理由に仕事をやめたことがあるか聞いたところ、「はい」が13.3%、「いいえ」が86.7%となったそうです。また、「はい」と答えた男女別に割合をみると、男性が6.2%、女性が27.3%ということです。介護や育児を理由に仕事をやめなければいけなかったのは、男性より女性の方が多い現状が分かりますね。

このように、女性に負担が偏ってしまうのは、男性が外で働いて女性は家を守るという考えが残るゆえの形なのかもしれません。しかし最近では外でバリバリ働くママも多いです。介護負担のバランスの見直しが必要な家庭もあるかもしれませんね。

精神的なプレッシャーで孤立感を深める

問題点の三つ目は、介護者がダブルケアの負担により、精神的なプレッシャーで孤立感を深めてしまうことです。たとえば、ママが介護者の場合、パパや親類にも相談できず、ママ友に相談することにも抵抗を感じると、はけ口がなく行き詰まってしまうかもしれません。

そんな人のために、香川県ではダブルケアを行っている当事者を集めて「ダブルケアカフェ」というものを開催しているようですよ。当事者同士で悩みを話したり、専門家のアドバイスを受けることができるそうです。

同じ悩みを持つ人とつながれる場があることや、少しでも当事者の精神的な負担を軽くしようという試みによって救われる人も多いでしょう。そういった取り組みは、今後も増えていきそうですね。

ダブルケアの負担を軽減するための対応策

要介護認定を受け経済的負担を減らす

具体的に、ダブルケアの負担を軽減するための対応策にはどのようなものがあるのでしょうか。

まず、経済的な負担を減らす方法です。介護を必要とする状態になった場合や、家事や身支度などの日常生活における支援を必要とするなどの場合には、介護保険を利用することができます。介護が必要な方がいる場合には「要介護認定」というものを受けてもらいましょう。

要介護認定を受けるには、介護や支援が必要かどうかの判定を受けることが必要です。要介護者がいる自宅や施設、病院などに判定員が訪れて状態を見たうえで、市町村に設置されている介護認定審査会が判定します。これにより、程度や地域にもよりますが、様々な介護サービスが負担1~2割で受けられますよ。
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