いつから働き方改革で変化するの?知りたいママの働き方改革基礎知識
2016年頃から政府主導で進められてきた「働き方改革」。最近よく耳にするけれど、具体的にはいつから何が変わるのでしょうか。また、改革が必要だった日本の背景とは何なのでしょうか。働くママにも大きくかかわってくる「働き方改革」の基礎知識をお伝えします。
女性の立場でみる働き方改革について
働き方改革の背景、なぜ改革が必要だったの
人口の減少にともない、労働人口も減少することになるので、私たちの生活にも多くの影響がでてくるでしょう。さらに、国の生産力も落ちるため、世界から日本の経済が取り残されてしまう可能性もあるといわれています。
そこで、少ない労働人口でも日本の経済を回すように考えられたのが「働き方改革」です。この働き方改革は、労働時間や労働場所、労働年齢などの今までの概念を取り払い、労働における効率化を中心に議論されてきました。
いつから働き方改革が実行される
2019年4月から施行されるものとして、「時間外労働の上限規制」(大企業のみ、中小企業は2020年4月から)、「年次有給休暇所得の義務化」、「勤務間インターバル制度の普及推進」、「産業医の機能強化」、「フレックスタイム制の清算期間延長」、「高度プロフェッショナル制度の創設」があります。
2020年4月からは「同一労働同一賃金の義務化」(大企業のみ、中小企業は2021年4月から)、2023年4月には、「中小企業の時間外割増率猶予措置の廃止」(中小企業のみ)が施行されます。
ママに関係のあるものは後ほど詳しく紹介しますね。
働き方改革で子育てに適した環境作りに
まず、父親の育児参加についてです。北欧では、育児休暇の一部をパパに割り当てる「パパ・クオータ制」の導入により、父親の育児休暇の取得率が大幅にアップし、父親の育児参加は当たり前の社会となりました。日本でも同じような制度を取り入れて、父親も育児休暇を取得するべきと検討されています。
次に、子どもたちを見守り育てる環境の充実と、子どもの貧困問題への対応についてです。とくに力を入れているのは、地域住民や自治体が主体となって食事を提供する場を目指した「子ども食堂」です。ここでは、「地域」と「子ども・保護者」のつながり、学びへの支援、経済的貧困などの対策がとられています。
子育てママの働き方改革、変化すること
正規社員と非正規社員の格差がなくなる
内容は、労働条件に基づいて正社員と格差がない賃金を設定しましょうというもの。さらに、それ以外の待遇面もガイドラインに従って格差をなくしましょうというものです。それ以外の待遇面とは、通勤手当や皆勤手当、家族手当など企業によって当てはまるものはさまざまです。
子育てと仕事を両立する上で、パートや派遣社員といった形で働いているママにとっては、正規社員と格差がない待遇で働けるというのはありがたいですね。
長時間の労働の改善や有給休暇の利用促進
次に2019年4月から施行される「年次有給休暇取得の義務化」は、10日以上の有給休暇がある労働者に対し、毎年、時季を指定して5日の有給休暇を取得させることが企業の義務となります。
これらは職場から離れる時間を確保することにより、健康の維持やリフレッシュを目的としています。忙しく働くママに少しでもゆとりができるかもしれないのは嬉しいですね。
副業などを含めた柔軟な働き方が可能に
つまり政府は、副業や兼業に関して高く評価していて、働き方改革の中で、副業や兼業が普及することを後押ししているのです。
これにより、今まで副業を禁止していた多くの企業も副業を容認するようになっていくことが考えられ、時間や場所など柔軟な働き方が可能になるといえるでしょう。ライフスタイルに合ったよりよい働き方ができるようになることに期待したいですね。
働き方改革によるママたちへのメリット
在宅でできる仕事の増加
株式会社MUGENUPは、社員約220人のうち4割の社員が地方の在宅勤務者です。MSD株式会社は、2016年4月から全社員が在宅勤務制度の対象となっており、本社勤務の6割がその制度を利用しています。
また、子どもの年齢に応じて在宅勤務を認めている場合もあります。九州工業大学は10歳までの子どもがいる職員に限り、神戸市役所は就学前の子どもがいる職員に対し、在宅勤務制度を導入しています。
このように在宅勤務を導入している企業はまだまだあります。今後、働き方改革により在宅勤務はさらに増えていくことが期待され、ママも働く選択肢が増えることになるでしょう。