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育児と介護をこなすシングルマザー。ダブルケアの悩みと負担の軽減策

育児と介護をこなすシングルマザー。ダブルケアの悩みと負担の軽減策

育児と介護の両方を行うことをダブルケアといいます。仕事をして子どもを養う必要があるシングルマザーが負担の大きいダブルケアを行えばさらに大変です。今回はダブルケアをするシングルマザーの悩み、費用や心身の負担を軽減する給付金の制度や相談窓口、シングルマザーが働きやすい仕事などについてご紹介します。

育児と介護をこなすシングルマザーの悩み

シングルマザーゆえの収入の低さ

シングルマザーの多くは生活費を稼ぐ必要があります。夫と一緒のときからママの仕事だけで生活できるくらいの収入があればよいのですが、パートだった場合はそこまで高い給料が得られないケースも多いです。専業主婦やパートをしていたママは、仕事を見つけたり増やしたりする必要がありますよね。

しかし子どもが熱を出して早退するときに保育園にお迎えに行けるのがママだけだったり、介護で残業が難しかったりすると正社員では雇ってもらいにくいです。すると非正規雇用のママが多くなるため、シングルマザーの収入は低くなりがちなのです。

低い収入でやりくりし教育費などを貯蓄し将来に備える必要もあるため、シングルマザーはお金に苦労するケースが多いかもしれません。

在宅での介護で子どもとの時間がとれない

「特別養護老人ホーム」は食事、排泄などの介護度が高い人が生活する施設です。介護度が低いと入居できず、料金が安いため待機者が多く介護度が高くてもすぐに利用できないケースもあります。

施設に入居せず自宅介護をしている場合、訪問介護サービスが頼めますが限られた時間です。ママが仕事を終えて介護をすると子どもとの時間は少なくなりますよね。

「ショートステイ」という数日~1週間程度の入居介護サービスを使えばその期間は子どもとゆっくりできます。しかし介護をうける人がショートステイを嫌がるケースもありますよ。

時間に余裕がなくて困る場合は、訪問介護を頼んでいる介護事業所などのケアマネージャーに、介護のケアプランを相談するとよいかもしれませんね。

疲労や介護の悩みを相談できない孤独感

毎日仕事や育児で忙しいうえ、介護食を作ったりトイレの介助をしたりして余裕がなくなるとイライラしがちです。たとえば飲み込むのが難しくなった親の食事を毎日手をかけて作っているのに「昨日と同じものは食べたくない」などといわれたら、カッとなって「自分でやれば!」などと心ないことを言ってしまう場合もあります。

体力的な辛さもありますが、特に自分の両親の介護をする場合は精神的な辛さもあります。しっかりしていた親がだんだんとできないことが増えるのを目の当たりにするからです。

シングルマザーは介護のつらさを夫と分かち合うことはできませんし、親しい友達でも介護の経験がなければ気持ちは分かりづらいかもしれません。悩みを相談できず孤独を感じるケースもありますよ。

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育児と介護費用の悩みと負担を軽減する措置

教育費と介護費の両立ができるかどうか

親など介護が必要な人は要介護認定を受ければ、その介護の度合いに応じた介護サービスを自己負担が1~3割で受けられます。しかしそれでも、2016年に家計経済研究所が行った調査では在宅介護で1カ月にかかる平均費用は約50,000円でした。

また特別養護老人ホームに入居すると、1カ月にかかる費用は70,000~150,000円ほどといわれます。最近の健康寿命と平均寿命の差は男性で約9年、女性で約13年になります。この年数は介護が必要となる期間と見ることもできますよね。

長期に渡る可能性がある介護費を親の年金や貯蓄で支払えれば問題ないかもしれません。しかしママの収入から負担する場合は、子どもの教育費の介護費の両立ができなくなる可能性もあります。

児童手当以外にもらえる手当て

シングルマザーが受け取れる手当には児童扶養手当があります。これは18歳未満の子がいる場合に支給され、所得によりますが満額で42,910円、第2子がいると10,140円、第3子以降は6080円が加算されます。

たとえば子どもが一人の場合、手取り収入が90,000~120,000円くらいなら満額もらえる可能性があります。収入によっては所得制限でもらえない場合もありますよ。支給される月は2019年11月から2カ月に1度の年6回になります。

養育費は離婚した夫から支払われるお金です。相場は20,000~40,000円といわれますが、支払われない場合もあるなどさまざまです。また、支払われた養育費の8割が所得に含められて児童扶養手当額が計算されますよ。

条件で金額差がある介護保険や介護給付金も

介護保険を受けるには介護認定される必要があります。介護認定は主治医の意見書と市区町村の担当者の調査を元に「要支援」から「要介護」まで介護度をレベルづけされて認定されます。たとえば「要支援2」「要介護5」などです。

介護度によって介護保険の利用限度額が変わります。地域差がありますが目安は「要介護1」で165,800円、「要介護5」は358,300円ほどです。たいていの場合この限度額の1割が自己負担額です。

介護給付金は雇用保険に加入している人が介護休業するときに給付されるお金です。93日まで休みが取れ、賃金の67%が給付されます。

雇用保険は週に20時間以上勤務し31日以上雇用が見込まれていれば加入義務があります。パートでも加入可能ですよ。

育児と介護のダブルケアに直面したママへ

まずは行政の窓口で専門職の人に相談する

育児と介護の両方を行う「ダブルケア」は大変です。ましてや子どもを養うために働いているシングルマザーは介護や育児サービスの制度を活用してなるべく負担を軽くし、ママご自身が心身ともにつらくならないようにする必要があります。

それにはまず、行政の窓口で相談することをおすすめします。育児については役所の子育ての部署や子育て支援センター、介護については地域包括支援センターの窓口を訪ねるとよいかもしれませんね。

地域包括支援センターには保健師や社会福祉士などの健康や福祉の専門家がいて、適切な医療や介護サービスを紹介してくれます。介護度が軽いうちから相談すれば、介護度を上げないための介護予防サービスの情報も知ることができますよ。
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