10代での出産はリスクがある?10代出産のメリットやデメリット
高齢出産は、リスクが高いので避けたほうがよいと耳にしたことがある方も多いでしょう。では、反対に10代の出産は「早過ぎる」という意見を聞く程度で、具体的に何がよくて何が悪いのか分からないことがたくさんありますよね。今回は、10代で出産するリスクやメリット、デメリットなどをご紹介します。
10代で出産することによるリスク
「若年出産」ってどういう意味?
個人差はありますが、日本の女性は大体10~13歳の間に初潮を迎え、体が「妊娠可能」な状態になります。まだ小学生の女の子でも妊娠できると聞くと少し驚いてしまいますが、イギリスでは12歳の女の子が出産したという記録もあります。
また、江戸時代のころは地域によって違いはあるものの、農村部などでは10代のうちに結婚、出産をして一生のうちに4人以上の子どもを産むことも多かったそうです。
現在でも、アフリカ諸国をはじめとした発展途上国では、子どもが成人するまでに死亡する確率が高いなどの理由から、10代のうちに結婚して子どもを産むケースが多いので、若年出産は決して珍しいものではありません。
しかし、若年出産が昔から行われてきたことや、現在も様々な国で若年出産が行われているというのは事実ですが、若年出産が安全だという意味ではありません。実は、若年出産には高齢出産と同じくらい、様々なリスクがあるといわれています。
若年出産のリスクとは?
そのため、初潮からあまり時間が経っていない若い女性は、ホルモンバランスや子宮、骨盤の状態が整っておらず、妊娠することはできても「お腹の中で赤ちゃんを育てる」「赤ちゃんを産む」という力が弱い可能性があります。
若年出産の中でも特に15歳以下の場合、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)のリスクがほかの年代に比べて高く、胎盤の早期剥離、胎児発育不全、流産を起こしやすいといわれています。
また、25歳の妊婦の早産率が約5~6%であるのに対し、10代の早産率は約14~16%と非常に高く、低出生体重児の出生率も10%くらいと、20~34歳までに比べて少し高いことが分かっています。
さらに、骨盤が小さいため自然分娩が難しい、難産になりやすい、ホルモンバランスが整っていないのでつわりが重く長引きやすい、情緒が不安定になりやすいなどの問題があります。
10代で出産することによるメリット
若いので体力があり子どもとたくさん遊べる
また、子どもが幼稚園や保育園に行くようになると、20代や30代で出産したママだと「体力が落ちて遊びについていくのが大変」という声も聞きますが、10代で出産したママは体力があるのでプールや動物園など、子どもと一緒にたくさん遊べるでしょう。
子どもが色々な体験をできるというだけではなく、「体力がないせいで子どもが不自由な思いをしている」「本当はもっと一緒に遊びたいのに」といった悩みを抱えることが少ないため、10代のママが自信を持ちやすいのがメリットです。
育児が落ち着くのが早い
40歳前後ならまだ元気なので、育児が落ち着いて自分の時間を持てるようになったとき、それまで我慢してきた趣味や習い事をたっぷり楽しめるでしょう。また、成人した子どもと一緒に食事やショッピングに出かけたり、一緒に旅行やレジャーを楽んだりする体力もあります。
さらに、30代で子どもを産んだ場合などは、子どもが成人したときは50代になるため再就職が難しい傾向にあります。子どもが成人したときに40歳前後だと再就職もしやすく、老後の資金を長い期間貯めることができるので豊かな老後を送れるかもしれませんよ。
親や周りの人からのサポートを受けやすい
また、30代でママになった方の中には育児と両親の介護が重なってしまう可能性がありますが、10代でママになった場合は育児と介護が重なりにくくなるのもメリットです。
さらに、若いママはほかのママと年代が合わず孤立しやすいことから、地域に若いママ向けサークルが作られていたり、若いママを支援してくれる福祉団体が作られていたりします。また、地域の人が気にかけてくれることも多いので、家族以外の人からもサポートを受けやすいといえます。