汚れた袱紗の洗い方が知りたい!ママに知ってもらいたい茶道の作法
袱紗は慶事や弔事に使われる場合が多いですが、日本独特の文化である茶道で使われるものもあります。茶道を習っているママもいらっしゃると思いますが、袱紗が汚れたときはどうしていますか?今回は袱紗の用途や茶道で使う袱紗が汚れた場合の洗い方、オシャレな袱紗の使い方などをご紹介します。
袱紗とは?「帛紗」との違いや茶道での用途
主に贈り物や金品などを包むのに使用される
袱紗はもともと、貴重な品を収めた箱に埃がつかないように掛けられていたものです。それが金品を贈る際に綺麗な状態で相手に届けるために、掛けたり包んだりして使われるようになりました。
そして贈り物への心配りという形で礼節を重んじるだけでなく、慶事や弔事を行う相手と心をともにするという意味も含まれるようになったのです。
袱紗の語源は「ふくさめる」という言葉で、ふんわりと包むという意味があります。柔らかな袱紗の生地は、贈り物をやさしく包むのに適していますよね。
茶道では「帛紗」と表記されるのが一般的
帛紗の「帛(はく)」は絹織物を指し、茶道では絹の帛紗を用いるケースがほとんどです。利休の教えが歌にまとめられた「利休百首」によれば、帛紗のサイズは縦が九寸、横が八寸八分で、約27cm×26cmとなります。
この寸法には、おめでたい8や高貴で力のある数である9が使われたという説もありますよ。帛紗一つにも相手を思う心が込められているのですね。
実際には帛紗のサイズは使い道や流派により異なります。また、色は女性が朱か赤、男性は紫とされていますよ。
茶道具を清める際に用いられることが多い
帛紗は三辺が縫われ残り一辺は輪になっていますが、この輪は「わさ」とも呼ばれます。裏千家や武者小路千家では「わさ」を右にして帛紗をたたみ、表千家では左にします。また、帛紗は亭主の印でもあるので、亭主は茶会が終わるまで腰につけているのですね。
流派によっては、古帛紗(こぶくさ)と呼ばれる小さなサイズの帛紗をお茶を運ぶときに下に敷いて使います。この帛紗の生地や柄はさまざまで、主に男性は寒色系、女性は暖色系を使いますが、厳密な決まりはありません。
汚れた「帛紗」の適切なお手入れ法とは
お茶を点てる一連の作法の中で汚れやすい
お茶を点てて振舞う作法を点前(てまえ)といいますが、点前の終わりには抹茶をすくった茶杓(ちゃしゃく)を清めるために帛紗は汚れがちです。しかし帛紗は基本的には洗わず、はたいたり柔らかなブラシをかけたりして汚れを落としますよ。
帛紗は「不洗布」と書く場合があり、点前ごとに新しい帛紗を使うともいわれます。客人との出会いをかけがえのないものとして、心を込めてもてなす意味があるのですね。「一期一会」という言葉はこれに由来するといわれています。
帛紗の手洗いは避けるのが無難?
とはいえ、茶道の稽古をしている人は何回も点前をするので帛紗は汚れがちです。そのため、はたくだけでは落ちない汚れを水で濡らした柔らかい布でやさしく叩き、乾かして使っている人もいますよ。
ぬるま湯にハンドソープを溶かした中に帛紗を入れて、押し洗いしている人もいます。洗った後は新しいぬるま湯でやさしくすすぎ、タオルに帛紗を広げて水分を移しそのまま乾かします。乾いたらタオルを帛紗の上に乗せて、低温のアイロンを当てるとよいそうですよ。
ただし縮む可能性もあるので、洗うのは万一の場合に処分してもよい帛紗にしましょうね。
洗濯可のものか、汚れたら新しいもので
正絹の洗える帛紗のさばきやすさに関しては問題ないという声と、通常の帛紗の方がさばきやすいという声の両方があります。茶道で習う帛紗さばきは茶道具を清める前に帛紗を小さくたたむ所作ですが、何度も練習する必要があるでしょう。
そのため、さばきやすい帛紗を使った方がスムーズです。この点は帛紗選びの迷いどころかもしれません。
茶道を習っている場合は、帛紗選びについて先生に相談するとよいですよ。また、通常の洗えない帛紗は1~2年を目安に、汚れたら新しいものに取り替えるのが基本となります。