ネグレクトについて知ろう。他人ごとではない実態と起こる原因
ネグレクトを受けた子どもの特徴の表れ方
性格や日常の行動に表れる
性格の面では、自己評価が低く「自分はだめな人間だ」と思い込んでしまう節があります。これは、本来一番自分を見てくれるであろう親から突き放されていることで、「自分は大切にされていない=価値のない人間だ」という考えになってしまうためです。
日常の行動では、幼いころからの養育の放棄から発達の遅れが生じてしまうため、周りの子ども達と比べても足並みをそろえることができなくなっています。遅刻や欠席が多くなってしまうこともよくあるようです。
また、家に居場所がないため、普通子どもが出歩かないような深夜に徘徊していることもあるそうです。
身体的や見た目に表れる
- 髪がフケだらけ、ボサボサ
- 服や下着が汚れている
- 体臭がきつい
- 靴がボロボロ、またははいていない
また、清潔感だけでなく日常的に食事を与えられていない可能性もありますので、明らかにやせ細っているようでしたら間違いなく育児放棄されていることを疑ってよいでしょう。
そして、けがや病気をしていても病院に連れていかれず放置されているため、身体に傷があってもそのままにされていたり、むし歯がそのままであったりすることもあります。
人と関わるときに表れる
日常の世話を放置されていても、命に別状のない限り子どもは成長しますので、意外と自分がネグレクトをされていたと気がつかないまま大人になることがあるそうです。そのような人は社会に出て周囲の人々と関わりを持った際に、人間関係でつまずいてしまうことが多いようです。
他者との距離感がうまくつかめず、いきなり攻撃的になったりなれなれしく甘えだしたりと感情の起伏が激しくなります。これはネグレクトにより情緒の発育に影響がでていて、感情のコントロールがうまくできないために起こるのだそうです。
ネグレクトを受けた子どもは愛情不足になる
人に甘えることが苦手
悲しいことなのですが、ネグレクトを受けている子どもは自分の親が世話をしてくれないので、生きるためには周囲の大人の関心を引くしかありません。その関心の引き方が、大人が困るようなことをして注目を集めようとするので、まるで嫌がらせをしているようになってしまうのです。
これは幼いころから両親との関わりが極端にないために、人に甘えることが上手にできず、結果としてひねくれた子どもととられてしまうのです。
人との距離感をうまくつかめない
人との距離感がうまくつかめないといった問題は、親とのコミュニケーションが不足していた結果といえるでしょう。
親との親密な関係を経験していないため、相手と親しい関係をスムーズに築けない一方で、初対面の人間に対して妙になれなれしく接してしまったり、仲良くなった相手の愛情を確かめようとしつこく接してしまったりします。本来ならば感じることのできる他者との距離感がつかめないため、必要以上に苦労をしてしまうのです。
人の気持ちがわからない
幼いころからそれが当たり前になっていると、自分の感情だけではなく他者の気持ちに関しても無頓着になってしまいます。
自分の中には思いつかない気持ちがたくさんあるため、相手がどんなことを思っているのか気持ちが分からず、共感することも苦手なため、無意識に相手に対して攻撃的になってしまったり批判的なことを言ってしまったりして孤立してしまうこともあります。
こういったことも成長してから人間関係でつまずいてしまう要因となり、ネグレクトを受けた子どもを苦しめてしまうことになるのです。