育児うつが原因で離婚の危機に?回避するためにできる具体的な方法
産後はホルモンバランスの乱れで情緒不安定になりやすいうえ、赤ちゃんのお世話で睡眠や休息を取れない日が続きます。そのため、「育児うつ」になりやすく、育児うつが原因で離婚の危機に陥るケースもあるようです。育児うつが原因の離婚を回避するには、どのような方法があるのでしょうか。
育児中のうつが離婚につながってしまう理由
パパが原因で育児うつを発症し重症化した
一般的にうつ病は真面目な人がなりやすいといわれていますが、育児うつの場合はママの性格だけではなく、育児環境が大きな発症要因になっているといわれています。
とくに、パパが育児や家事に非協力的であったり、育児や家事について口うるさかったりすると、育児うつが発症しやすいようです。さらに、パパが育児うつに対して理解がないと重症化しやすくなります。
このような場合、「この人と一緒にいても幸せになれない」という感覚から、離婚を考えるママも多いようです。
うつで家事育児などが困難になってしまった
うつ病になる人は完璧主義者や真面目な性格の人が多いため、家事や育児が困難になると自分を責める傾向があります。「主婦失格」「ママ失格」と自分を責めると、うつが深刻になるので注意が必要です。
また、パパが「家事もできないなんて」と責めている場合はもちろん、「疲れているんだから仕方ないよ」と家事や育児に協力してくれる場合でもうつが悪化することがあります。
ママは「私がいないほうがパパは楽なはず」という感覚から、離婚を考えるようになります。
うつで夫婦の営みができなくなってしまった
もともと産後は、出産時の傷が癒えていない、睡眠不足や疲労が溜まっているということから、夫婦の営みに積極的になれないママもいます。
しかし、育児うつの場合は性的な欲求そのものが薄くなるため、「パパが嫌いになったわけではないのになぜ?」と罪悪感を覚えるママもいるようです。
また、夫婦の営みができなくなることですれ違いが増え、関係がぎくしゃくしてしまうこともあります。他人に相談しにくい問題であるため事態が深刻化しやすく、離婚に発展することもあるようです。
育児うつを理由に離婚することはできるのか
意思能力がある状態なら協議離婚はできる
離婚をする際は、子どもの親権や財産分与、養育費などについて取り決めを行わなくてはなりません。弁護士などを間に挟まない協議離婚の場合、すべてを自分たちで決めることになるため、かなりの労力が必要です。
うつ病になると気力や体力、判断力が落ちるため、協議離婚は難しいと感じるかもしれません。しかし、自ら離婚を判断できる「意思能力」がある状態であれば協議離婚は可能です。
うつの状態は時間帯や体調などによって変動します。症状が落ち着いたときに話し合う時間を作るとよいでしょう。
育児うつでも親権をあきらめる必要はない
しかし、うつ病の程度が軽い場合や、離婚後は実家の協力が得られるといった場合、親権をとれる可能性はあります。とくに、パパが育児に非協力的だった場合、育児実績があるママの方が有利です。
また、日本の調停人や裁判官は「子どもの健全な生育のためには母親が必要」という考えを持っています。そのため、虐待などの深刻な理由がない限り、ママが親権をとれるケースがほとんどのようです。
育児うつでも親権をあきらめる必要はありません。「子どもと離れたくない」というママは、遠慮せず親権を主張してくださいね。
育児うつの状態で衝動的な離婚は避けよう
育児うつでは、家事や育児ができないことへの罪悪感から「私はいないほうがよい」という考えに捕らわれがちです。また、育児ストレスから逃れるために「離婚するしかない」と考えることもあります。
しかし、育児うつの症状が強い状態で考えた解決策は、思い込みや勘違いで導き出されている可能性があります。症状が落ち着いているときに考えると、もっとよい解決法が見つかる場合も多いので決断を急ぐのはやめましょう。
離婚すると経済状況や住環境が一変します。衝動的な離婚は後悔することが多いので避けてくださいね。
育児うつでの離婚を回避するための具体策
パパもまじえて専門医と相談して治療しよう
いずれの場合も適切な対処をしないと状態が悪化したり、回復したように見えて再発したりします。家事や育児に支障が出るだけではなく、衝動的な行動を取ってしまうかもしれません。
まずは、ママの状態を正しく知るために病院を受診しましょう。精神科や心療内科に抵抗を感じるママは、自治体の保健センターに相談するのもよいですね。
また、投薬や休息などの治療は、家族の理解と協力が必要になります。パパもまじえて専門医と相談し、治療に取り組んでくださいね。