夫婦で喫茶店を開業するには?手続きや子育てと経営を両立するコツ
コーヒーや紅茶が好きなママなら、喫茶店を開業したいと考えたこともあるのではないでしょうか。夫婦でお店を切り盛りするスタイルなら家事や育児と両立させやすそうですよね。今回は夫婦で喫茶店を開業するときの手続きや、子育てと経営を両立するコツを紹介します。
夫婦で喫茶店を開業するための準備
お店のコンセプトを考えよう
コンセプトを考えるときは、「誰に」「何を」「いつ」「どこで」「どのように」「いくらで」を具体的にイメージするとよいでしょう。どれか一つを決めることで、ほかの要素も決めることができます。
例えば、学生をメインターゲットにした喫茶店を開く場合、着席で楽しむメニューだけではなくテイクアウトできるメニューを用意してもよいかもしれません。学生相手なので価格設定は低めになるでしょう。
コンセプトを決めたら具体的なメニューを考えてください。学生向けならソフトドリンクを充実させたり、フライドポテトなどのスナックを取り入れたりしてもよいですね。
開業資金を確保しておこう
開業資金は「設備資金」と「運転資金」の二つに分けることが可能です。設備資金は物件のリフォームや内装用品の購入費用など、運転資金はお店の家賃や食材の仕入れ費用などがあてはまります。
開業資金というと設備資金をイメージする人が多く、「運転資金を用意しておらず、経営が立ちいかなくなった」というケースが多いので注意してください。運転資金は3カ月分を目安に用意しておきましょう。
開業資金は自分で貯金するほか、身近な人から借りたり金融機関から借りたりするのが一般的です。日本政策金融公庫なら開業資金を借り入れしやすいでしょう。
お店の設計と施工会社の選び方を知ろう
お店の設計や施工を依頼するときは、飲食店の施工経験がある会社を選びましょう。経験がない会社に施工を依頼すると、営業許可を取る段階で設備不足が見つかり、追加工事が必要になるかもしれません。
また、依頼する前に写真などで施工事例を見せてもらい、可能なら施工事例として紹介されたお店を実際に見に行くとよいでしょう。
業者は複数探して「相見積もり」を取ってください。見積もりの詳細がわかりにくい業者や、質問や相談を嫌がる業者は避けてくださいね。
喫茶店を開業するために必要な資格と手続き
飲食店営業か喫茶店営業の許可を取ろう
喫茶店営業では基本的にドリンクしか扱うことができません。一方、飲食店営業ではドリンクだけではなく、パスタやオムライスなどの料理や、アルコールも提供できます。
また、食品営業許可を取得する際は「食品衛生責任者」を決めなくてはなりません。栄養士や調理師などの免許を持っていない場合は、食品衛生協会が主催する講習を受ける必要があります。
このほか、テイクアウトメニューを用意する場合は、そうざい製造や菓子製造などの許可が必要なケースもありますので、事前に保健所で相談しておくとよいでしょう。
消防署に防火対象物使用開始届を提出しよう
そのため、開業の際は「防火対象物使用開始届」を消防署に提出しなくてはなりません。開始届は建物の使用開始7日前までに提出しましょう。
また、内装工事などを行う場合は、開始届とは別に「防火対象物工事等計画届出書」の届け出が必要です。工事着工の7日前までに提出してくださいね。
さらに、収容人数30人以上のお店の場合は「防火管理者」を定めなくてはなりません。お店の規模によって「甲種」と「乙種」にわかれていますので、消防署に問い合わせるとよいでしょう。
税務署に開業届出を提出しよう
開業届は開業前ではなく開業後の提出になります。提出期限は開業から1カ月以内となっていますので、忘れずに提出してください。
また、個人事業主は年末調整ではなく「確定申告」を行うことになりますが、開業届を出すと「青色申告」が利用可能です。帳簿の付け方が複雑で手間がかかりますが、最高65万円の控除が受けることができますよ。
青色申告を利用する場合は、開業から2カ月以内に「青色申告承認申請書」を提出する必要があるため、開業届と同時に提出しておくとよいでしょう。
子育てとお店の両立のために大切なこと
営業時間を柔軟に変えていく
例えば、子どもが保育園や幼稚園に通っている場合、営業開始時間を10時頃からにしておけば負担が少ないのではないでしょうか。閉店を夕方にしておけば、余裕を持って夕食作りなどに取り組めます。
また、ママが家事や子どもの世話で忙しいときは、パパにお店をお任せすることもできます。お店の定休日のほかに「ママの定休日」や「パパの定休日」を作ってもよいですね。
子どもが成長したらモーニング営業や夜間営業にチャレンジするのもよいでしょう。ライフスタイルに合わせて柔軟な働き方をすることができます。