頭囲でわかる乳児の発育状態!正しく測って子どもの成長を見守ろう
乳児健診などで測定する赤ちゃんの頭囲は、脳の病気を早期発見するための一つの指標になります。正しい測定方法や、どのような問題があるのかをぜひ知っておきましょう。今回は頭囲の成長曲線で知ることができる赤ちゃんの異常の見分け方や、胸囲と頭囲の比較、また頭の形からわかる問題点などをご紹介します。
目次
- 乳児の頭囲の平均と成長曲線の範囲
- 男女で少し違いがある頭囲の平均
- 成長曲線の正常値の範囲内なら心配なし
- 乳児の頭囲の成長曲線の範囲を知ろう
- 正しい頭囲の測り方と胸囲との比較
- 2歳までは寝かせた状態で頭囲を測定
- 男女別で頭囲と胸囲を比べてみよう
- 頭囲と胸囲を比較したときに気づく問題点
- 頭囲の大きさに異常があるときの原因は?
- 乳児の頭囲が大きいのは病気が原因かも
- 小頭症を引き起こす病気で頭囲が小さくなる
- 実はよくある頭囲の測定ミス
- 頭囲だけでなく頭の形もよく観察しよう
- 乳児の頭がゆがむ頭蓋縫合早期癒合症
- 産後の乳児の体勢によって変わる頭の形
- 早めにケアすれば乳児の頭の形は治る
- 頭囲測定は大切!でも悩みすぎなくてOK
- 病院の乳児健診で頭囲を測定する理由
- 身長や体重と違い頭囲は少しずつ大きくなる
- 頭囲の大きさは気にしすぎなくて大丈夫
- まとめ
乳児の頭囲の平均と成長曲線の範囲
男女で少し違いがある頭囲の平均
生まれてすぐの新生児から1歳までの平均頭囲は以下のとおりです。
月齢・男の子:女の子(単位・cm)
出生時・33.5:33.0
1カ月・38.0:37.0
2カ月・39.9:38.9
3カ月・41.4:40.2
4カ月・42.3:41.2
5カ月・43.0:41.9
6カ月・43.6:42.4
7カ月・44.2:43.0
8カ月・44.6:43.5
9か月・45.1:43.9
10カ月・45.5:44.3
11カ月・45.9:44.7
1歳・46.2:45.1
成長曲線の正常値の範囲内なら心配なし
成長曲線の正常値から大きくはみ出している場合は、病気や障害がある可能性が指摘されています。さらに成長曲線の正常値内であっても、短期間に急激に頭囲が大きくなったと感じたときにも、同じく病気や障害の可能性が考えられます。
頭囲の大きさや成長に不安を感じたときは、かかりつけの小児科へ相談してください。早期発見により早めに治療ができる病気もありますので、ためらわず受診することをおすすめします。
乳児の頭囲の成長曲線の範囲を知ろう
成長曲線で示してある曲線の範囲内は、94%の赤ちゃんが当てはまる頭囲の値を表しています。赤ちゃんの発育は個人差が大きいので、少しくらいグラフから外れていても過度な心配は必要ありません。
成長曲線で確認してほしいのは、赤ちゃんの成長の推移です。成長曲線のカーブと比べて赤ちゃんの成長が大きく外れている場合、かかりつけの小児科に相談することをおすすめします。
正しい頭囲の測り方と胸囲との比較
2歳までは寝かせた状態で頭囲を測定
1.2歳までの赤ちゃんは仰向けに寝かし、片方の手で頭と首の後ろ側を持ちあげる
2.空いた手で後頭部のもっとも膨らんだ部分にメジャーを当て、持ちあげていた頭をおろす
3.眉の真上を通して測定する
2歳までの赤ちゃんの頭囲を寝かせた状態で測定するのは、泣いたり暴れたりしたときの測定ミスを防ぐためです。ズレると成長曲線との比較が難しくなります。ママがおうちで測るときは、おとなしく寝ているときを狙うとよいですね。
男女別で頭囲と胸囲を比べてみよう
男の子の場合、新生児の時期は胸囲の方が大きく、その後生後2カ月を過ぎると頭囲の方が大きくなります。1歳あたりでは頭囲と胸囲がほぼ同じくらいになって、1歳8カ月ごろにはまた胸囲が大きくなり、その後は頭囲との差が広がっていきます。
女の子の場合、新生児の頃は男の子と反対で頭囲の方が大きいのですが、胸囲自体の大きさは男の子とほぼ同じです。生後3カ月ごろから胸囲の方が大きくなり、生後10カ月あたりからは同じくらいになります。胸囲と頭囲の差が大きく出始めるのは1歳11カ月ごろからです。
頭囲と胸囲を比較したときに気づく問題点
胸囲に比べて頭囲が大きい場合は、まずは産まれてからの頭囲の成長具合を確認します。赤ちゃんは個人差が大きいので、頭囲の成長が順調であれば体の成長が遅いだけかもしれません。
しかし、まれに腎臓機能に問題のあるケースがあるので、身長体重などと比較して心配なときは医師に相談しましょう。
反対に胸囲に比べて頭囲が小さい場合は、頭蓋骨や脳の成長が遅れている可能性があります。成長には個人差があって単純に成長が遅いだけかもしれません。神経質になる必要はなく、心配なときは小児科の医師と相談しながら見守ってください。