乳児はなぜ、眠りながらあくびをする?あくびの理由と睡眠との関係
赤ちゃんが眠りながらあくびをする様子を見て、不思議に思ったママはいませんか?一方で、「あくびをしているのになかなか寝ない」、「あまりに頻繁にあくびをしているけれど、大丈夫かな?」といったことが気がかりなママもいるかも知れませんね。今回は乳児があくびをする理由と睡眠の関係をひも解いていきます。
乳児が眠りながらあくびをするのは何故?
レム睡眠とノンレム睡眠
大人であればこの2つの睡眠は90~120分周期で繰り返していますが、赤ちゃんの場合はもっと短い40~50分周期で繰り返しています。これはまだ脳が発達段階にあるためです。
1歳半ごろまでは浅い眠りであるレム睡眠が、赤ちゃんの睡眠時間の約半分を占めています。レム睡眠のときは脳が活動しているので、赤ちゃんは眠っていても手足を動かしたり、口をもぐもぐさせたりすることがあります。物音に反応して起きてしまうのもこのときです。反対にノンレム睡眠のときは、多少の物音がしても起きることなくぐっすりと眠っています。成長とともにノンレム睡眠の時間は少しずつ長くなっていくそうですよ。
赤ちゃんが眠った直後はレム睡眠の状態なのだそうです。抱っこで寝かしつけてすぐに布団に置くと起きてしまうことがあるのは、まだ眠りが浅いためだったのですね。
眠っていても脳に不足した酸素を送る
赤ちゃんは、身体の機能がまだ未熟です。脳に必要な酸素を送る機能も未熟なため、眠っているときにもあくびをして、足りない酸素を脳に送っているといわれています。ですから、赤ちゃんが眠っているときにあくびが多く出るのは脳に酸素を送るためで、赤ちゃんにとっては自然なことなのです。
また、最近ではあくびが脳の温度を下げる役割をしていることが分かってきました。脳への血流が増加し、脳が熱くなり始めるとあくびをたくさんするようになります。あくびをすることで口や鼻から冷たい酸素が血管に取り込まれ、脳に向かう血液を冷やしているのです。
あくびをするのは眠いからというばかりでなく、脳に酸素を送ったり脳の温度を下げたりするためでもあったんですね。
乳児のあくびが多すぎると思ったら
熱中症にかかっているかも
赤ちゃんは新陳代謝が活発なため、おしっこや汗で水分が出て行きやすく脱水症状を起こしやすいです。体内の水分が不足すると血液が流れにくくなり、脳が酸素不足になります。脳に酸素を送り込むために生あくびを強制的に行うのだそうです。
熱中症は夏に限らず、暖房の効いた湿度が高い部屋にいたり長い時間お風呂に入っていたりしたときは、冬でもなってしまうことがあります。赤ちゃんがあくびを頻繁にするようでしたら注意して様子をみましょう。
体温が高くぐったりしていたら熱中症にかかっているかもしれません。体を冷やしたり水分補給したりしても症状がよくならないときは、早めに病院へ行きましょう。
高熱が出ている時なら髄膜炎かも
赤ちゃんに多い髄膜炎の症状として、ぐったりしていて元気がない、よく眠る、機嫌が悪い、ミルクや母乳の飲みが悪い、生あくびを頻発するなどがあげられます。髄膜炎の症状がひどいと、呼吸・意識障害やけいれんが起きることもあるそうです。
髄膜炎には無菌性髄膜炎と化膿性(細菌性)髄膜炎があります。化膿性(細菌性)髄膜炎の場合は後遺症が残ったり死亡したりする場合もあります。最初は「ただの風邪かな」と思っていても、赤ちゃんの熱が高く、様子がいつもと違うと感じた時はすぐに病院で受診してくださいね。
おかしいと思ったらためらわずに病院へ
生あくびがでる原因として、熱中症や髄膜炎以外にも脳に関する病気や胃腸に関する病気、アレルギーによるものなどがあります。一日に何回もあくびをしている、眠くないのにあくびをしている、あくびとともに嘔吐や発熱などの症状があるなど、いつもと様子が違うと感じたら早めに病院に行きましょう。
赤ちゃんに生あくびが頻繁に出る場合は、体調が悪くないかよく観察するようにしましょう。