新生児のほくろについて知ろう!注意が必要なほくろや除去方法
新生児の白くすべすべしたお肌に、ポツンとした黒いほくろを見つけたらママもパパも「いつできたのかな?」と気になってしまいますね。ほくろは良性のものがほとんどですが、中には注意したいタイプのほくろもあるので、その特徴や除去する場合の流れ、予防法などをご紹介していきます。
目次
- ほくろはいつ、どうやってできるの?
- ほくろとは色素細胞が増える良性の腫瘍
- 新生児のほくろは2種類のタイプがある
- 気をつけて見ておきたいほくろの特徴
- 大きさが7mm以上のほくろ
- 急に大きくなったほくろ
- ほくろの境界線が不鮮明
- 痛み、かゆみがあるほくろ
- ほくろを除去するとき知っておきたいこと
- 除去するときの一般的な流れ
- ほくろを除去するタイミング
- 除去する場合のメリットとデメリット
- これは大丈夫?新生児のほくろの疑問
- 新生児のほくろとそばかすの違い
- 新生児のほくろがおしりや背中にある場合
- 新生児のあざとほくろについて
- 新生児のほくろ、指や手のひらにあったら
- 新生児のほくろの予防方法について
- 直射日光(紫外線)に長時間あたらない
- 日焼け止めをしっかり塗ろう
- まとめ
ほくろはいつ、どうやってできるの?
ほくろとは色素細胞が増える良性の腫瘍
母斑細胞は黒い色素を作るメラニンを持っているため、それが増殖し集まることで皮膚に褐色や黒色の斑点として見えるようになります。母斑細胞が増殖する原因はいくつかありますが、主な原因は紫外線などによる皮膚への刺激です。そのほかにもストレスや生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの変化などが原因であるといわれています。
ほくろは、新生児の体に現れることはほとんどありません。一般的には成長の過程で現れるものなので、生後6カ月以降にできはじめることが多いですが、個人差があり早ければ生後3~4カ月に現れることもあります。
ほくろが現れる場所に決まりはなくサイズもいろいろですが、基本的にほくろの大きさはほとんどが直径5mm以下です。最初は小さな黒い点として現れて、赤ちゃんが成長して体が大きくなるにつれて、少しずつほくろも大きくなっていきます。
新生児のほくろは2種類のタイプがある
・先天性色素性母斑
赤ちゃんの皮膚に生まれつきあるほくろやあざは、先天性色素性母斑と呼ばれます。母斑の大きさによって三つの種類に分けられ、長径1~1.5cm未満は「小型」、長径1.5~2cm未満は「中型」、長径2cm以上は「大型」に分類されます。先天性色素性母斑は新生児の約5%程度にしかみられないものではありますが、大型のものほど悪性化する可能性が高まるといわれています。そのため、注意深く経過観察する必要があります。
・後天性色素性母斑
赤ちゃんが生まれた後にできるほくろのことは、後天性色素性母斑といいます。これは、先ほども説明したように紫外線をたくさん浴びたり、衣類などの摩擦によって皮膚に刺激が与えられたりすることが原因でメラニン色素が増殖してできるものです。
気をつけて見ておきたいほくろの特徴
大きさが7mm以上のほくろ
大きさが7mm以上あるほくろで、さらにそれが手のひらや足の裏にあるときは、皮膚科を受診することをおすすめします。ほくろを拡大して見ることができるダーモスコープという機械で、痛みもなく悪性か否かを診断してもらえます。
7mm以上あるからといって、悪性であるとは限りませんが大きければ大きいほど悪性化の心配が高まるので、早めに皮膚科で相談しておくと安心ですね。逆に7mmよりも小さいほくろでも、不安な場合は受診しましょう。
急に大きくなったほくろ
ただし、良性のほくろでも大きくなることはあります。それは、母斑細胞はメラニン色素を含んでいるため、大量の紫外線を浴びることによってメラニン色素がどんどん増生されることが原因です。同様に、ほくろの部分を触る外的刺激によっても大きくなるとされています。
見極めるポイントの一つは、ほくろの成長が「急激であるかどうか」です。
ほくろの境界線が不鮮明
本来のほくろは色が均一で、周りとの境界がはっきりしているというのが特徴です。そのため、ほくろが部分的に、黒褐色のような濃い色をしていたり淡褐色のような薄い色になっていたりして色が均一ではない状態や、境界線がギザギザになってぼんやりとした不鮮明な状態であれば、一度、皮膚科を受診してみましょう。
痛み、かゆみがあるほくろ
赤ちゃんは痛みやかゆみを言葉で訴えることはできませんが、よく様子をみておきましょう。赤ちゃんがほくろの部分を気にして触っているようであれば早めに皮膚科でみてもらうことをおすすめします。
ほくろを除去するとき知っておきたいこと
除去するときの一般的な流れ
小さなほくろの場合は、メスなどで患部を除去する方法、あるいはレーザー光線を照射して異常な細胞を死滅させる方法があります。大きなほくろでは、形成外科的に切除縫合することになるので、全身麻酔や部分麻酔を使用することになります。
レーザー治療は複数回の通院が必要ですし、切除手術は数日の入院が必要になる場合もあります。このように治療方法によって、日帰りできるケースや入院が必要になるケースなどの違いが出てきます。治療方針は病院によって違うので、まずはいくつかの皮膚科に相談してみるとよいですね。
ほくろを除去するタイミング
ほくろの大きさや治療方法にもよりますが、中でも切除手術は全身麻酔や入院が必要になる場合もあるのでそのリスクなどを考慮する必要があります。傷跡の残り方なども医師に相談しておきたいですね。
良性のほくろであることが判明している場合は、最適な時期を考えて治療するために焦って除去する必要はないかもしれません。しかし、悪性度の高いものであると診断されたら、医師の指示に従いながらできるだけ早いタイミングで除去することになるでしょう。
除去する場合のメリットとデメリット
・メリット
新陳代謝の活発な赤ちゃんのうちに除去すれば、傷の治りが早いです。また、通院や治療に対する恐怖心や痛みの記憶が残りにくいのもメリットです。成長して、本人がほくろにコンプレックスを感じることもなくなります。
・デメリット
赤ちゃんが治療中にじっとして動かないでいる、ということは難しいので、除去治療の際には全身麻酔を使う場合がありますが、全身麻酔による事故は100%起こらないとは断言できません。そのため、術前の細かな確認や検査があり、しっかりと麻酔の使用について説明を受け、リスクについて知る必要があります。
これは大丈夫?新生児のほくろの疑問
新生児のほくろとそばかすの違い
そばかすは「雀卵斑(じゃくらんはん)」と呼ばれる皮膚にできるシミの一種です。褐色や黒褐色の斑点が、鼻を中心として左右の頬にできます。日光が原因ででき、思春期に多発します。色白の人にできやすいという特徴があり、遺伝性の強いものであるとされています。
一方のほくろは、前述のとおり、母斑細胞が集まることによってできる良性の腫瘍です。そばかすのような遺伝性は認められていません。
新生児のほくろがおしりや背中にある場合
蒙古斑の多くは青っぽい色をしていますが、個人差があるものです。中には灰色など黒に近い色の蒙古斑もあります。ほくろではなく、一般的な蒙古斑であれば、成長とともに少しずつ薄れて10歳前後までには大部分が消えていくでしょう。
まれに、おしり以外の場所に蒙古斑ができることもあり、その場合は異所性蒙古斑と呼ばれて、消えることはないとされています。
新生児のあざとほくろについて
最初の方で、ほくろは正式には「色素性母斑」と呼ばれることを説明しましたが、実はあざも色素性母斑の一種です。あざもほくろも同じ色素性母斑ですが、そのうち小さくて丸いものが一般的にほくろと呼ばれているのですね。
新生児のほくろ、指や手のひらにあったら
赤ちゃんがメラノーマを発症する可能性は極めて低いといわれていますが、可能性がないわけではないので気をつけて見てあげたいですね。少しでも気になるほくろがあれば、まずは皮膚科を受診しましょう。