妊娠中にこむら返りが起こる理由。起こったときの対処法と予防法
突然、ふくらはぎ周辺に激しい痛みが走るこむら返り。この不快な症状は妊娠中とくに起きやすく、悩んでいるママは少なくないようです。今回はこむら返りが妊娠中に起きやすい原因や、痛みに襲われたときの対処法、またこむら返りを起こさないための予防法についてご紹介します。
妊娠中の身体変化でこむら返りが起きやすい
こむら返りは妊婦の半数以上が経験
あるアンケートで1,711人のママに「妊娠中にこむら返りになりましたか?」と聞いたところ、約7割の67.4%が「はい」と回答しました。こむら返りが起きるのは妊娠中期ごろからが多く、とくに夜寝ているときに起こりやすいようです。
突然激痛が走るこむら返りは妊娠中のママの「不快な症状」上位にあがります。基本的には高齢者や激しいスポーツの最中に発症することが多い症状なのですが、どうして妊娠中のママにも起こりやすいのでしょうか。
妊娠中のミネラル不足で起きやすい
ミネラルの中には筋肉の働きに大きな役割を持つ栄養素が複数あります。代表的なものがカルシウムやマグネシウムで、カルシウムは筋肉の収縮に関係し、マグネシウムは弛緩に関係します。
カルシウムやマグネシウムが不足したりバランスが乱れたりすることで筋肉が異常に収縮して、こむら返りを起こしてしまうのですね。
妊娠中は胎児に栄養を送るためにこれらの栄養素が不足しやすくなります。こむら返りになりやすいママは、栄養が偏っていないか、食生活を見直すことが大切です。
運動不足による血行障害なども原因に
こうした運動不足もこむら返りの原因になります。運動不足で下半身の血液循環が悪くなって血行障害が起こり、ミネラルなどの必要な栄養素が下半身に届きにくくなってこむら返りが起きやすくなるのです。また膨らんだお腹が足の血管を圧迫することも、下半身の血液循環に影響を及ぼします。
骨盤の緩みもこむら返りの原因の一つです。妊娠後期になると骨盤が緩むことで足の筋肉が引き伸ばされます。そのためふくらはぎの筋肉が元に戻ろうとしてこむら返りが起こりやすくなるのです。
こむら返りが起きたときの対処法
足を伸ばしたりマッサージをしたりする
効果的なのはふくらはぎを伸ばす方法です。二つご紹介します。
・座って伸ばす
膝を伸ばしたまま座り、こむら返りが起きた方の足のつま先をつかんでゆっくりと自分の方に引っ張ります。
・立って伸ばす
立ち姿勢で、こむら返りが起きた方が後ろになるように足を前後に開きます。アキレス腱を伸ばす要領でゆっくりとふくらはぎを伸ばしてください。両手を壁につけて行うと安定しやすいですよ。
足を伸ばす余裕がないときは、ふくらはぎ全体をほぐすように手の平を使ってマッサージしましょう。それだけでも筋肉の緊張を緩めることができ、次第に痛みを改善することができますよ。
冷やすのではなく温める
こむら返りの原因の一つが筋肉の冷えです。冷えると血行不良気味になり、こむら返りが起きやすくなります。温めることが重要なのです。
ふくらはぎを温めるには入浴をおすすめしたいのですが、こむら返りで痛いときにお風呂に入ることは難しいですね。そこでおすすめが温湿布です。
温湿布であれば準備しやすく手軽です。最近はかわいらしいデザインの温湿布も販売されていますよ。また毛布などにくるまって下半身を温めるのも効果的です。
歩くことでふくらはぎの筋肉を刺激する
しかし縮まっても、残念ながらこむら返りの痛みは緩和できません。痛みを緩和したいなら「立って歩く」ことをおすすめします。
立って歩くことで、痙攣した筋肉が自然と伸びてストレッチになり、痛みが和らぎます。また立って歩くという方法は単純なため、痛みで頭が真っ白になったときでも簡単に実践することができますよ。
ただし、あまりに激しい痛みのあるときは痛みのピークが過ぎるまで待ってから立って歩いてください。歩くことが難しいときは立つだけでもOKです。筋肉を伸ばして痛み緩和の効果が期待できますよ。
日常生活でこむら返りを予防しよう
身体を整えてこむら返りの予防をする
日常生活で見直してほしい習慣が、まず運動です。妊娠中は運動不足になりがちですが、運動はこむら返りの予防はもちろん、お産を軽くするためにも効果的です。お散歩やストレッチ、また妊娠体操など、適度に体を動かすよう心がけましょう。
また冷え対策も重要です。血行障害にならないよう、靴下やレッグウォーマーなどで下半身を温めましょう。
こむら返りが起きやすい就寝時に、脚を少し高くした体勢になるのもおすすめです。仰向けになって、足元にクッションなどを敷いて角度をつけて眠りましょう。