授乳中に粕汁を食べても大丈夫?栄養やアルコールと注意点について
風味豊かでほんのり甘い、美味しい粕汁。関西方面を中心に親しまれている汁物ですね。「粕汁が大好き!」という授乳中のママもいると思いますが、気になるのがアルコールだと思います。そこで今回は粕汁のアルコールと、授乳中のママが食べるときの注意点についてまとめてみました。
酒粕で作る粕汁ってどんなもの?
粕汁とは酒粕でつくる関西では定番の汁物
粕汁は一般的に具沢山な汁物で、具材にはブリや鮭などの魚類、ダイコンやニンジン、サトイモなどの根菜類、こんにゃくや油揚げ、ネギなど、様々な食材が入ります。酒粕が味のベースであるため、ふわっとした風味や甘味が特徴的です。
粕汁は美味しいだけでなく、栄養面でも優れていることが知られています。とくに酒粕の栄養は健康だけでなく美容にも効能が期待できるといわれています。
よいことづくめの粕汁ですが、注意点もあります。それは酒粕にアルコールが含まれていることで、妊婦や授乳中のママ、子どもなどは気をつけて食べる必要があります。
粕汁は授乳中のママにうれしい栄養が
中でもビタミンB群は肌の代謝を高め、食物繊維は腸の老廃物を輩出するため便秘解消に効果的です。授乳中で忙しく、肌荒れを起こしがちなママにうれしい成分ですね。
また酒粕は発酵食品で、免疫力アップも期待できます。赤ちゃんに昼夜の区別がまだないうちは授乳で寝不足から体調を崩すママも多いので、免疫力アップで健康を維持したいですね。
粕汁には酒粕だけでなく、たくさんの魚や野菜が入っていることも栄養面での魅力の一つです。具沢山の汁物からは多種多様な栄養をしっかり摂ることができますよ。
作り方や具材は地域によって様々
・大阪
組み合わせに特徴があり、かやくご飯(炊き込みご飯)と合わせるのが一般的。定番メニューとして提供するお店も。
・京都
魚ではなく肉を使い、味噌を使わず酒粕だけで調味し、出汁をふんだんに使う。出汁の味が効いた、京都らしい美味しさ。
・信州
信州・長野では、特産である野沢の漬物だけを使用した「菜っ葉の粕汁」が一般的。また長野の県境にある新潟では、野沢菜を使った粕汁「漬け菜汁」が食べられている。
・宮城
白菜の古漬けとキンキやメヌケといった魚のアラが入る。味噌は使わず、アラの出汁と醤油、砂糖で調味した味が特徴で「あらざ」と呼ばれる。
授乳中に酒粕を摂るときに気をつけたいこと
酒粕をそのまま食べない
酒粕のアルコール含有量は意外と侮れず、多いものでは約8%にもなります。これはアルコール度数が高めのチューハイと同じ割合です。
当然ながら酒粕を食べるとアルコールを飲んだときと同じ症状が現れます。授乳中ならママの身体を通して母乳にアルコールが含まれるため、赤ちゃんに影響を与える恐れがあるのです。
アメリカの小児学会の発表によると、授乳中のママがアルコールを摂取したときは、2時間以上間隔をあけてから授乳するよう指導されています。しかし2時間経ったからアルコールが消えたとは一概に言えないため、丸1日授乳しない方がよいという説もあるようです。
母乳の出方や質が低下することも
母乳が出にくくなる理由は、母乳を作るホルモン「プロラクチン」の分泌量をアルコールが減少させるためと考えられています。プロラクチンの分泌量が減少すると母乳の量も減るため、母乳が不足する恐れがあるのです。
また母乳の質も低下します。本来母乳はほんのり甘い味ですが、ママがアルコールを摂取すると酸味が出てくるといわれています。またアルコール独特のにおいも混じるため、赤ちゃんにとって質が悪いうえ美味しくない母乳になってしまい、飲むのを嫌がることもあるようです。
酒粕の賞味期限に注意する
酒粕を放置すると熟成が進み、時間が経ちすぎるとすっぱいにおいがしたり糸を引いたりするようになります。これでは美味しく食べることはできません。
酒粕には賞味期限(味のよさを保障する期限)が設けられているので、古い酒粕は確認して使ってください。一般的には3~6カ月が目安になります。
また保存方法は菌の活動を抑えるためにも冷蔵保存がおすすめです。ただし、少しずつ発酵は進むので、密閉された袋に入れて保存するときは破裂を防ぐために小さな穴を空けておきましょう。