授乳期の食欲が異常に増えるのはなぜ?ママができる対策を考えよう
「授乳期は、食欲が抑えられないほど旺盛になってしまう」という悩みはよく耳にしますよね。異常に増える食欲に対して、いつまで続くのか、このままでも大丈夫だろうかと不安になってしまうママのために、どのような対策をしていけばよいのかについてご紹介していきたいと思います。
授乳期に食欲が増えるのは当たり前のこと
授乳中のママの体の仕組み
実は、母乳を作るための準備は妊娠中からママの体内で少しずつ進められており、出産を終えてから、乳腺を発達させて母乳を作る「プロラクチン」というホルモンと、母乳を噴出させる「オキシトシン」というホルモンがたくさん分泌されるようなホルモンバランスへと移行します。
赤ちゃんがおっぱいを吸うことによってプロラクチンというホルモンが分泌され、このホルモンが乳腺に活発に働きかけて母乳を作るように指示を出し、ママの血液から母乳が作られます。
生産された母乳は乳管を通って乳管洞に蓄えられ、ポンプのような働きをするオキシトシンによって母乳が分泌されるという仕組みになっています。
食欲が増えても焦らなくて大丈夫
「こんなにお腹が空くなんて、異常かも」と不安になるほど、授乳期間中に食欲が増進するママは多いもの。しかしそれは、母乳の元である血液を大量に作り出すために必要なことなのです。
母乳のために必要なエネルギーは1日あたり約500〜700kcalとされていますので、3食に加えてそれだけのエネルギーを摂取する必要があります。昼夜を問わず2〜3時間ごとに授乳したり、抱っこをしたりとなにかと育児には体力が必要ですので、多少の食欲増進については心配しなくても大丈夫ですよ。
食べるものには少し気をつけて
母乳の量や質と食事との関係性については、はっきりとした調査報告がされているわけではありませんが、一般的に高カロリーな食事はネバネバとした母乳を、高糖質な食事は糖分の高いベタベタとした母乳を作り出すとされています。
母乳トラブルを回避しつつ、赤ちゃんの好む「サラサラでさっぱりとした、ほのかな甘みのある母乳」が生産されるように、白米、脂肪の少ない魚や肉、根菜類、水分が多く体が温まるものを使った和食中心のメニューをバランスよく食べられるよう工夫しましょう。
体型維持のために実践してみよう
小分けに食べて空腹時間を減らそう
とはいえ、産後のママの体はとてもデリケート。過度な運動や無理な食事制限をしてしまうと、母乳が出にくくなったりストレスがたまったりすることもあるので注意が必要です。
産後はカロリー消費が増えてやせやすい体質になっていますので、散歩や家事などの軽い運動をしつつ、一日の食事回数を4〜5回程度に増やして、一回あたりの食事量を減らす方がダイエット効果が期待できます。さらに、よく噛んでゆっくり食事を取るようにすると腹持ちがよくなり、空腹時間が減るのでよいですよ。
間食は低カロリーで高たんぱくのものを
食事に関してはとくに、高タンパク・低カロリーな和食メニューがおすすめです。食物繊維や栄養が豊富で、乳腺炎の元となる脂質や糖分が少ないのもうれしいポイントですね。塩分を控えた和食中心の食生活を心がけるとよいでしょう。
また、産後は母乳を作るために水分を消費するため、便秘に悩むママが増えます。食物繊維が豊富で低カロリーな寒天を間食に食べると、便秘解消もダイエットも同時にできるのでおすすめです。
食べたものを記録して食べ過ぎ防止を
小さな赤ちゃんを抱えてジムやヨガに通ったり、極端な食事制限をしたりすることは続けにくいもの。ママの負担にならない範囲でダイエットをするのであれば、レコーディングダイエットという方法がおすすめです。
レコーディングダイエットとは、食べたものをすべて書き出すダイエット方法のことで、育児日記の余白スペースに記入する、メモに書き出して冷蔵庫などの目につくところに貼る、スマホアプリに入力して摂取カロリーも計算するなど、さまざまなやり方があります。毎日口にするもののカロリーの高さや量を知ることで、食べ過ぎを防止することができますよ。
赤ちゃんと一緒にママも運動をしよう
体型維持を目指してベビーカーウォーキング
以前の体型に戻したい、育児をしながらでもできる手軽な運動で妊娠中に落ちた筋肉量を取り戻したいというママは、まずベビーカーウォーキングを試してみるとよいでしょう。産後すぐの時期はハードな運動はできませんが、ママの体力がある程度回復して、赤ちゃんの首がすわる生後3〜4カ月頃になれば、ベビーカーで短時間散歩することが可能になります。
まずは自宅周辺を30分程度散歩することから始めましょう。ベビーカーに寄りかからないようにしながら、背筋を伸ばして姿勢を正し、大股で歩くようにするとより効果的ですよ。