胎児が大きいと診断されたら?赤ちゃんへの影響と今できる対策
産婦人科の先生から「お腹の赤ちゃんが大きいですね」と言われたことのあるママは少なくはないでしょう。出産のリスクが心配になりますよね。そこで、お腹の赤ちゃんが大きいと判断される理由や胎児が大きいときの問題点を解説するとともに、ママができる対策についてご紹介します。
赤ちゃんが大きいと判断される理由
複数のエコーの結果から判断される
お腹の赤ちゃんが順調に育っているかどうかは、体重で判断されることが一般的です。胎児の体重は直接計測することができないので、複数のエコー検査の結果から推定体重が計測されます。
妊娠20週くらいからエコー検査を実施する産婦人科が多く、胎児の頭の大きさやお腹回り、太ももの骨の長さなどを測って推定体重を調べます。そして、それぞれの週数ごとに平均値と比べながら胎児の成長を確認するのです。平均値から大きく外れている場合は、より丁寧にエコー検査を実施する病院が多いようですよ。
遺伝が理由で大きい場合もある
ママやパパのどちらかの体格が大きかったり両親ともに大柄であったりすると、遺伝的にお腹の赤ちゃんも大きくなる可能性があります。妊娠前のママの肥満や妊娠中の急激な体重増加などでお腹の赤ちゃんが大きくなることもありますが、原因がわからないケースも多くあるといわれます。
ママのお腹が大きいと胎児も大きいのではないかと考えがちですが、必ずしもそうではありません。お腹の大きさは、羊水の量やママの骨盤の大きさ、赤ちゃんの体の向きなどが関係しているようです。
ママの血糖値の影響が考えられる
糖尿病はインスリンの分泌と大きく関係しています。インスリンとは血液中の糖をエネルギーに変えて血糖値を下げる働きをするホルモンです。
ストレスや加齢、遺伝などの影響でインスリンの分泌量が少なくなると糖尿病になりやすくなるといわれています。また、内臓脂肪が多いとインスリンの働きを悪くする物質が分泌されて糖尿病になりやすくなるようです。
ママの血糖値が高いと胎盤を通して多くのブドウ糖が胎児に移り、お腹の赤ちゃんの体重増加に結びついてしまいます。
赤ちゃんが大きいときの問題点とは
妊娠中のママの体に病気の可能性がある
妊娠糖尿病の主な原因は、妊娠によるホルモンの分泌量の変化です。妊娠すると、胎児により多くの栄養を届けるために血糖値を上げるホルモンが多く分泌されるようになります。また、妊娠による食生活の変化や運動不足が原因で発症することもあるので意識したいですね。
糖尿病の親兄弟がいるママや35歳以上の高年齢初産のママは、妊娠糖尿病になりやすいと考えられています。生まれてくる我が子を高血糖にしないためにも、血糖値のコントロールに気をつけたいですよね。
ママは分娩時や産後の体への負担が大きい
大きな赤ちゃんを出産するときには、膣内や会陰が裂けてしまって大量の出血がともなうことがあります。早産の可能性も高まり、尿路感染症や羊水過多症などのリスクが高くなるので注意をしたほうがよいでしょう。
さらに、腎症や網膜症などの糖尿病の合併症が悪化するママもいます。特に血糖値が妊娠前から高いママは、妊娠してから血糖コントロールを急激に始めると網膜症を発症しやすくなる傾向があるようです。糖尿病網膜症のあるママは、しっかり治療してから妊娠することをおすすめします。
赤ちゃんは出産時に問題が起こりやすくなる
肩甲難産とは、分娩時に胎児の肩がママの恥骨結合にぶつかってなかなか娩出できないことをいいます。胎児の頭部を無理に引っ張ることで、上肢が麻痺したり上腕や鎖骨が骨折したりするケースもあります。さらに、分娩にかかる時間が長くなることで新生児仮死や脳性麻痺になるリスクを考えなければなりません。
糖尿病を持つママから生まれる大きな赤ちゃんは新生児低血糖になる危険もあり、治療が遅れると中枢神経に障害が出ることも考えられます。
誤差や個性などで心配いらない場合も多い
エコーの誤差ってどのくらい?
妊娠中のママであれば、母子手帳に書かれている「胎児発育曲線」を見ることが多いですよね。妊娠週ごとに平均体重と上限、下限の三つの線が記されていて、胎児の体重が順調に増えているかどうかが確認できます。
しかし、胎児の推定体重をエコー検査で測定する場合、10%程度の誤差が生じることは避けられません。それは、エコーの反射速度にばらつきがあったり、検査機器を操作する際にずれが生じたりする可能性があるからです。