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4歳児が叩いてくるのはなぜ?子どもの成長を促す上手な叱り方

4歳児が叩いてくるのはなぜ?子どもの成長を促す上手な叱り方

怒るとすぐに叩いてくる子どもにはどのように接したらよいのでしょうか。育て方に問題があったのかと悩んでしまうこともありますよね。今回は、4歳の子どもが人を叩く理由や友だちを叩いてしまったときの対応、子どもの成長を促す上手な叱り方を紹介します。

友だちやママを叩いてくるのには理由がある

認知能力の発達の過渡期と重なる反抗期

4歳になると、自分とほかの人との違いを認識して、相手の気持ちを考えられるようになります。ある日突然変わるのではなく、徐々に分かるようになるので、自分の認識が変わっていくことへの不安や戸惑いで、感情のコントロールが難しくなるといわれています。

また、この時期は反抗期でもあります。語彙力や手先の器用さ、身体能力の発達により、自分でできることが増えますが、うまくいかないこともあります。思うようにいかない苛立ちと、それを人に伝えることができないもどかしさが、反抗的な態度に表れるのです。

ママの言うことを無視したり「なんで?」「今やろうと思ったのに」などと言い返したりします。また、うまく伝わらない気持ちを暴れたり泣いたり叩いたりして伝えようとするのです。

言葉の発達途中で感情表現がうまくできない

遊んでいるおもちゃを友だちが触るなど、自分のテリトリーを侵されたと思ったときや、おもちゃの取り合いになったときなどに友だちを叩いてしまうことがあります。「やめて」「貸して」という言葉をまだスムーズに出せない時期によくおこります。

また、「一緒に遊ぼう」と言うときなどに、友だちが大好きだという感情があふれて叩いてしまうケースもあります。

ママを叩くのは、自分の気持ちを分かって欲しいというメッセージです。ママが「おもちゃを片づけよう」と言ったときに叩くのは「まだ遊びたいのを分かってよ」と訴えているのでしょう。

このように、思ったことを口で伝えられないうちは手が出てしまうことがあるので、「すぐに手を出す子に育ってしまった」とは悲観しないでくださいね。

家庭や周囲の環境が原因の場合も

下の子が生まれると、ママが平等に接していても、上の子はママを取られたと感じてしまいますよね。入園やクラス替えによる新生活に慣れないうちは、不安になることがあります。

よく叱られる子は「また怒られるかもしれない」と考えてしまいがちです。こういった不安な気持ちが原因で手を出してしまうのかもしれません。

また、普段、親やきょうだい、友だちに叩かれていると、人を叩いてもよいものだと思ってしまいます。ドアを強く閉めたり物を放り投げて片づけたりするなど、物を乱暴に扱うのを見て育つと、物だけではなく人にも乱暴に接するようになることがあるそうです。

子どもの環境に原因が無いか、周りの大人の行動に問題が無いかと思い返してみましょう。

友だちを叩いたときの対応、三つのステップ

まずは相手の子どもに謝ろう

「ごめんなさい」と謝ることは大切ですが、「謝りなさい」と言っても子どもが謝らなくて困ってしまうこともありますよね。謝らないのには自分が悪いと思っていても言えなかったり、悪いと思っていないから言わなかったりなど、子どもなりの理由があるのでしょう。

しかし、叩かれた相手の子を放っておくわけにはいきません。まずはママが代わりに謝りましょう。

「痛かったよね。怪我はない?」と怪我を気遣ったり「〇くん、仲間に入れて欲しかったんだって」と子どもの気持ちを代弁したりと、「ごめんね」以外の言葉もかけられるとよいですね。

ママが相手の子にきちんと謝る姿を見ていれば、子どもは自分が悪いことをしたのだと感じますし、悪いことをしたときにきちんと謝れるようになれますよ。

叩いた理由を聞き、叩かない方法を伝える

大好きなママが怒っていると、子どもは怖くて悲しくて気持ちを素直に話せなくなってしまうことがあります。ママは怒らず冷静になって子どもの話を聞くようにしましょう。

うまく話せなければ「ブロックを使いたかったんだよね」などと代弁して、どう言えばよかったのかを一緒に考えましょう。

また、嫌なときは口で「いやだ」と否定したり、友だちに叩かれたときにやり返すのではなく「痛い」と伝えたりするなど、気に入らないことがあったときに手ではなく言葉が出るようにしたいですよね。

ミース・ファン・ハウト作の絵本「どんなきもち?」には、気持ちを表す言葉がたくさん出てきます。自分の気持ちを伝える方法を絵本から学んではいかがでしょう。

温かいスキンシップで子どもの心を癒す

子どもが理由もなく友だちを叩いていると感じたら、ほかの理由を考えてみましょう。

下の子がいたりママが忙しかったりすると、子どもがママとのスキンシップに満足できていないことがあります。もしかしたら友だちやきょうだいを羨ましく思うような出来ごとがあったのかもしれません。

また、ママ友同士の競争心が子どもに影響することもありますし、パパとママの仲が悪いのが辛いという気持ちが「叩く」という行為に表れていることもあります。

子どもはママとのスキンシップが大好きです。子どもを抱きしめて「大好きだよ」と言うなどストレートに愛情表現してみましょう。温かいスキンシップをとって子どもの心を癒すと、子どもの不安が和らぎますよ。

パパやママに気をつけてほしい注意の仕方

「目には目を」や原因追及は混乱するだけ

「こうしたら痛いでしょう」とママが子どもを叩いて痛みを分かってもらおうとしても、「なんでママは叩くのだろう」と戸惑ったり「その前に嫌なことされたのに、なんでママは分かってくれないのだろう」と悲しくなったりしてしまいます。また、子どもが真似して自分より弱い子を叩くようになってしまっては本末転倒ですよね。

「人の痛みを知れば人に優しくできる」といいますが、「目には目を」というやり方で子どもに大切なことが伝えられるかというと、そうでもないようです。

また、「どうして叩くの」と怒って追及するのは効果的とはいえません。ママが落ち着いて子どもが正直に話しやすい雰囲気を作ってから「おもちゃが欲しかったの?」などと確認すると、子どもは素直に気持ちを話してくれますよ。
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