甘酒が母乳にもたらす効果とは?栄養と注意点をしっかり把握しよう
母乳で育てたいと思っている妊婦さんや既に母乳育児をしているママの中には、体によいとされている甘酒について知りたい方が多いかもしれませんね。ここでは、甘酒は母乳にどのような効果が期待できるのかや、飲むときに注意したいこと、おいしく飲む方法などを見ていきましょう。
甘酒とはどんな飲みものかを知ろう
甘酒は「麹」によって作られる
甘酒には二種類あり、原料が麹(こうじ)からなるものと、酒粕(さけかす)からなるものがあります。名前を見るとアルコールが入っているように感じますが、麹から作られているものはノンアルコールなので、妊婦さんや授乳中のママが飲んでも安心です。
麹による甘酒は、加熱した米と麹、水を混ぜて発酵させて作ります。発酵食品のため、酒粕から作られる甘酒よりも栄養価が高いといわれていますよ。発酵によりデンプンを糖に分解するため、砂糖を加えなくても甘い味わいです。しかし、市販のものは砂糖が入っていることもあるので、チェックして選びましょう。
江戸時代に大流行した甘酒
夏場は暑さから体調を崩す方が多かったため、夏ばて予防や栄養補給、滋養強壮によいと、栄養ドリンクとして甘酒が飲まれていました。また、江戸時代は現代のように医療が発展しておらず、体が小さく抵抗力の弱い子どもの死亡率がまだまだ高かった時代です。
甘酒は大人の健康維持に飲むだけでなく、疾病や食中毒の予防として子どもが飲むことも多かったようです。庶民の健康を守れるように、幕府が甘酒の値上げを制限したという記録も残っているほど、江戸時代には甘酒が大流行していたのですね。
栄養が豊富で飲む点滴といわれることも
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ビタミンB6
・葉酸
・食物繊維
・糖類(オリゴ糖、ブドウ糖ほか)
・アミノ酸(アルギニン、システインほか)
甘酒を飲んだとき体が吸収する栄養は90%以上ともいわれているため、これだけの栄養を効率よく摂取できるとなると嬉しいですよね。女性に嬉しいダイエット効果が期待できるだけでなく満腹感も得られるため、妊娠中の体重制限がある場合でもおやつ代わりに甘酒を飲むのもおすすめですよ。
また便秘解消にも役立つ食物繊維や、妊娠初期に必要な葉酸も含まれているとは嬉しいですね。
母乳への効果や甘酒を飲むときの注意点
母乳だけでなくママの栄養補給にも
しかし、毎日24時間体制で育児をこなしていると、疲れやストレスが溜まっていきますよね。ママの中には忙しさや疲れから、自分の食事をおろそかにしてしまっている方も多いのではないでしょうか。
そのようなときに甘酒を毎日飲むことで、必要な炭水化物や糖質、ビタミンなどをしっかり補給でき、母乳の質もよくなるでしょう。また、米麹から作られる甘酒の原料は米なので、ママの栄養補給にもなってエネルギーを蓄えられますよ。
マタニティ時期からでも効果的
・冷え予防
甘酒のような発酵食品は新陳代謝をよくするといわれています。血行が促進され体が温まります。
・便秘解消
妊娠中はホルモンバランスの変化や腸が圧迫されることによって便秘になりやすいです。甘酒に含まれる食物繊維とオリゴ糖の働きで、腸内環境を整えながら便の排出を促します。
・疲労回復
甘酒は質のよい睡眠に必要なホルモンの分泌を促進する効果があるといわれています。ぐっすり眠って疲れにくい体を作りましょう。
カロリー控えめで消化を助ける働きもあるので、太る心配も少ないでしょう。飲む点滴ともいわれる甘酒なので、マタニティ時期からでも積極的に取り入れたいですね。
アルコールを含まない米麹のものを選ぼう
ママがアルコールを摂取すると、少なからず母乳を介して赤ちゃんの体内に吸収されてしまう可能性があります。しかし先ほどご紹介したように、甘酒というのは酒粕から作られたものと米麹から作られたものがあり、後者にはアルコールが含まれていませんので、授乳中のママが飲んでも問題ありません。
酒粕から作られているものでも、パッケージに「ノンアルコール」と記載された商品もあります。1%未満のアルコール度数ではありますが、ゼロではないので間違えて購入しないように原材料をチェックしましょう。