アメリカはうがいの習慣がない!効果について知り正しく実践しよう
乾燥が気になる時期になると感染症のリスクが増えるため、うがいを予防として行うママは多いでしょう。ですが、本当にうがいには風邪予防に期待できるのか疑問に思っているママもいるかもしれません。予防医療の先進国であるアメリカにはうがいの習慣がないともいいます。うがいの効果を知り効果的なうがいを実践しましょう。
うがいは風邪予防に期待ができるの?
のどの機能を高めて殺菌洗浄ができる
そのままの状態で肺に送られると、体の中に異物や有害物質が入り込んでしまいますね。気道にはこのような異物や有害物質を取り除く仕組みがあります。気道の粘膜がこれらをキャッチし、繊毛(せんもう)が外側へと排出していくのです。
うがいをすることで、異物や有害物質が付着した粘膜や繊毛を洗い、気道はきれいに保てます。うがいによりのどが潤うため、粘液の分泌が盛んになり繊毛運動の衰えも防げるため、防衛機能が高まります。うがいをするときにうがい薬を利用すれば、殺菌洗浄も可能になるのです。
インフルエンザ予防効果は証明されていない
うがいが除外された理由は、インフルエンザウィルスを吸い込んでのどの粘膜や気管支の細胞に付着してしまった場合に、ウィルスが細胞の中に入り込むのに数分~20分かかるためです。うがいでインフルエンザを予防するためには、数分~20分おきにうがいをしなければならず現実的ではないのです。インフルエンザの場合うがいは効果的な予防ではなく、手洗いやマスクにより接触感染や飛沫感染を防ぐことが大切です。
アメリカではうがいの習慣がない
2005年には日本の研究者が「うがいに風邪予防効果がある」と主張する論文を出していますが、アメリカをはじめ外国の専門家はこれを受け入れず、それどころか「Japanese old wives’ tale (日本での迷信)」と書かれているのには驚きですね。
うがい薬の種類とその効果について
うがい薬にはいろんな種類がある
うがい薬は大きく分けると殺菌効果があり感染症の予防に使われるものと、のどや気管の炎症を抑えるためのものがあります。風邪予防の場合は、殺菌成分である「ポビドンヨード」が含まれたものを選ぶとよいでしょう。すでに風邪にかかり、のどの調子が悪く炎症を起こしているときには、抗炎症成分である「アズレンスルホン酸ナトリウム」が含まれたものを選びます。
うがい薬は正常な細菌も殺菌してしまう?
この結果風邪をひく人が多かったのはうがいをしないチームでしたが、風邪をひく人が少なかったのは水でうがいをするチームだったのです。うがい薬を使ったチームは、水でうがいをするチームよりも風邪をひく人が多いという結果が出ました。
この理由は、ヨードの殺菌力が強すぎ元々身体に住む常在菌までも殺菌してしまったからと考えられています。常在菌は身体の防衛機能を担っていますが、ヨードはこれらまで殺菌してしまうのです。
うがい薬の代わりになる身近なもの
緑茶や紅茶を使った「お茶うがい」は、ウィルス粒子を凝集させて、感染力を失わせる効果があるためよいとされています。緑茶のカテキンや紅茶のテアフラビンという成分がこの効果を発揮します。
抗菌作用を持ち脱水作用もある塩を入れた「塩水うがい」も感染予防に効果的です。塩水うがいは風邪にかかりのどが炎症を起こしているときも効果が期待できます。塩水を作るときには、ぬるま湯500mlに対して塩小さじ1杯程度が適量です。
子どもにうがいの仕方を教えよう
うがいの練習は2~3歳から
コップ飲みができるようになる目安は1歳ごろですが、コップ飲みをしても2歳ごろまではすぐにこぼしてしまい上手に飲めない子どもは多くいます。上手に飲めるようになる2~3歳が、うがいの練習を始めるのによい時期といえるでしょう。
コップ飲みが上手にできる年齢は子どもにより個人差があります。うがいの練習も上達するまでには時間がかかるため、あまり焦らずに練習を繰り返すようにしましょう。