蒙古斑が消えるのはいつ?蒙古斑のしくみや治療が必要な場合について
日本人の赤ちゃんの多くに見られる蒙古斑。実はシミを作り出すメラノサイトが原因かもしれないのです。おしり以外の場所にも蒙古斑ができるのか、あまりにも広い範囲に出たときは治療ができるのか、からだに害がなくても保険がきくのかなど、できるしくみや治療法を紹介していきます。
赤ちゃんのからだにできる蒙古斑とは?
蒙古斑ができるしくみ
肌や髪、瞳などの色素を作っているのがメラニン色素で、紫外線から肌を守る役割をはたしています。メラノサイトはこのメラニン色素を作り出す細胞。肌がダメージを受けないようにメラノサイトがメラニン色素を作り出すため、紫外線を浴びた肌は黒くなるのですね。
人間の皮膚は外側から表皮、真皮、皮下と3層構造になっていて、メラノサイトは通常1番外側の表皮にあります。胎児のときにメラノサイトは真皮から表皮に移行するのですが、このとき真皮に残ったものが蒙古斑の正体と考えられています。
蒙古斑の出る子と出ない子がいる
ネグロイドの赤ちゃんは元々肌の色が濃いため蒙古斑があってもはっきり確認できません。そのため英語で「モンゴリアンスポット」と呼ばれるほど、モンゴリアン特有のものと認識されているのですね。
モンゴリアンが少ない地域では、蒙古斑があまり知られていない場合も。なかには蒙古斑を、虐待でついたアザだと勘違いされることもあるようなので海外で生活するときや旅行をするときには英語で説明できたら安心ですね。
おしり以外にも蒙古斑は出る
手首や足首、腕、背中上部の広い部分に蒙古斑が出る場合もあるのですが、これらは一般的におしりや腰に出る蒙古斑とは区別されていて異所性蒙古斑と呼ばれています。
できる場所がよくある蒙古斑とは少し異なるため「こんなところに蒙古斑?」と心配するママも多いかもしれませんが、病気ではないので安心してくださいね。もちろん健康に影響を与えるようなこともありませんよ。
通常、蒙古斑は薄くなりますが異所性蒙古斑は消えるのに時間がかかることもあるようです。
蒙古斑はいつ出てきて、いつ消えるの?
生まれつきか生後1カ月以内に出てくる
日本人にとって蒙古斑は特別珍しいものではありません。赤ちゃんといえば、青い、蒙古斑のあるおしりをイメージする人の方が多いくらい身近なものですよね。
しかし、それまでなかったところに青いアザができていると心配になりますよね。実はそのアザ、蒙古斑かもしれないのです。でも、3カ月や6カ月など、生後しばらくたってから蒙古斑が増えることがはたしてあるのでしょうか。
確かに蒙古斑は子どもの成長とともに徐々に薄くなりますが、ピークの時期までは増えることも珍しくありません。
2歳頃にピークとなることも
蒙古斑が消える時期には個人差があるため、「ずばり●歳でなくなりますよ」とはいえないのですが、ピークは2歳頃と考えられているので目安にしてください。
一方青みが強くなり、赤ちゃんの頃からあった蒙古斑が目立つようになる場合もあるようです。もしそうなっても気にしすぎなくて大丈夫ですよ。一般的には2歳以降から徐々に色素が薄くなり、3〜5歳頃には消えることが多いといわれています。
10歳頃までにはほとんどなくなる
一方で、成人の約3割は大人になっても蒙古斑が消えないままなのです。皮膚の病気ではないかと心配かもしれませんが、赤ちゃんのときの蒙古斑と同じでからだに害はありません。
このように、大人になっても消えないものは特に異所性蒙古斑に多いといわれ、さらにいつまでも残り続けるものを持続性蒙古斑と呼びます。健康に影響がないとはいえ目立つ場所にあればコンプレックスになることも考えられますね。
そんなときは治療を検討してみてはいかがでしょう。実は赤ちゃんでも蒙古斑の治療が可能ですよ。