赤ちゃんを出産するママへ。知っておきたい準備や流れや産後のこと
いきみ始めて赤ちゃんが産まれる分娩第二期
初産婦では1~2時間ほどかかるでしょう。ここからは赤ちゃんとママのタイミングをしっかりと合わせて、何度かいきむことで赤ちゃんを押し出します。痛みは最高潮に達しているので、パニックになり呼吸が浅くなることがあります。助産師さんの指示に従って呼吸を整えるとよいですよ。
また、赤ちゃんが生まれる際に会陰が裂けてしまいそうなときは、医師により会陰切開が行われます。怖い感じもしますが、実際は陣痛の痛みで切開にはほとんど気づかなかったというママが多いので、あまり心配しなくても大丈夫でしょう。
赤ちゃんが産まれて胎盤を出す分娩第三期
赤ちゃんが産まれてからしばらくすると、再び陣痛のような痛みがあり、出産のときと同じようにいきんで胎盤などを娩出します。ママは赤ちゃんが産まれたことで既に感情が高ぶっているので、第三期の記憶はほとんどないという人が多いようです。
無事に第三期を終えたら、赤ちゃんとママの処置をして、2時間くらいの間、分娩台で横になったまま静かに過ごします。産院によってはカンガルーケアなどで赤ちゃんに初乳を飲ませたり、家族と一緒に過ごしたりできる時間になるでしょう。
陣痛より辛い?産後に起こる身体の痛み
子宮が戻ろうとして起こる後陣痛
「後陣痛」とは、妊娠で大きくなった子宮が、元の大きさに戻る際に収縮することで起きる痛みのこと。個人差はありますが、2、3日から1週間ほどで収まるでしょう。後陣痛があるということは、子宮の戻りがよいということなので、あまり心配はいりません。
経産婦は初産婦に比べて痛みが強いといわれています。眠れないほど傷む場合は、医師に相談して痛み止めを処方してもらいましょう。また、お腹を温めると痛みが和らぐ傾向にあるので、カイロをあてるのもおすすめですよ。
会陰や帝王切開の傷の痛み
授乳などで椅子に座る際は、ドーナツ型のクッションをお尻の下に敷くと、痛みが和らいでおすすめですよ。傷口に負担をかけないように過ごしてくださいね。
帝王切開で出産したママは、お腹を切った傷の痛みが半月~1カ月ほど続くようです。とくにお腹に力を入れる際、ひきつるような痛みがあるといいます。赤ちゃんを抱きあげる際などは注意が必要です。パパや両親など、周りの人の助けを借りて、ママはできるだけ体の回復に努めましょう。
慣れない授乳で起こる乳首の痛み
乳頭裂傷のおもな原因は、「赤ちゃんのくわえ方が浅い」「乳首から赤ちゃんを離すときにくわえたまま引っ張ってしまう」などです。赤ちゃんにおっぱいをあげる際は、「乳輪に下唇を当て、大きくくわえさせる」ことと、「おっぱいから離すときは口の端に指をそっと入れて、隙間をつくる」ことを心がけましょう。
それでも乳頭裂傷が起きてしまった場合は、搾乳器でおっぱいをしぼり、哺乳瓶で授乳するとよいでしょう。
出産に必要な費用や助成金はどれくらい?
正常分娩でかかる費用
正常分娩で出産・入院にかかる費用の平均は40~60万円ほど。入院する医療機関によって入院費は大きく異なります。特に差が出るのは「入院宿泊費」です。シャワー、トイレ付の個室や、広くて家族も泊まれるような部屋を選ぶと、1泊あたりの金額が高くなります。正常分娩の初産婦は5~7日ほど入院するので、選ぶ部屋のタイプによって最終的な金額に大きく差が出るでしょう。
しかし健康保険加入者であれば、子ども1人につき420,000円が助成される「出産育児一時金」という制度があるので安心してください。手続きは産院ででき、助成金は産院に直接支払われるので、ママは退院時に差額を支払うだけで済みます。実際は0~200,000円程度が窓口負担額になるということですね。
ちなみに、かかった費用が420,000円以下の場合、差額が後日指定の口座に振り込まれます。
帝王切開など異常分娩でかかる費用
帝王切開での出産・入院費の総額は40~100万円とかなり差があります。これは、ママや赤ちゃんの健康状態により、施される処置に違いがあるためと、入院日数によって大きく違いがでるからです。
通常、帝王切開後の入院は7~10日ほど。通常分娩に比べると数日長くなります。また、ママは退院できても、赤ちゃんの状態によっては入院が長引く場合があります。長期入院などで費用が高額になった場合は、「高額療養費制度」を活用することができます。
高額療養費制度とは、所得に応じた支払限度額以上の医療費がかかった場合、超過分が助成されるというものです。例えば年収5,000,000円で1,000,000円の手術・入院費がかかった場合、実際の負担額は110,000円程度に軽減される計算です。また帝王切開でも、「出産育児一時金」を受取ることができます。
まとめ
漠然と不安を抱くより、できる準備はしっかりとしておいて、「出産を楽しむぞ!」というくらいの気持ちでいるとよいですよ。出産はゴールではなく、これから始まる育児のスタートラインです。おおらかな気持ちで赤ちゃんを迎えてあげてくださいね。