5歳児が夜泣きする原因は?夜驚症や乳児期との違いと対処法
寝ている子どもが、突然起きて泣き叫ぶ、パニックになる、大声で寝言を言って走り回るなどの症状が現れる「夜驚症(やきょうしょう)」。育て方が悪かったのか、何かの病気なのかと悩みますよね。乳児の夜泣きとの違いや、夜驚症の原因及び対処方法についてご紹介していきます。
乳児の夜泣きと違う5歳児の夜驚症
突然目が覚めると大きな声で泣き叫ぶ
科学的な理由は解明されておらず、日中に体調や機嫌よく過ごしていた乳児であっても夜泣きは起こることがあるようです。夜に目覚めて泣いてしまった場合、ママが抱っこすると落ち着きを取り戻し、また眠ることができるようです。
その一方で、幼児期や学童期の子どもによく見られる夜驚症は、泣き方がかなり激しく子どもがパニック状態になります。夜の睡眠中に突然目覚めて、泣き叫んだり暴れたりして興奮状態になり、数秒~数分ぐらいで落ち着いてまた眠りにつくことがほとんどです。
パニックを起こし周りの声が聞こえない
そのようなときにママが声をかけて落ち着かせようとしても、完全に起きているわけではなく半分眠っているので、子どもに声は届きません。
急に深い眠りから目覚めた後に起き上がり、戸惑ったり泣き叫んだりなどの興奮状態になっても、自然と元に戻って眠りにつくでしょう。
ママが焦って声をかける、抱きしめるなどの行動をしても、子どもには自覚がなく眠っているような状態です。脳の一部は起きていてもほかの部分は眠ったままであるため、次の日に昨晩のことを聞いても覚えていない場合が多いようですよ。
大きな寝言を言って走り回る
このような状況のときは、恐怖に取り憑かれ錯乱状態に陥っているため、自分の状態を把握することはおろか、周りの状況も理解することはできません。ママが安心させようとしても声も届かないので、しばらくは混乱状態を鎮めることは難しいようです。
ベッドから立ち上がって飛び降りる、走り回っているときにケガをする、ドアを開けて部屋から出て行く、階段を踏み外すなどの危険性もあるため、再び眠りにつくまでは注意が必要です。
何が原因で夜驚症になりやすいのか
生活の中で感情を強く刺激されたとき
大人にとってはあまり刺激を受けない出来事であっても、子どもの記憶深くに強い印象を与える場合もあります。お出かけや旅行などの楽しい出来事でも、感情へ強い刺激を与えるために興奮状態を引き起こす要因にもなるようです。
また、発表会などの緊張する機会が原因となる場合もありますし、怖いテレビを見た、ホラーの本を読んだ、交通事故にあった、怖いものを目撃したなどの、日常生活の中で恐怖体験を経験したことが関係している可能性もあります。
何か不安がある、怖かった経験がなかったかなどを聞いてみると、解決の糸口が見つかるかもしれませんよ。
体調やストレスによる影響
自分の言葉で十分に表現できない幼児や、周囲の人間に悩みを相談できない性格の子どもの場合、きちんと耳を傾け、話を聞く機会を設けることも大切です。
周りの人に心配をかけたくないと無理をして「よい子」を演じてしまう性格の子には、無理をしていないか、不安や心配を抱えていないかを気にかけていく必要があります。ストレス要因を子ども自身が把握していない場合もあるので、日々の言葉かけを大切にしていきましょう。
脳が未成熟のために起こる
子どもは脳の発達がまだ不十分で、大人に比べると眠りが浅いのが特徴です。ノンレム睡眠のときに脳になんらかの興奮が起こることによって、寝ている途中で急に目覚め、夜驚症の症状が出るのだといわれています。
深い眠りについているときに怖い夢を見たなどが要因となり、脳の一部だけが覚醒しほかは寝ている状態になります。子どもによっては深い眠りから目覚める過程がうまくいかないため、パニック状態になるのでしょう。