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アメリカはうがいの習慣がない!効果について知り正しく実践しよう

アメリカはうがいの習慣がない!効果について知り正しく実践しよう

乾燥が気になる時期になると感染症のリスクが増えるため、うがいを予防として行うママは多いでしょう。ですが、本当にうがいには風邪予防に期待できるのか疑問に思っているママもいるかもしれません。予防医療の先進国であるアメリカにはうがいの習慣がないともいいます。うがいの効果を知り効果的なうがいを実践しましょう。

うがいは風邪予防に期待ができるの?

のどの機能を高めて殺菌洗浄ができる

空気中にはホコリやカビ、細菌やウィルスなど様々なものが浮遊しています。鼻や口で呼吸をすることで、空気と一緒にこれらがのどに入り、気道を通って肺に送られていきます。

そのままの状態で肺に送られると、体の中に異物や有害物質が入り込んでしまいますね。気道にはこのような異物や有害物質を取り除く仕組みがあります。気道の粘膜がこれらをキャッチし、繊毛(せんもう)が外側へと排出していくのです。

うがいをすることで、異物や有害物質が付着した粘膜や繊毛を洗い、気道はきれいに保てます。うがいによりのどが潤うため、粘液の分泌が盛んになり繊毛運動の衰えも防げるため、防衛機能が高まります。うがいをするときにうがい薬を利用すれば、殺菌洗浄も可能になるのです。

インフルエンザ予防効果は証明されていない

インフルエンザが流行し始めると、かつては「うがい、手洗い、マスク」の3点が予防法としてあげられていました。ですが2016年ごろからは、インフルエンザを予防する効果について「科学的に証明されていない」といわれ、予防としてうがいが除外されたのです。

うがいが除外された理由は、インフルエンザウィルスを吸い込んでのどの粘膜や気管支の細胞に付着してしまった場合に、ウィルスが細胞の中に入り込むのに数分~20分かかるためです。うがいでインフルエンザを予防するためには、数分~20分おきにうがいをしなければならず現実的ではないのです。インフルエンザの場合うがいは効果的な予防ではなく、手洗いやマスクにより接触感染や飛沫感染を防ぐことが大切です。

アメリカではうがいの習慣がない

日本の健康保険のような制度がないアメリカでは、病気になってから治療を受けるのではなく、病気にならないように「予防」する意識が強くあります。風邪の予防につながるうがいも、頻繁に行われているのではと思うかもしれませんね。ところがアメリカをはじめ欧米諸国ではうがいをする習慣はないといいます。それどころか、うがいをする習慣を持つのは日本人だけなのです。

2005年には日本の研究者が「うがいに風邪予防効果がある」と主張する論文を出していますが、アメリカをはじめ外国の専門家はこれを受け入れず、それどころか「Japanese old wives’ tale (日本での迷信)」と書かれているのには驚きですね。

うがい薬の種類とその効果について

うがい薬にはいろんな種類がある

水でのうがいだけでは、気道をきれいに洗浄し潤いを与える効果にとどまります。殺菌効果を得るためにはうがい薬を利用するとよいでしょう。ドラックストアなどに行くとうがい薬が多種売られていますが、風邪の予防のために効果的なうがい薬と、別の目的で使われるうがい薬があるのはご存知でしょうか。

うがい薬は大きく分けると殺菌効果があり感染症の予防に使われるものと、のどや気管の炎症を抑えるためのものがあります。風邪予防の場合は、殺菌成分である「ポビドンヨード」が含まれたものを選ぶとよいでしょう。すでに風邪にかかり、のどの調子が悪く炎症を起こしているときには、抗炎症成分である「アズレンスルホン酸ナトリウム」が含まれたものを選びます。

うがい薬は正常な細菌も殺菌してしまう?

2005年に京都大学環境安全保健機構健康科学センターが行った研究では、水でうがいをするチームと殺菌成分であるヨードを含むうがい薬を使い少なくとも1日3回うがいをするチーム、うがいをしないチームに分け、風邪の感染率を60日にわたって調べました。

この結果風邪をひく人が多かったのはうがいをしないチームでしたが、風邪をひく人が少なかったのは水でうがいをするチームだったのです。うがい薬を使ったチームは、水でうがいをするチームよりも風邪をひく人が多いという結果が出ました。

この理由は、ヨードの殺菌力が強すぎ元々身体に住む常在菌までも殺菌してしまったからと考えられています。常在菌は身体の防衛機能を担っていますが、ヨードはこれらまで殺菌してしまうのです。

うがい薬の代わりになる身近なもの

うがいは水でも十分に効果が期待できますが、殺菌作用を持つものも使いたいと考えるママもいるでしょう。ヨードが含まれるうがい薬では殺菌作用が強すぎることを考えると、代用できるものがあるとよいですね。

緑茶や紅茶を使った「お茶うがい」は、ウィルス粒子を凝集させて、感染力を失わせる効果があるためよいとされています。緑茶のカテキンや紅茶のテアフラビンという成分がこの効果を発揮します。

抗菌作用を持ち脱水作用もある塩を入れた「塩水うがい」も感染予防に効果的です。塩水うがいは風邪にかかりのどが炎症を起こしているときも効果が期待できます。塩水を作るときには、ぬるま湯500mlに対して塩小さじ1杯程度が適量です。

子どもにうがいの仕方を教えよう

うがいの練習は2~3歳から

うがいには大きく分けると口の中を洗浄するためのブクブクうがいと、のどや気管を洗浄するためのガラガラうがいがあります。どちらもまずコップを持ち、水を口に含む動作が行えないとできないため、うがいの練習をはじめるのは、コップ飲みが問題なくできる段階から始める必要があります。

コップ飲みができるようになる目安は1歳ごろですが、コップ飲みをしても2歳ごろまではすぐにこぼしてしまい上手に飲めない子どもは多くいます。上手に飲めるようになる2~3歳が、うがいの練習を始めるのによい時期といえるでしょう。

コップ飲みが上手にできる年齢は子どもにより個人差があります。うがいの練習も上達するまでには時間がかかるため、あまり焦らずに練習を繰り返すようにしましょう。
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