出産後の過ごし方はまず安静に。身体の回復をみながら行動を決めよう
出産はママの身体にダメージを与える大仕事です。ダメージを受けた身体を回復するためには、まずは安静に過ごし、回復を確認しながら少しずつ動くようにしましょう。今回は出産後の行動の仕方の目安をご紹介します。回復を早める過ごし方を心がけて、赤ちゃんとの楽しい生活を始めましょう。
出産後は安静にして身体の回復を優先に
ケアが手厚い入院中は休めるときに休もう
入院中は助産師や看護師から、赤ちゃんのお世話について指導を受けます。指導は授乳の仕方、おむつの替え方、沐浴の仕方などで、退院後の赤ちゃんとの生活に向けて準備や心構えを教えてもらえます。
ただ、出産という大仕事を終えたばかりのママの体はとても疲れています。入院中はゆっくり休んで体力を回復させることも大切なことです。
無理をせず、必要であれば赤ちゃんを新生児室に預けて、ゆっくりと睡眠をとりましょう。調子の悪いときは助産師や看護師が優しくケアしてくれますよ。
退院後すぐは不要な外出は控えよう
退院後すぐは、なるべく赤ちゃんと一緒に横になって休みましょう。ゆっくりと休むためにも、赤ちゃん用品は出産前に揃えておくと安心です。
出生届の提出や必要な手続きなどは、パパやおばあちゃんなど周囲の人にお願いしましょう。買い物は、ネットスーパーや食材宅配サービスの活用がおすすめですよ。
どうしても外出しなければいけないときは自家用車やタクシーを利用し、短時間ですませます。公共交通機関など、不特定多数の人が利用する移動手段は控えましょう。
出産後の無理は後々体調を崩す原因にも
例えば、出産時にダメージを受けた子宮などの傷が回復しにくくなることが考えられます。傷の治りが遅いと出血も長引きがちです。また出産後は体力と免疫力が低下しているので、感染症にかかりやすかったり、心筋症の発症リスクが高まったりします。
心への負担は身体よりも深刻です。産後に無理をすると精神面にも負担がかかり、情緒不安定になりやすいです。国立育成医療センターなどの調査によると、産後に自殺するママは出生時の事故で無くなるママよりも多いことがわかっています。
産後はできる限り安静にして、身体の回復を最優先に考えましょう。
産褥期のあいだは無理をしないで過ごそう
家事再開の目安は出産後3週間ごろの床上げ
床上げの「床」は、ママが休めるように布団などを敷きっぱなしにした状態のことで、敷きっぱなしの布団を片づける様子が「床上げ」です。ただ実際には床上げ後も片づけずに、いつでもママが休める状態にしておきましょう。
このころになれば、休みながら、調子がよいときには軽い家事を再開できます。無理をせずに少しずつ日常生活を始めましょう。
回復が順調でないと、まだ鮮血のような悪露が続いていたり悪臭がしたりすることがあります。気になる症状があれば産婦人科で相談しましょう。
軽い運動もOKとなる出産後6週間ごろ
ただ、子宮はまだ回復途中です。また慣れない赤ちゃんのお世話に疲れを感じたり、昼夜の区別がつかない赤ちゃんのお世話で寝不足になったりするママは少なくありません。
そのような状態なので、妊娠前と同じペースで家事をしたり激しい運動をしたり遠出したりするような無理はせず、まだしばらくは身体の回復を優先した生活を心がけましょう。
早期の仕事復帰を希望するママは、産後6週間以降から医師の許可があれば復帰可能です。医師の診断がない場合は労働基準法により8週間以降から可能になりますよ。
外出は1カ月健診でOKが出てから
1カ月健診では赤ちゃんの発育状況やママの回復状態を確認します。医師からママの状態について「順調に回復していますね」と言ってもらえれば、堂々と外出が可能になりますよ。
一方で医師から「まだ無理はしないでください」と言われれば、そのときは指示に従ってもう少し安静にしていましょう。
外出のOKが出たからといっても、いきなり遠出をするとママの体に負担がかかります。まずは近いところから短時間の外出をしましょう。
赤ちゃん連れの外出もできるようになります。不安なときはパパも一緒に親子で外出できるとよいですね。
身体の回復を早めるための過ごし方とは
無理の無い程度の運動をする
ポイントの一つが、軽い運動です。軽い運動といっても、通常私たちが行っているような運動ではありません。産後でダメージを受けた子宮や骨盤の回復や、母乳の出がよくなるなどの効果が期待できる「産褥体操」です。
例えば、床上げする前なら仰向けで足首の曲げ伸ばしをしたり、膝を立ててゆっくりと腰を上げたりします。産後1カ月ごろからは肩を回すなどのストレッチができるようになり、産褥期の終わりごろからは全身の曲げ伸ばし運動も可能になります。
どの動きも疲れない程度に、体をほぐす感じでゆっくりと行いましょう。