後期つわりに強い眠気をもよおす理由は?眠りつわりの対処法や注意点
妊娠中に昼夜を問わず眠くなってしまう眠りつわりは、妊娠初期だけではなく妊娠後期にも現れやすい症状の一つだといわれています。「眠りつわりが長引いて辛い…」こんな風に悩んでいるママも多いのではないでしょうか。今回は妊娠後期に眠気をもよおす理由や、眠りつわりの対処法などについてお話しします。
妊娠後期の眠りつわりが起こる理由とは
体重増加により疲れやすくなるから
妊娠後期ともなるとママのお腹はますます膨らんで、体重もさらに増加してきますね。お腹に常に重いかたまりのようなものを抱えている状態ですから、足や腰にもかなりの負担がかかってきます。
また体重が重くなると、身体を動かすときにより多くの酸素が必要になります。心臓や肺にかかる負荷も大きくなるので、ちょっと歩いたり立ったりするだけでも疲れやすくなってしまいます。
本来なら、休息によってある程度疲れを回復させられますが、妊娠後期は下半身の血流が滞りやすく、疲労が溜まりがちです。疲れた身体が休息を求めるために、強い眠気をもよおしているのかもしれません。
貧血からくる脳や筋肉の酸素不足
ただ、血液量が増加しても血液中の赤血球などの生産が追いつかないため、血液は薄まった状態となります。さらに、ママの体内の鉄は赤ちゃんに優先的に運ばれるので、赤血球に含まれるヘモグロビンがうまく作られず、鉄欠乏性貧血を起こしやすくなります。
ヘモグロビンには血液中の酸素を全身に運ぶ役割があり、ヘモグロビンが減少すると、身体の各組織が酸素不足を起こします。脳や筋肉に運ばれる酸素量が慢性的に不足することで、眠気、倦怠感などの様々な症状が現れやすくなるのです。
夜に熟睡できないから昼間に眠くなる
妊娠中期以降は、エストロゲンという女性ホルモンの分泌量が増加します。エストロゲンには眠気を抑える作用があるため、寝つきが悪い、熟睡しにくいなどの睡眠障害が起こりやすくなります。
また妊娠後期は、大きくなったお腹の影響でも不眠に悩まされがちです。
例えば…
◯簡単に寝返りが打てない
◯お腹が重くて苦しい
◯胎動が激しい
◯頻尿で起きてしまう
など
不眠によって熟睡が妨げられると、脳は十分な休息を得ることができず、脳内に一種の老廃物(睡眠物質)が蓄積されていきます。その結果、常に睡眠が促されるようになり、昼間に強い眠気をもよおしやすくなってしまいます。
妊娠後期に感じる強い眠気への対処法
眠れる状況なら無理せず眠ってしまおう
ただ、昼間に寝過ぎると、夜の睡眠に影響する可能性もあります。あくまでも仮眠程度に抑えて、長時間眠り過ぎないよう注意しておきましょうね。
仮眠に適した時間は20〜30分程度といわれています。仮眠を取れば疲労回復も促せますし、眠気も解消されやすくなります。もし、起きた後も眠気がしつこく続くようなら、時間を決めて再度仮眠を取るのもよいと思います。
仮眠時に実際に眠れなくても大丈夫です。横になって目を閉じるだけでも、少しずつ疲れを回復させることができますよ。
早起きをして朝日を浴びて体内時計を整える
乱れがちな体内時計を整えるためにも、なるべく早起きをして、毎日決まった時間に朝日を浴びるようにしましょう。そうすれば体内時計もリセットされ、身体が休息状態から活動状態へと切り替わりやすくなります。
また、睡眠を促すメラトニンというホルモンは、目覚めてから約15時間後に分泌される性質があります。早起きをすれば夜に自然な眠気を感じられるので、入眠もよりスムーズになります。夜に眠れるようになることで、眠気も多少は改善されるかもしれません。
過食や甘いものを避けて栄養をしっかり摂る
ただ、過食や甘いものは血糖値を急激に上昇させてしまうため、眠気を誘いやすくなります。食事は腹八分目程度に抑え、糖質が多く含まれるスナック菓子や、スイーツなどもなるべく避けたほうがよいでしょう。
また、偏った食事が続くと栄養が不足し、貧血を起こしやすくなってしまいます。1日3食、多種類の食品をまんべんなく食べて栄養をしっかり摂ることが大切です。
貧血からくる眠気対策として、鉄分を多く含む食材を意識的に取り入れるのもおすすめです。血液を作るために必要な栄養素であるビタミンB12や葉酸もあわせて摂取するとよいでしょう。