【第1回】3児のママがパン屋を起業!ママの背中が伝える“0”から“1”
塩パンをメインにした宮城県の大崎市にある「パンツクルヒト」は、県内外から多くのお客さんが集う小さなパン屋さんです。このお店のオーナーの大友真弓さんは3人の子どもを育てながら経営をしているオーナーママ。そんな大友さんの子育てと起業についていろいろとお話を聞いてみました。
ママでパン屋をはじめました!起業への道のり
お店をはじめるきっかけは「いつか」から「いつ」
19歳のときに1人目の長女を出産し、その後2人の男の子に恵まれた3児のママの大友さん。子育てをしながら介護などの接客業の仕事の合間に趣味のパン作りやお菓子作りを楽しんでいたママです。いつかは、お店を持てたらなという気持ちで趣味を楽しむ1人のママが、今では人気のパン屋のママオーナーとしてお店を切盛りしています。
そんな話をしたときの同僚からの言葉が本格的に起業を考えるきっかけだといいます。
「いつかやりたいってさ、いつかできると思う?10年後体が動くと思う?いつかやりたいじゃ、いつかできないんだよ。あと何年後という具体的な目標を立てなさい」
この言葉をきっかけに、起業についていろいろと調べ、商工会へ相談に行ったり、食品衛生責任者の資格を取得したりと、できることを1つずつはじめたのがオープンから約3年前のことでした。
開業資金が1円もない状態でスタート
「事業計画書を書くために、パンを焼くオーブンや機材の見積もりを取ってみると開業資金に数千万くらいかかるんです。子どもを育てなくてはいけない中、開業資金が1円もない状態でお店を始めることが果たしてどうなんだろうと」
パン屋のオープンと家族
そんな中、児童館に馴染めない子どもの様子に「そこまでして働く必要があるのか」と仕事と子育てについて考えるようになった時期もあったようです。また、近くに住む義理の父の体調もよくないという状況も重なり、嫁としてママとして何かできることないかと考えたとき、そばにいてあげることが一番いいとの思いからお店は自宅横にオープンすることに。
「子どもは『学校が終わったら児童館行かないで帰ってきていいんだよね?』と喜んでいました。昔はおじいちゃんやおばあちゃんが家にいて児童館とかに行く子も少なかったのかなと思うんです。やっぱり、家に誰かいるのって安心するんだろうなと思いました」
また、オープンのタイミングは、長女の受験を考え中学2年生の年を目処に進めることになったそうです。
仕事をしていても家の横で、ママがいるということは家族にとっても安心できる環境になります。それとともに、家族がいるからこそ、覚悟を持ってやらなければいけないのも起業をすることの大切な部分になっています。