出産後はいつまで安静にする?産褥期間は体の回復のために大切な時期
つわりがあったりお腹が大きくて動きにくかったりする妊娠中は、赤ちゃんが産まれたらたくさん遊んだりお出かけしたりするを楽しみにしていますよね。けれども産後間もないころは安静が必要で、思ったように動けません。今回は出産後のママの体や産褥期間の重要性、産褥期間を安静に過ごすための方法をご紹介します。
出産後のママの身体は想像以上に大ダメージ
赤ちゃんを産むために骨盤がグラグラ
出産ではリラキシンというホルモンが分泌されてママの骨盤は大きく開き、グラグラして腰を捻挫したような状態になっています。そして産後に分泌されるオキシトシンというホルモンの働きで骨盤が元に戻っていきます。
骨盤などの回復には垂直方向の力をかけないことが大切です。無理して起き上がり動いていると骨盤の戻りが遅くなり、膨らんだ子宮に押し上げられていた腸などが下りてきて広がったままの骨盤にはまりこみ、骨盤の状態が元に戻らなくなるかもしれません。すると尿漏れや腰痛、だるさなどが起きやすくなるのです。
子宮が元の大きさに戻ろうと日々収縮
後陣痛は「チクチクする」「生理痛に似ている」という具合で、一般的には陣痛ほどの痛みではありません。通常2~3日でおさまることが多いですが1週間以上かかるケースもあり、中には1カ月くらい痛みが取れないこともあります。
1カ月過ぎても後陣痛の痛みが続いていたり子宮や膣から血液や分泌液が出る悪露(おろ)が続いたりする場合、排出されるはずの胎盤などが一部残っているなどで子宮の収縮がスムーズに行われていない可能性があります。
痛みが強いときや長く続くときは自己判断は避けて医師の診察を受けましょうね。
ホルモンバランスが乱れて体調不良の原因に
産後の体で昼夜関係なく何度も授乳し、泣き止まない赤ちゃんをあやすのは大変ですよね。お世話の疲れもホルモンバランスを崩す原因になりますよ。
産後は便秘や抜け毛、むくみなどの体調不良が多いですよね。これはホルモンバランスの乱れが原因の一つです。また、代謝や内臓の働きをコントロールしている自律神経にも影響します。自律神経の乱れは心身不調を招き、情緒不安定にもなります。
産後のホルモンの変化はママの体を戻し赤ちゃんを育むものですが、体に負担をかける可能性があるのですね。
産後1カ月は産褥期間で安静にしよう
産褥期はママの身体を妊娠前まで戻す期間
赤ちゃんがおっぱいを吸うたびに子宮が刺激されて元に戻ろうとするので痛みを感じたり、しばらく悪露(おろ)続いたりしますよね。ですから細菌感染を防ぐために1カ月健診で医師の許可が出るまではシャワーだけになるなど、ママの体にも注意が必要な時期です。
出産という大仕事を終えたママの体は、赤ちゃんのお世話も思い通りにできないほどダメージを受けており、夜間の授乳で睡眠不足にもなりますよね。なるべく赤ちゃんと一緒に横になって休息を取り、無理はしないようにしましょうね。
安静にして傷ついた体内や会陰部の回復を
産後しばらくは会陰部の痛みで座るのもつらいママは多いです。動くのも恐る恐るという感じでなかなか思ったように体が動かないですよね。
この状態では頻繁に泣いておっぱいを求める赤ちゃんのために起き上がり、おむつを替えたり授乳したりするだけで精一杯な場合が多いです。掃除や洗濯に食事作りなどの家事まで行うのは負担が大きいかもしれませんね。
会陰部の痛みは個人差はありますが、1カ月くらいで回復する場合が多いです。1カ月健診までは家で極力横になり、傷ついた体や会陰部の回復に専念しましょう。
産褥期に無理をすると後遺症が残る可能性も
産後はママの免疫力が弱まっていて風邪などの感染症にかかりやすい状態です。この時期は買い物で外出したり家事で疲れたりすると、感染症の原因になるかもしれません。
骨盤や子宮が戻ろうとしているときに無理をしてしまうと後々まで腰痛や股関節通、尿漏れなどの後遺症が残る場合があります。産後は心身を労るようにしましょうね。
また、産後のホルモンバランスの崩れで情緒不安定になっているときに自分だけで頑張り過ぎて孤独を感じると産後うつになる可能性もあります。心身ともに産褥期は無理をせず過ごせるとよいですね。
産後ママがゆっくりすごすには協力が必要
パパやおばあちゃんなど頼れる人は頼ろう
すると、後でママ自身のケアがたくさん必要になり、結局家事や育児が思うようにできないことになりかねませんよね。里帰り出産して実家の親に手伝ってもらったり、パパや姉弟など心を許せる人にはどんどん頼ったりしましょうね。
パパに進んで協力してもらえるように、ママは産褥期の大切さを説明しておくとよいですよ。パパの時間がなかなかないときにはレトルトや宅配サービスなどで食生活を乗り切るのも、パパが笑顔で家事ができるコツかもしれませんね。