幼児がかかりやすい冬の病気!集団生活で注意すべき感染症を解説
乾燥して寒い冬は、ウイルスが活発に動き回る季節です。その上、私たちの体は、寒さによる免疫力の低下や鼻や喉の乾燥など、ウイルスが侵入しやすい状態になります。そのため、冬はウイルスを原因とする多くの感染症が猛威を振るうのです。今回は、幼児がかかりやすく、集団生活で注意すべき感染症を解説します。
幼児期の冬の病気!蔓延しやすい感染症とは
全世代で注意!毎年流行【インフルエンザ】
インフルエンザは、咳やくしゃみなどの飛沫感染で起こります。主な症状は、突然の高熱(38~40℃)、頭痛、筋肉痛、全身のけん怠感、関節痛などの全身症状のほか、のどの痛み、鼻水、咳などの呼吸器系の症状も起こります。回復までは、大体1週間から10日前後です。
インフルエンザの流行時期は、12~3月頃といわれていました。しかしここ最近は、9月、10月でも流行することがあり注意が必要です。また、免疫力の強い大人やワクチンを接種している人の場合、感染していても明らかな症状が出ないこともあります。
2歳までにほぼ全員が感染【RSウイルス】
RSウイルスは、一度かかっても免疫がつきにくいウイルスで、くり返し感染しながら免疫を高めていきます。感染回数が増えるたびに症状は軽くなり、2歳以上になると「鼻風邪」程度で済むことがほとんどです。
痰がからんだゼイゼイする咳や、呼吸のとき喘息のようなゼーゼー音がすることがあります。いつもより呼吸数が多くないか、注意して見るようにしましょう。
感染力が強い【ノロウイルス感染症】
とても感染力が強く、10~100個程度のウイルスが体内に入るだけで感染してしまいます。症状が治まっても、その後1週間~1カ月間は便にウイルスが排出されているので、長期に渡って2次感染に注意する必要があります。
同じく感染性胃腸炎を起こすウイルスとして「ロタウイルス」もあります。こちらは、症状として発熱や白っぽい下痢が出るのが特徴です。
幼児期の冬の病気!ケア方法と注意点
基本は早めの受診と安静、こまめな水分補給
「安静」は、高熱が出ている、顔色が悪いなどの場合は別として、必ずしも横になって寝ていなくても大丈夫です。精神的にもリラックスすることが大切なので、温かくして本を読むなど穏やかに過ごしてください。
また、高熱や下痢嘔吐のときは、脱水を起こしやすくなります。唇や口の中が乾燥している、おしっこの量が少ないといった場合は注意が必要です。「こまめな水分補給」を意識しましょう。
重症化することもあるので様子をよく見て
インフルエンザでは、気管支炎、肺炎、中耳炎を併発するほかに、重大な合併症としてインフルエンザ脳症や重症肺炎を起こす可能性があります。
RSウイルスでは、気管支炎、細気管支炎、肺炎など症状が重くなることがあり、重大な合併症として無呼吸、ADH分泌異常症候群、急性脳症等が挙げられます。
ノロウイルスでは、深刻な脱水症状を引き起こし点滴治療が必要になることもあります。
ママは、顔色、呼吸など子どもの様子を注意深く見てください。痙れんが起きたり、嘔吐したものが喉に詰まったりすることも考えられます。異変がすぐ分かるよう、そばにいるようにしましょう。
うつる病気なので集団生活や家族間も注意を
保育園や幼稚園、学校のように集団生活をしていたり、家族内で罹患した人がいたりする場合は、ウイルス感染のリスクは高くなります。そのため、流行時期などはより一層注意が必要です。
また、子どもがかかってしまったときは、感染を広げないためにも、保育園や幼稚園、学校は決められた日数お休みしましょう。感染症の種類に応じて、出席停止期間が決まっています。保育園や幼稚園によっても対応はかわってきますので、小児科の先生や通っている施設に必ず確認してくださいね。
幼児期の冬の病気を予防する三つの方法
手洗いうがいを徹底!ウイルスから体を守る
冬場は「ワンアクション・ワン手洗い」といわれるほど、帰宅時、おやつや食事の前、食品を取り扱うとき、咳やくしゃみを手で押さえた後など、こまめに手を洗いましょう。水だけで洗い流すのではなく、しっかりと泡立てたせっけんやハンドソープで30秒以上洗ってください。
うがいは、口の中の細菌数を減らすだけでなく、口や喉を保湿しウイルスの侵入も防ぐ効果があります。手洗いのときだけでなく、乾燥が気になるときにもうがいをしましょう。うがいができない子どもであれば、口に水を含んで歯磨きのときのように「クチュクチュペー」をするだけでも効果がありますよ。