へその緒は赤ちゃんとママの絆!お手入れの方法と大切に保管するコツ
赤ちゃんとママの絆であるへその緒。きれいに取れるまでは、どのようにお手入れをしたらよいのか心配になりますよね。そこで、へその緒の役割と取れる時期、お手入れの方法について解説します。あわせて、へその緒の保管理由や上手な保管方法についてもご紹介します。
へその緒の役割と取れる時期について知ろう
胎盤とお腹の赤ちゃんをつなぐへその緒
出産直前のへその緒の長さや太さには個人差がありますが、一般的には長さが50~60cmほどで、直径が1~2cm程度の太さです。へその緒の中には2本の動脈と1本の静脈が螺旋状に通っています。
1本の太い静脈は、赤ちゃんに必要な栄養と酸素を届けています。また、2本の細い動脈は、赤ちゃんの老廃物などを胎盤へと運ぶ役割を果たしているのです。
へその緒は弾力性と伸縮性に優れ、多少絡まっても血液の流れが止まることはありません。また、羊水の中で赤ちゃんが動いても破れたりちぎれたりすることはないので、心配無用ですよ。
へその緒は乾燥したらポロッと取れる
誕生してからしばらくの間は赤ちゃんのお腹にはへその緒がついたままですが、少しずつ乾燥していって根元がとれやすくなっていきます。退院するころにはある程度乾燥が進んでいます。
へその緒が取れる時期は赤ちゃんによって異なりますが、多くの赤ちゃんは生後2~3週間で取れるようです。遅い赤ちゃんでも、1カ月健診までにはポロッと取れるようですよ。中には、知らない間に取れていることもあります。
2~3週間経って取れなくても心配はない
生後2~3週間経ってもへその緒が取れない赤ちゃんは、決して珍しいことではありません。へその緒が乾燥しているようであれば、心配しなくても大丈夫です。
へその緒がなかなか取れないからといって、無理に取ろうとするのはやめましょう。必要以上にへその緒に触ると、出血や感染症の原因になることがあるからです。
基本的には、生後1カ月程度は経過を見守っても大丈夫です。もし心配であれば、1カ月健診で相談してみてください。
取れる前も取れた後もしっかりケアしよう
きちんと消毒することが大切
まず、赤ちゃんを仰向けに寝かせ、2本の指で赤ちゃんのへその緒の周りを優しく広げます。次に綿棒に消毒用アルコールを含ませ、へその緒の付け根を一周するようにそっと消毒しましょう。
消毒した後は、自然に乾燥するまでそのままにしておきます。消毒した後すぐにガーゼなどで覆うと、乾燥しにくくなるからです。
へその緒の消毒は、1日1回で大丈夫です。多くても1日3回以内にしましょう。デリケートですから消毒回数が多いと炎症の原因になることがあるので、注意してくださいね。
出血していたらまず様子を見てみよう
しかし、へその緒からの出血は、少量であれば心配する必要はありません。多くの場合は、2~3日で止まります。ですから、しばらく様子を見守りましょう。
へその緒には、まだ血管が残っています。排便したときや泣くときなどお腹に力を入れると、へその緒の切り口に負担がかかって出血することは珍しくありません。
しかし、しばらく様子を見ていて出血が止まらないときや、少量の出血が何度も繰り返されるようであれば、へその緒が細菌感染している可能性も考えられます。出産でお世話になった病院や小児科の先生に診てもらうことをおすすめします。
こんな状態が続いたら病院へ相談
赤ちゃんによっては、おへそがじくじく湿っていることがあります。毎日きちんと消毒して乾燥させれば改善されることがほとんどですが、おへその周りが赤く腫れていたり、ケアのときに赤ちゃんが痛がったりするようであれば、受診した方がよいでしょう。
また、おへそから膿が出たり、強いにおいがしたりすることもあります。これは「臍炎(さいえん)」といって、へその緒が取れた後の傷口が感染し、炎症を起こしていると考えられます。悪化する前に、早めに受診しましょう。
へその緒の保管理由や上手な保管方法
へその緒を保管する理由とは
日本でへその緒を保管する理由については、いくつか語り伝えられてきています。一番の理由は、ママと子どもとの絆を大切にし、子どもの成長を祈るためだという考えが有力のようです。
また、子どもが重病になったときにへその緒を煎じて飲ませると、病気がよくなるという言い伝えも残されています。さらに、母親が火葬されるときに子どものへその緒を棺に入れると、この世でのよくない行いを許してもらえるとも考えられていたようです。
へその緒は親子の絆の証であり、いまでも大切に保管して子どもが成人したときに渡すママも多いようですよ。