叱るとき気をつけたい子どもへの対応。子どもの心を傷つけない叱り方
忙しい毎日では心の余裕がないために子どもを感情的に叱ってしまい、ママは自己嫌悪に陥ったり子どもへのよくない影響を心配したりするかもしれません。ここでは子どもの心を傷つけない叱り方や、叱るときのママの心がけなどをご紹介します。適切に叱ることができると親子の絆が深まりますよ。ぜひ参考にしてくださいね。
子どもの心が傷つく叱り方とは?
暴力や怒りの感情にまかせて怒る
ママは忙しくて切羽詰まっていたり子どもが何度言っても注意を守れなかったりすると、感情にまかせて怒ることがあるかもしれません。怒鳴ったり暴力をふるったりすれば、子どもは恐怖感からママの言うことを聞く場合もあるでしょう。
恐怖で言うことを聞かせるのは辛抱強く説明するよりも簡単ですが、子どもの心は恐怖感で占められ叱られた理由まで理解できなくなります。すると自発的に反省して行動を改められず、親が見ていなければ悪いことをしたり、親を真似て暴力や暴言で友だちをねじふせようとしたりする場合もありますよ。
否定的な言葉をたくさん使う
けれども「何度言っても片づけない!」「どうして言われないとできないの」と、子どもの言動に対しては否定的な言葉を多く使いがちです。子どもはママから自分の言動を否定されてばかりいると、自分自身を否定されている気持ちになり自信を失っていきます。
たとえ気にしていない様子でも、まったく傷ついていないことはないでしょう。言動を否定する言葉は少しずつ心にダメージを与えるので、子どもは自分が傷ついたと感じにくく、親も子どもが傷ついていることに気づきにくいのです。
否定的な言葉をたくさん使うと、いつの間にか子どもの自信とやる気が失われていくかもしれません。
ほかの子や兄弟姉妹と比較する
比較されて叱られると、子どもはプライドが傷つき劣等感を持つようになります。「どうせ自分はできない」と努力を無駄と感じたり、ひがみやすくなったりするかもしれません。比較して叱ることで子どもに「あなたは劣っている子」というメッセージを送っているのです。
また、比較された子を嫌いになる可能性もあります。子どもが友だちを尊重できずに妬んでばかりいたり、兄弟姉妹の足を引っ張ったりするのは悲しいことですよね。
子どもの心を傷つけない叱り方とは?
子どもの言い分を聞いて共感しよう
まずは上の子の言い分を聞いて「悔しかったんだね」などと共感しましょう。そのうえで叩いてはいけない理由を伝え、「言葉で言おうね」などと適切な対処法を説明できるとよいですね。
理由を尋ねても「それはあなたが悪い」と即座に否定すると子どもの心は閉じてしまいます。共感しづらい理由でも「そうなんだね」「そう思っていたんだね」と、子どもの意見を尊重し認めましょう。
それから叱った理由を説明し、「~するといいよ」のように、できるだけ肯定語を使って改善する点を話すと、子どもの心を傷つけにくいです。
声を低くゆっくり話すことを意識する
叱るときにきちんと子どもと対面し、目を見て低い声でゆっくりと話しましょう。一方的に話すのではなく、ときどき質問したり意見を求めたりすると子どもは叱られた理由を理解しやすくなります。
真剣に話すときは親子ともに冷静さが必要です。親が感情的になると話が長くなりすぎたり叱っている理由が明確でなくなったりして、子どもはなかなか反省できません。子どもも怒られたショックで泣いているときは冷静ではないので、親の話を理解することが難しいです。
ときには親も怒ってしまう場合がありますが、叱るのはお互いに冷静になってからにしましょうね。
叱った後のフォローを忘れずに
怒ってしまったときは「さっきは怒りすぎてごめんね」と謝り、「でもママは兄弟仲良くしてほしいな」と率直な気持ちを伝えましょう。ママが素直になると子どもも素直になりますよ。
叱ったことが改善したときは、たくさん褒めましょう。子どもはママに褒めらると自信がつきます。
育児中は叱る場面も多く、ママは子どもへの影響が心配かもしれません。けれども愛情深いフォローがあれば親子の絆がいっそう深まりますよ。
叱るとき心に余裕を持ちたいママの心がけ
叱る基準を確かにしておこう
叱る基準を決めるときは夫婦で話し合うとお互いに納得できます。また、お互いの考え方を客観視できるので、叱る基準が極端に高かったり偏ったりすることが避けられるでしょう。
多くのママが叱る基準にしていることは「危険なことをしたとき」「マナーやルールを守らず周りに迷惑をかけたとき」です。この二つは生きていくうえで大切なことなので、叱る基準の参考になるでしょう。
子どもに多くを求めると叱ることも多くなり、本当に叱る必要があるときに子どもに「またか」と受け流される可能性があります。あまり夫婦の理想を押しつけず、最低限のことを叱るのも一つの方法かもしれませんね。