親子で同姓同名はできるの?法律と名前の付け方ルールを知ろう
海外では、親と子で名前がまったく同じということが珍しくありません。日本でも、子どもに親と同じ名前を付けたいと考える方もいるかもしれませんね。親子で同じ名前を付けることはできるのでしょうか。今回は、日本における名付けのルールや法律についてご紹介します。
子どもが生まれたら出生届を提出
戸籍法により14日以内に出生届を提出する
出生届の右半分は、医師や助産師などが記入する出生証明書になります。パパやママは、左半分の欄を記入し、母子手帳など必要なものとともに役所で提出します。
出生届は14日以内に提出しなければいけません。14日以内とは、子どもが生まれた日も含まれますので、注意してくださいね。
もし正当な理由がなく14日を過ぎてしまうと、過料という罰金のようなものを支払わなければいけない場合もあります。出産直後は様々な手続きで忙しいですが、後回しにしたままうっかり提出期限が過ぎていた…ということにならないよう気をつけたいですね。
戸籍法により命名の義務がある
また、命名権は父母が共同で行使するものであるとされています。子どもの名前は、パパとママが話し合って2人で決めましょうということですね。
子どもの名前に関しては、夫婦で意見が対立してしまったり、両親や親戚などが名前を提案してくることがあったりと、スムーズに決まらない場合もあります。しかし、法律ではパパとママが話し合って決めるものとされているのです。
名前は、生まれてくる子どもに贈る最初のプレゼントです。パパとママが納得のいく名前を付けてあげられるとよいですね。
法務省令が定める分かりやすい漢字を使う
名付けで使えるのは、常用漢字2,136字と人名用漢字863字の計2,999字です(2018年12月現在)。日常的に使われている漢字なので、名付けに使いたいと思う漢字のほとんどは、この中に含まれるでしょう。
人名用漢字は追加や見直しなどが行われるため、昔は名付けに使えなかったが、新たに使えるようになったという漢字もあります。たとえば、「雫」や「煌」などといった人気の漢字が名付けに使えるようになったのは2004年と、比較的最近のことなのです。
名付けのルールは法律で決まっている
子どもの名前を付けるにはルールがある
名付けに使えるのは、文部省が定めた漢字以外では、ひらがな、カタカナ、繰り返し符号(々、ゝなど)、長音符号(ー)のみと決められています。つまり、アルファベットや算用数字などは名前に使えません。
ハーフの子どもに外国人風の名前を付けようと思っても、日本の出生届ではアルファベットは使えないのです。たとえば「Tom」と名付けても、日本の出生届には「トム」と記入することになります。
一方、名前の読みに関してはルールがありません。昨今は個性的な読み方の名前が少なくありませんが、それはルールがないためなのです。
日本にはミドルネームの概念がない
外国ではミドルネームは一般的ですが、日本にはミドルネームの概念がありません。日本では名は一つのみであり、ミドルネームを付けることもできません。
もし、両親のどちらかが外国人で、子どもにミドルネームを付けたい場合、日本の出生届には、名の欄にミドルネームも一緒に記入することになります。たとえば、本来は「山田 ジェームス 太郎」とミドルネームを付けたい場合でも、「山田 ジェームス太郎」というふうに、ミドルネームと名前が一つになってしまうのです。
社会的に適していなければ受理されない
有名なのが、1993年に起きた「悪魔ちゃん騒動」でしょう。子どもに悪魔という名前を付けて出生届を提出したところ、届出は不受理となり、その後裁判に発展するなど、当時のマスメディアを騒がせたできごとです。
「悪」も「魔」も、名付けに使える漢字です。しかし、行政が社会的に不適切な名前だと判断したため、届出は受理されなかったのです。
法律や明確なルールがなく、判断基準は難しいですが、社会的な常識や倫理から逸脱した名前は付けることができないと考えてよいでしょう。