双子はしゃべる時期が遅くなる?赤ちゃんの言葉の発達と双子の特徴
「双子の赤ちゃんはしゃべり始める時期が遅い」という話がありますが、これは本当なのでしょうか?そもそも発達には個人差があるとは分かりつつも、双子を育てるママにとって気になる話題ですよね。今回は赤ちゃんの一般的な言語能力の発達過程とともに、双子がしゃべり始めるのが遅いといわれる原因を調べてみました。
赤ちゃんがしゃべり始める目安
赤ちゃんがしゃべり始めるのは1歳ごろ
赤ちゃんは生後2~3カ月くらいから、早ければ生後1カ月過ぎから「あ~」「う~」といったクーイングと呼ばれる声出しをするようになります。これは言葉の発達の始まりです。
そして、赤ちゃんが意味のある言葉を話すようになるのは、赤ちゃんが自分の力で立ったり歩いたりできるようになるとされる1歳ごろが一般的です。
1歳前後の時期には、全体の約50%の赤ちゃんが言葉を発するようになり、その後、約90%の赤ちゃんが1歳5カ月くらいまでには、何かしらの単語をしゃべるようになるとされています。
しゃべり始めるまでの期間は個人差がある
例えば、興味を持ったことや気になることにすぐさまトライしたくなる子もいれば、慎重に様子を見ながら行動に移そうとする子もいます。この場合、前者は言葉を覚えたら「さっそく自分の口で言ってみよう」としますし、後者であれば「じっくりと記憶に留めてから口に出そう」とするでしょう。
このように、子どものタイプによってしゃべり出す時期が違います。なお「しゃべり始めが早ければ学力が高い、遅いと低い」などと、将来の学習能力に直結するものではないため、必要以上に心配しなくても大丈夫ですよ。
言葉の理解度も目安の一つ
また、発音がはっきりしないような場合でも、コミュニケーションが支障なくとれているのであれば焦らずに1~2年様子を見るということで問題ないとされています。
ただし、3歳くらいになっても「大人が遠くのものを指して『あれ』と言った方向を見ない」「自分から指差し動作をしない」という場合は、一度専門医に相談してみてください。
双子はしゃべり始めが遅いといわれる原因
早産である場合が関係している
考えられる原因の一つとして、双子は早産になりやすいということがあります。医療機関の調査では、双子が早産になるケースは全体の半分とされています。
これは、双子の場合は単胎妊娠よりも子宮が大きくなり、子宮勁管が引っ張られやすく短くなることで赤ちゃんを支えられなくなるためです。
早産になると、予定日よりも早く生まれている分、実際の月齢と出産予定日から数えた月齢に差が出ます。そのため、単純に出生後の月齢で考えると、発達に遅れを感じる面がある場合も出てくるのです。
双子同士で通じ合えてしまう
双子というのはお腹の中にいるときから、互いがすぐそばにいるという環境で育ちます。そのため、言葉を発する必要もなく、双方の気持ちや考えていることを察することができるようになるそうです。
このように、双子同士では黙っていても意思の疎通が可能なため、単胎児に比べて言葉で伝えようとする必要性が低く、それが言葉の発達を遅らせているのでしょう。言葉にしなくても相手に気持ちが通じるというのは、双子ならではですね。
親と接する時間が分散してしまう
しかし、双子育児の場合は、2人の赤ちゃんのお世話を同時進行する必要があるため、どうしてもそれぞれと接する時間が分散しがちです。忙しい中、効率よくお世話しなくてはならないので、声掛けが疎かになってしまうこともあるでしょう。
また、多胎育児は大変であるがゆえに、なかなか外出などの機会が作れない面もあります。そうすると、言語環境が家庭内だけになりがちです。
こうした「大人から語り掛けられる体験」が、双子の場合は単胎の赤ちゃんに比べて少なくなってしまうことが、言葉の遅れの原因と考えられています。
心配するよりも楽しむことが大切!
双子の赤ちゃんと一緒に絵本を読もう
赤ちゃんは、人の言葉を聞いてそれを真似することでおしゃべりを習得します。したがって、赤ちゃんに話し掛けるときは、聞き取りやすいように、ゆっくり、はっきりと発音しましょう。
発語を促すには、赤ちゃんが理解しやすい言葉でつづられている絵本を読み聞かせるのもよいですね。絵本の読み聞かせなら、双子が同時に言葉を聞くことができるだけでなく、親子の絆を深めるコミュニケーションツールとしても役に立つでしょう。