産後の骨盤ベルトで痛みが!骨盤ベルトの正しい装着方法と注意点
出産時に開いた骨盤を締めるために「骨盤ベルト」を使うという話を知っているママは多いでしょう。しかし、実際に使う段階になって装着方法が分からなかったり、間違った巻き方をしていたりすることもあります。そこで、きちんと効果を発揮するための正しいベルトの締め方や選び方、注意点などをご紹介します。
目次
- 産後に骨盤ベルトが痛いときに見直すこと
- 骨盤ベルトを正しい位置に正しく巻く
- 骨盤ベルトを必要以上にきつく締めつけない
- 産後に適した骨盤ベルトを使用する
- 帝王切開で出産した場合の骨盤ベルト使用法
- 帝王切開でも骨盤は開くので骨盤矯正は必要
- 骨盤ベルト使用時期は医師と相談をする
- 帝王切開で出産後の骨盤ベルトの締め方
- 骨盤矯正は産後いつからいつまでが目安?
- 正常分娩なら産後1カ月ころ~6カ月くらい
- 帝王切開なら産後2カ月ころ~6カ月くらい
- 寝るときは骨盤ベルトは外した方がよい
- 骨盤ベルトを使うときに注意すること
- サイズ選びが重要なポイント
- 体調が悪いときは使用をストップしよう
- お肌ケアをしてお腹周りがかぶれないように
- まとめ
産後に骨盤ベルトが痛いときに見直すこと
骨盤ベルトを正しい位置に正しく巻く
まず、「恥骨結合・大転子・上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)」の三つの骨の位置を確認しておくと、骨盤ベルトを正しい位置に装着することができます。上前腸骨棘は、両手を腰に当てると左右ともに人差し指が尖った骨に触れます。その骨が上前腸骨棘です。
恥骨結合は両手を広げた状態で親指をお臍に当て、そのまま下に下げていくとぶつかる骨です。大転子は、恥骨結合から水平に移動し、身体の側面の太腿のつけ根辺りに指先を当て、足を上げると動く丸い骨です。
骨盤ベルトを正しい位置に巻くには、上前腸骨棘にかからず、大転子の出っ張りと恥骨結合のラインにかかるように巻きます。
骨盤ベルトを必要以上にきつく締めつけない
骨盤ベルトを巻く際には、胸よりも骨盤が高い位置になる「骨盤高位」の体勢を取ります。仰向けに寝転んでクッションや枕などをお尻の下に置き、骨盤高位にしましょう。こうすることで骨盤が開いたことで下がってしまった子宮や内臓を正しい位置に戻せるようです。
内臓と子宮が正しい位置に戻ったところで、そのままの体勢で骨盤ベルトを巻きましょう。締めつけ具合は骨盤高位の体勢で、恥骨付近にスッと指先が入る程度の余裕があるかどうかがポイントです。きつ過ぎる場合は、巻き直しをしてくださいね。
産後に適した骨盤ベルトを使用する
ウエストニッパーはウエストを重点的に締めつけて、身体のラインを補正する目的があります。「産褥ニッパー」といわれるウエスト周りと骨盤の一部を固定してくれるタイプであれば、ある程度骨盤ベルトの役割も果たしてくれます。
腰痛用コルセットは幅が広く、内臓を内側に押して腹圧を高めながら椎間板のサポートをする作用があります。腰の中心辺りから骨盤の少し上までを固定して腰の歪みによる痛みを防止する目的なので、骨盤を矯正する効果はありません。
産後にはしっかりと骨盤をサポートできる骨盤ベルトを使用するようにしましょう。
帝王切開で出産した場合の骨盤ベルト使用法
帝王切開でも骨盤は開くので骨盤矯正は必要
なぜなら、どの妊婦さんでもお腹の赤ちゃんが大きくなってくる妊娠5カ月目ころから、ママのホルモンの変化とともに骨盤を支える靱帯が伸び、骨盤が徐々に広がり始めるからです。妊娠中期~後期にかけて腰痛や尿漏れ、足のつけ根の傷みや恥骨痛が起こることがあります。これは骨盤が開き、赤ちゃんが徐々に大きくなりながら下がってくることで起きる現象です。
つまり、「帝王切開で出産をしたママも骨盤が開いている」ということです。ですから帝王切開での出産後にも、骨盤の開きを戻すのが好ましいといえます。
骨盤ベルト使用時期は医師と相談をする
帝王切開の場合は、切開部の傷の回復が最優先になります。傷口を圧迫してしまうことは避けたいので、痛みが残っている間は無理に骨盤ベルトをする必要はありません。
少し痛みは残っているけれど、「産後2~3カ月を過ぎたし、骨盤の矯正をしておきたい」というママは、自己判断で骨盤ベルトをつける前に医師に相談をすると安心です。傷の傷みや治り具合の確認や連続着用時間などの指導をしてもらうとよいですね。
帝王切開で出産後の骨盤ベルトの締め方
帝王切開をしたママが骨盤ベルトを着ける際のポイントとして、
1.ベルトが傷口に当たらないよう、細めの骨盤ベルトをする
2.上前腸骨棘は含まず、恥骨結合を閉めるようにする
という点を重視しましょう。
傷を圧迫する、擦れてしまうなどのことは避けましょう。少しの刺激でも痛みを感じたり、炎症が起こってしまったりするときもあるので、無理はしないでくださいね。