子どもが物をベランダから落として困る!危険性や安全対策のご紹介
高層マンションにお住まいの方も多いかと思います。高層マンションには、眺めのよいベランダが設置されていることがありますが、このベランダには、小さい子にとって危険な物がいっぱいです。おもしろがってベランダから物を投げ落とすこともあるかもしれません。ベランダの危険性や安全対策について紹介します。
ベランダから物を落とすことの危険性とは
投げた物で歩行者がケガをするおそれがある
落下物についての計算式があります。仮に7階(高さを20mと仮定)から、生卵を落としたら、どれくらいの衝撃があるのかという計算です。難しい物理式は省略しますが、結果は、180kgの鉄球が落ちてきたときの衝撃と同じだそうです。
割れやすい生卵でさえこれだけの破壊力があるのですから、鉄や陶器でできた物が落ちてきて、通行人にあたったらどういうことになるのか、想像するだけで怖くなります。そして、もし小さい子の好奇心半分のイタズラということであったら、その責任は、保護者にあることになります。
近所トラブルになる可能性がある
例えば洗濯物です。洗濯物が風で飛んでしまうことは珍しくありませんが、その洗濯物が下の階のベランダに落ちてしまうこともあります。「洗濯物くらいで…」と思ってしまうかもしれませんが、落とされた方からすれば「飛ばないようにもっとしっかり留めておいてほしい」と感じるのは当然です。
ほかにも節分の豆まきなどでトラブルになる可能性もあります。豆を窓の外に向かってまいた場合、その豆は下に落ちていくことになります。ひょっとしたら下の階のベランダに散乱しているかもしれませんね。
小さい子がしたことでも賠償請求される
民事上は「自己の行動の責任を理解する能力(責任能力)がない」として「およそ12歳くらいの年齢に満たない子どもには賠償責任を問わない」とされています。しかし、その場合、親が「監督義務者」としての責任を負います。
損害保険などに加入しているなら、ほとんどの場合、個人賠償責任保障の対象となるようですが、「監督者である親」には民事上の賠償責任が生じることとなります。具体的には、「治療費」や「修理費用」などを請求されることになります。
小さい子がベランダで遊ぶ危険性を知ろう
高所平気症になる可能性がある
普通の感覚では、ベランダや屋上から下を見おろしたら「恐い」という感覚がはたらくものですが、そのような恐怖心が少ないという症状です。原因ははっきりとしていて、子どもの頃に育った環境によって、高いところでの恐怖心が鈍くなっているということです。高所へあがった感覚がないエレベーターの利用が原因だともいわれます。
高所平気症になると、高い場所での危険予測能力が麻痺してしまいます。「高いところは怖いから近づかない」という感覚が鈍くなってしまうのですね。これはとても危険なことです。
室外機に登り柵から身を乗り出すと危ない
室外機の設置場所としては、家の壁面に沿って設置されていて、かつベランダの柵までは十分な距離があるのが条件だと思っておきましょう。靴を履いていれば登れないようなところでも、裸足なら簡単に登れてしまうことがあるので、油断は禁物です。
過去の、室外機に登って転落した事故の事例をみてみると、1〜10歳までの年齢の幅があり、子どもが小さいうちは、年齢に関係なく事故が起こる可能性があることが分かります。大きな事故になる前に、室外機の設置場所をもう一度確認しておきましょう。
柵に登ったり隙間から頭を出す危険性がある
ベランダには転落防止のための柵が設置してあるかと思いますが、横向きの柵の場合は、柵の隙間を見てみましょう。3歳児の平均的な足の親指先端は、厚みが1.2cmです。これよりも隙間の幅が大きければ、子どもが足を入れながらよじ登ることができるということです。
さらに幅が大きければ、子どもの体が柵の隙間からすり抜けてしまうということも考えられます。わずか10cmの隙間から誤って転落してしまったという事例もあります。親が目を離した際の事故が多いことを考えると、ベランダにいるときには、一瞬たりとも目を離さないことが肝要のようです。