年末の大掃除は日本だけ?大掃除の由来や歴史、各国の大掃除事情
年末の大掃除について年配の方に話を聞くと「畳を裏返して掃除した」「家中の障子を張り替えた」など、今より大がかりで大変そうですが、ちょっと楽しそうでもありますよね。今回は日本の大掃除の歴史や、外国の大掃除事情についてをご紹介するとともに、効率よく進む大掃除の仕方をご案内します。
日本の「年末大掃除」の由来と現代の事情
年末に大掃除をするようになった由来
昔はかまどや囲炉裏で薪や炭を使うため、天井に「すす」が溜まりました。それを掃除して「歳神様」という、一年の幸せをもたらす神様を家にお迎えするという宗教的な行事だったのです。
江戸時代には江戸城で12月13日を「すす払い」をしたことから、庶民にもその日に「すす払い」をする風習が広まりました。当時の暦ではこの日は毎年必ず吉日だったので、「歳神様」をお迎えする正月準備を始める日に決められたという説があります。
ときには少し面倒な大掃除ですが、昔の人の幸せを願う気持ちが込められていたのですね。
明治時代の大掃除は義務化されていた
年中行事ではなく公衆衛生の観点から大掃除をするようになったのですね。戦後の昭和29年には「掃除法」が定められ、毎年1回、自治体の計画によって大掃除を行うことが決められます。
その日は役場の人が家々を周り、合格した家に「大掃除検査済之証」というのを貼っていったそうです。後にこの法律は廃止されましたが、昔は決められた日にご近所総出で助け合いながら大掃除したのです。
当時は大掃除の日に参加しないと、ご近所から白い目で見られたそうですよ。
現代の日本人の大掃除事情
その一番の理由が「大掃除が大変だから」次が「汚れが溜まりにくいから」です。歳神様を迎える本格的な大掃除ではないかもしれませんが、現代に合った合理的なやり方ですよね。
昔、家の主人など大掃除を避ける人を「すす逃げ」などと呼んでいました。しかし今は少人数の核家族が多いのですから、ママだけ奮闘するのではなく家族で協力して大掃除ができたらよいですね。アンケートでパパはエアコンや照明、ベランダ、外回りなど高い所、力がいるところを担当することが多いそうですよ。
大掃除する時期は国によって違いがある
欧米は春に「スプリング・クリーニング」
春に大掃除をすれば水掃除もつらくないですし、油汚れなども緩みやすいですよね。換気をするにも、春の方が心地よいです。
実際に20℃くらいになった春は、冬よりも菌の繁殖が速いそうですよ。それに汗もかきやすくなり、カーペットやクッションについた皮脂汚れが、菌の繁殖を助けてしまいます。
日本で春に大掃除をすることを考えてみましょう。春には黄砂や花粉がやってくるので、この時期にベランダや外回りをしっかり掃除すれば部屋にそれらを持ち込みにくいですよ。梅雨の前にカビの繁殖源である汚れを落とせるメリットもあります。
中国は「春節」の前に行う
中国語では「埃」と「古い」は同音異義語で、「埃」を払うことで「古い」運も払い、新しい運気を迎えるという意味があるそうです。旧暦の12月24日は掃除を始める日で、こんな由来があるそうです。
昔、人には「三屍神」(さんししん)という意地の悪い神がついていて、天の神に「人間が天の悪口をいっている」と嘘をついていました。天の神は怒り、蜘蛛の巣が張る家を潰すようにしたので「三屍神」は喜んで家に蜘蛛の巣をかけたそうです。
このことを知った「かまどの神」が、人々に毎年この日に掃除をさせて救ったのが始まりだということです。
ルワンダは「一斉掃除」が毎月月末にある
その時間はお店は閉まり、車も走っていないそうです。地域の掃除や道の整備、草刈りなどの奉仕活動が終わると集会があり、地域をよくするための話し合いや交流が持たれるそうですよ。
多くの国では、土曜日にお店を休みにしたり個人の用事を取りやめたりするのは難しいですが、ルワンダでは徹底しているのですね。けれども、その成果もあり街はとても清潔だそうです。
かつて悲劇的な内戦が起こったルワンダは今、「ウムガンダ」などさまざまな政策を行い、治安もよく奇跡的な発展を遂げています。
ここはやっておきたい年末の大掃除
冬は食材を出していても安心、冷蔵庫
ここでは、年末の大掃除だからこそやっておきたい場所をご紹介します。まず一つめは冷蔵庫です。冬は外の気温も低いので、中の食材を全部出してサッと済ませれば問題ありませんね。
使っていない調味料や腐りかけの野菜などはないでしょうか。消費期限切れの食材があれば捨てるのはもちろん、棚やドアポケットなどについた汚れなどもしっかりと拭き取りましょう。使いやすいように並び替えるのも、この機会に行うとよいですよ。