もしかして我が家は夫婦共依存?共依存がもたらす問題と克服方法
夫婦がお互い必要不可欠な存在になることは素敵なことです。しかし、その思いが強すぎてしまうと共依存という関係に陥ってしまい、克服するためには相当な努力が必要になります。ここでは、共依存という関係について学び、どのような問題が引き起こされるのか、克服方法とあわせてご紹介します。
根深い問題を抱える夫婦共依存とは
そもそも夫婦共依存ってどんな状態?
夫婦がお互いに必要不可欠な存在になることは望ましいですが、パートナーを離さないために束縛したり、自分を犠牲にして尽くしたりするなど、手段を選ばないような強い依存は危険な状態です。
強い共依存とは「関係を改善する必要があるにも関わらず、そのままの状態が続いてしまうこと」をいいます。
例えば、アルコール依存やギャンブル依存、DVの夫とその世話をする妻の場合などは分かりやすいでしょう。自分への不利益を理解しながらも、関係を断ち切ることができない関係こそ、夫婦共依存の形といえます。
夫婦共依存している人たちの特徴
まず、パートナーを束縛したり行動に干渉したりします。相手の自由を奪うことで、誰にも取られない安心感を得て、これを愛情と勘違いしてしまうのです。
また、自分よりパートナーを優先してしまうことも特徴の一つです。愛想を尽かされてしまったり、嫌われてしまったりする不安からの行動といえるでしょう。
二人でいることに慣れてしまい、自分一人では何もできないと思ってしまうことや、いつかパートナーに裏切られてしまうのではないかという不安から被害妄想に陥るなどの特徴も挙げられます。
パートナーがいないと自分は生きていけないという心理になることが、共依存状態の始まりといえるでしょう。
夫婦共依存になってしまう原因
親から認められなかったり褒められなかったりしてきた人は、相手に依存しやすくなってしまいます。また、身近な存在の両親が共依存だった場合、パートナーとの関わり方を気づかないうちに真似しているかもしれません。
親からDVやモラハラを受けていたり、逆に過干渉だったりすることも、共依存になりやすい原因のひとつです。コンプレックスを受け入れられず、ありのままの自分を認められない場合も誰かを頼りたくなる傾向があります。
自分が自分でいることに不安や恐怖を感じてしまう人は、相手へ依存する可能性が高くなるといえます。
夫婦共依存がもたらすさまざまな問題
夫婦共依存で起こる問題とは
欲求が満たされない状態が長く続くと、依存する側が暴言を吐いたり暴力的になったりすることもあります。また、依存する側がパートナーとしての役割を何も果たさなくなることもあります。
このような関係は夫婦とはいえないにも関わらず、自分では夫婦関係がおかしくなっていることになかなか気づけません。また、依存される側は、自分がいないとパートナーは生きていけないと思ってしまい、関係を終わらせることができなくなってしまうのです。
子どもにも悪影響を及ぼすことがある
子どもを大切に思うあまり、過干渉になってしまったり、親が子離れできなかったりするケースがあります。親は、子どもは自分がいないと何もできないと思い、身の回りの世話をなんでもします。その生活に慣れてしまった子どもは、自分は親がいないと何もできないと思い違いをするようになるのです。
また、共依存している両親を間近で見ているため、日常的に夫婦ゲンカを目の当たりにしてしまいます。子どもは両親のようになりたくないという思いが強くなり、次第に結婚して自分の家族を持つことへの憧れを持てなくなることもあるようです。
最悪の場合は離婚という結果に陥ることも
離婚という方法は極論ではありますが、依存してしまうパートナーと距離をおくことが最も効果的といわれています。そして、客観的に自分たち夫婦の関係をみることができるようになれば、依存の関係だったという自覚をすることもできます。
共依存を克服するためには、依存しあっている関係であることを自覚しなければなりません。そのために、別居、最悪の場合は離婚をして物理的に相手と離れることが有効ということになるのです。
お互いのことを尊重し合える関係になれるよう、試練を乗り越えましょう。
夫婦共依存から抜け出すための克服方法
自力で共依存を克服する方法
まずは、小さなことから自分で決められるようにしていきましょう。食べたいものや飲みたいものなど、些細なことでもどうしたいのかを自分自身に問いかけ、一つ一つ決めていくようにするとよいですよ。
今まで依存関係を続けてきた人にとっては、些細なことでも決めることは難しいものです。そのような場合は、◯日後までには決めるといった方法も有効です。このような小さなことの積み重ねで、自分の決断力を高めることができれば、心理的にも自立していくことができるでしょう。