今さら聞きづらい香典マナー。突然の訃報にもスマートに対応しよう
訃報というのは突然訪れるものです。そのため、混乱したり戸惑ったりしている中でスムーズに対応できないこともあるかもしれません。特に身内の不幸となると、マナーや香典の額などを聞ける状態でないことも多いですね。そこで、突然のことにも対応できるように先に香典マナーなどの知識を頭に入れておきましょう。
基本的な香典マナーを知っておこう
遺族や亡くなった方への思いやりを表すもの
香典には二つの意味があります。一つは線香や花、抹香代わりにご霊前へお供えするもの、二つ目はご近所、親戚間の助け合いです。戦前はこの助け合いは現金ではなく、人手の供出でした。
悲しみにくれる遺族にとって、葬儀は大変な負担です。そのため、食事、僧侶や弔問客への対応などを引き受けてもらっていました。今でも地方では、隣近所が手伝いをする慣習が残っているところもありますね。
しかし、戦後には線香や人手ではなく現金で助けるものへと変化しました。どちらにしても、遺族や亡くなった方への気持ちを表すものには変わりないでしょう。
香典袋の種類と選び方のポイント
<仏式>
表書き:「御霊前」「御香典」「御香料」、通夜には「御悔」が用いられる
ただし、浄土真宗では御霊前ではなく「御仏前」
香典袋:一般的な水引は黒白、関西以西では黄白も可
5万円以上は双銀で結び切りや鮑結び、デザインつきは蓮
<神式>
表書き:「御玉串料」「御榊料(おんさかきりょう)」「御神前」「御神饌料(おんしんせんりょう)」「御霊前」
香典袋:水引は双白または双銀の結び切りや鮑結び。
<キリスト教>
表書き:カトリックは「御ミサ料」「御花料」「御霊前」、プロテスタントは「御花料」「忌慰料」など
香典袋:デザインつきはユリや十字架
金額の相場とお金の入れ方
故人が両親の場合は5~10万円(若年の場合は3万円も可)、兄弟姉妹は2~5万円、祖父母は1~5万円、おじ・おばは1~3万円、仕事関係・友人は5千~2万円、隣人・顔見知り程度なら3千~1万円が目安です。
親友やお世話になった方なら高額を包みたくなるかもしれません。渡す方はそれで気持ちが晴れるでしょうが、受け取る遺族はあまりに高額ではお返しに困ることになります。そのため、常識の範囲内での香典を渡すようにしましょう。
また紙幣は新札、汚れやシワが多いものを避け、表面を上にして揃えて入れます。
ママ友や子どもを介しての間柄の場合には
故人や遺族とのつき合いの度合いで決めよう
そのような場合の相場は、3~5千円です。ただし、会ったことがない場合はお悔やみの言葉を伝えるだけでよいかもしれません。
習い事の先生の場合はお礼をこめて5千円ほどを包むことが多いですが、お世話になった度合いにより1万円にすることもあるようです。ママ友本人の場合は、おつき合いの深さにより3~5千円が相場のようです。
故人との関係性がわかる書き方をしよう
表書きには世帯主の名前を書きます。しかし「親の名前だけでは相手に誰なのか伝わらないのでは?」と心配になるのではないでしょうか。そこで、それを解消するために次のように対処しましょう。
香典の中袋の裏面には通常、住所と名前を書きますね。その名前を書くときに親の名前と一緒に子どもの名前や所属(幼稚園や保育園、習い事のクラスなど)を書きましょう。そうすることで、故人との関係がご遺族にも伝わりますよ。
ママ友や周囲の人たちと連名で渡そう
ただし、葬儀に参列して渡す場合は注意点がありますよ。連名だからと1人分を少額にしてお返し不要とする場合もありますが、実は即日返しというものがあり、帰りに2~3千円のお返しを渡されるため断れないこともあるのです。
また、後日のお返しとなっても全員に香典返しをすることになるため、相応の金額を包んでいないと反ってご遺族にご迷惑をお掛けすることになってしまいます。そのため、連名であっても相応額を包むようにしましょう。