子どもが綺麗な字を書く訓練は必要?幼いころから美文字になれるコツ
「子どもが綺麗な字を書く子になってほしいな」とパパとママなら思うものですね。字が綺麗で得なことはあっても、損なことはないからです。でも、実際に練習をするとなると練習を始める時期や練習の仕方などについて悩むのではないでしょうか。そこで、練習を始める時期や綺麗な字を書く練習のコツなどをご紹介します。
綺麗な字が書けるようになるための基礎知識
綺麗な字が書けることのメリット
現代ではデジタル化が進んだため、昔より手書き作業は減ってしまっています。しかし、減ってはいてもまったくないわけではありません。今でも授業の板書やテストの回答は手書きです。手紙もパソコンで打った文字より、手書きの方が相手に気持ちが伝わるといわれますね。
字が綺麗に書けると、各種書類の記入や持ち物への記名が苦にならなかったり、ゆくゆくは仕事上でも任されるものが多くなったりします。また、もっと練習に励んで資格を取れば、書道の師範やあて名書きの仕事を受ける道も開けるかもしれませんよ。
字の練習はいつからするのが効果的?
ところが、文字を書くには正しい姿勢と集中力、子どもの興味の有無が大切になります。お絵描きなら床に画用紙を広げてクレヨンでグルグルもよいですが、文字を書くなら少しの時間だけでも正しい姿勢で座れる方がよいでしょう。
最初はお絵かきの延長でクレヨンを鉛筆持ちにして運筆の練習をしてもよいですね。うまく運筆できるようになったら、芯の柔らかい鉛筆での練習を始めましょう。
短時間でも姿勢を正して座れるようになり、字を書くことに興味を持ち始めたときがスタートの最適なタイミングですよ。
使用する鉛筆の種類と持ち方
書道塾や幼稚園では、鉛筆の濃さを指定されることもあります。これは、筆圧が弱い小さな子でも滑らかに書けたり、とめ、はねなどをはっきり書いたりできるからです。
しかし中には筆圧が濃い子もいますので、擦れてノートが真っ黒になるときはBにしてもよいかもしれません。また、形は三角や六角がよいでしょう。
持ち方は親指、人差し指、中指を伸ばした状態で鉛筆を持ち、指先を親指の位置に合わせます。そして、親指と人差し指を少し曲げて支えるようにして持ちましょう。癖はなかなか直せませんから、小さいうちに正しい持ち方を身につけたいですね。
綺麗な字を書く訓練は書き癖がつく前に
まずは「なぞり書き」で書き順どおりに
小さい子は数字を見ても書き順だと分かりませんから、最初はどういう順番に書くのかパパやママが一緒に練習しましょう。初めはママに言われてそのまま書くだけかもしれませんが、少し大きくなって数字の意味が分かってくれば、自分で確認しながら書くことも可能です。
また最近では、なぞり書き用の無料プリントが印刷できるサイトもたくさんありますよ。そちらを利用すれば何度でも繰り返し印刷して練習できるので便利でしょう。字に自信のあるママなら子どもが好きな言葉を集めたなぞり書きノートを作ってもよいですね。
なぞり書きが嫌いな子には「写し書き」を
なぞり書きが嫌いな子には「写し書き」にチャレンジしてもらいましょう。字が上手に書けるようになるには、お手本をしっかり、じっくり見てそれを真似ることが必要です。書道教室に通うと、毛筆の練習はお手本を左横に置いてそれを見て書きますね。それと同じです。
写し書きはなぞり書きに比べ、どこで曲げるのか、とめ・はね・はらいはどうするのかなどを子ども自身が見ながら考えるため、上達も早いようですよ。またなぞり書きだと、はみ出ただけでダメと言われるのに、写し書きだと少し自由度が高いため子どもにとってはストレスが減ることになるでしょう。
パパやママが気をつけたいこと
そこで絵本の読み聞かせから入り、まずは字を読めるようにしましょう。読めるようになってから「書く」に移行した方が子どもにも負担が少なくてすみますよ。
また「綺麗に書く」「きちんと書く」「もっと丁寧に」などの抽象的な言い方では子どもには伝わらないようです。「ここはクルッと卵型にまるくして」「ここはピタッと止めてから上に向かってポンとはねて」など具体的に言うとよいでしょう。
子どもが興味を持つ年齢は千差万別ですから、興味がなさそうなら、少し引いてみて時間を空けることも大切ですよ。
親子で習字を習って美文字になろう!
書道と習字の違いを知っておこう
ところが、習字は整った「美しい文字」であり、書道はその美しい文字を習得した先にある「芸術の文字」なのです。このことから、学校の教科として習う文字も書道教室で子どもが習うものも習字になりますよ。
習字は形が整ったものであり、個性を出すものではありません。流派はありますが、大体決まった字形のものをお手本にしてそのとおりに書きます。
一方、書道を習う上で必ず通るのが「王義之」「九成宮醴泉銘」「蘭亭叙」の三つの中国古典です。これらの古典を学んだ後に、個性を発揮して書を極めていきます。