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出産での入院でも保険金は出る?損しないために知りたい保険の話

出産での入院でも保険金は出る?損しないために知りたい保険の話

民間医療保険に入っている人は要チェック

帝王切開は保険対象になるケースが多い

帝王切開は健康保険の高額療養費制度の対象になりますが、入院が長引いた場合の入院中の食事代や差額ベッド代などは自費で支払うことになります。

民間の医療保険に入っていれば、帝王切開で保険が適用されるケースが多いので、自費の部分に充てることができます。契約内容を確認して、帝王切開時に申請できるか確認をしておくとよいでしょう。

医療保険の契約内容によりますが、毎月2,000円程の保険料負担の場合、入院日額5,000円、手術給付金10万円の給付が目安となります。

妊娠をこれから考えている方は万が一に備え医療保険に入っておくと安心かもしれません。また、妊娠後に医療保険に入ることができても、保険対象とならない場合もあるので注意が必要です。

切迫流産や早産も保険対象になることが多い

流産や早産の一歩手前の状態のことを切迫流産・切迫早産といいます。この様な状態になると大変危険な状態のため、長期的な入院が必要になる可能性があります。

入院の期間は人により違いますが、1週間程度から数カ月に及ぶ場合もあるようです。治療が必要であると医師が認めた場合は、入院費は健康保険が適用された額が自己負担額となります。

しかし、入院中の食費は一部負担、個室での療養を希望した場合の差額ベッド代は全額自己負担となりますので、自己負担額が増えてしまいます。

このような場合、民間の保険が適用となり保険金が給付される場合がありますので、保険会社に確認をしてみるとよいでしょう。なるべく自己負担額を減らせるように、事前に確認をしておくと焦らず対応できますよ。

自然分娩も分娩法によって保障されることも

自然分娩の場合でも分娩の内容によっては民間の保険が適用されることがあります。

例えば、

・吸引分娩(出産時赤ちゃんの頭に吸引カップなどを装着し、引っ張り出す分娩方法)
・早期破水
・前置胎盤(胎盤が子宮の出口にかかっていたり覆っている状態)
・会陰切開・縫合(肛門まで及ぶ裂傷など)
・大量出血をともなう出産・入院
などの場合は保険が適用されることがあります。

一般的に非常事態などで特殊な処置をした場合などに適用されるようです。保険の内容によって保障内容が変わるため、保険会社に問い合わせをしておくと安心です。

また、妊娠中でも初期のつわりや子宮外妊娠、妊娠中毒症による入院についても保険適用になる場合がありますのであわせて確認をしましょう。

保険金申請は何から始めればよいの?

国民健康保険への高額療養費申請

出産時の入院に関して高額療養費を申請できることが分かりましたね。ただ、申請といっても具体的にどのようにするのか不安に思われる方もいるのではないでしょうか。

国民健康保険に加入している場合は、

・保険証
・印鑑
・医療機関の領収書
・マイナンバーカード(身分証明書)
・世帯主の金融機関通帳
・高額療養費申請書

を自治体の窓口(年金課、健康保険課など)に提出します。申請書は自治体の窓口で入手することもできますが、自治体のホームページからダウンロードすることも可能です。

また、申請を忘れていても、3カ月ぐらい後に自治体から手続きの案内が送られてきます。その申請書に必要な事項を記入、必要な書類を添付して郵送しましょう。

協会けんぽへの高額療養費申請

会社勤めをしている、会社勤めのパパの社会保険の扶養に入っているなどで、全国健康保険協会が運営している「協会けんぽ」といわれる健康保険に加入している方も多いでしょう。

協会けんぽに加入している場合は、

・健康保険高額療養費支給申請書
・マイナンバーカードのコピー(裏・表)

を保険証に記載されている管轄の協会けんぽ支部に郵送します。申請書は協会けんぽのホームページからダウンロードすることができ、そちらで書き方の記入例を見ることもできるので安心してください。

マイナンバーカードを持っていない場合は、個人番号通知のコピーや個人番号が記載された住民票、運転免許証などの本人確認書類添付する必要があります。

民間の医療保険に加入の場合は電話連絡から

出産時により手厚い保障を受けられるようにと、民間の医療保険に加入している方も多いですよね。ただ、医療保険は万が一に備えて加入するものなので、あまり活用する機会が少なく手続きの方法を知らない方もいるでしょう。

先ほどご紹介したように「帝王切開で出産した」「出産前後の入院が長引いた」などの場合は、まず保険会社に電話をして状況を説明します。それから数日後に申請に必要な書類が送られてきますので、保険会社所定の診断書を医師に書いてもらい、必要な書類(申請書、医療機関の領収書など)と一緒に送付してください。

保険会社での審査がスムーズに進むと1週間程で、指定口座に給付金が振り込まれますが、書類に不備があると受け取る日が遅れるので早めに申請しましょう。

働くママが出産前にチェックするポイント

産休中の社会保険料免除は早めに準備しよう

働くママの産前産後休業中の社会保険料は、申請をすれば免除してもらうことができます。産休中(出産予定日の6週間前から分娩翌日から起算して8週間の休業期間)は給料を支給しない会社がほとんどですので、社会保険料免除の制度はぜひ活用しましょう。

手続きは、勤務する会社の事業主が「健康保険・厚生年金保険の産休取得者申請書」を管轄の社会保険事務所に提出すれば手続きが完了します。承認されれば該当する期間の社会保険料が免除されます。

この制度は育休期間中(産後8週間を過ぎてからお子さんが1歳になる前日まで)も申請をすれば適用となります。この場合も事業主が「育児休業等取得者申出書」を社会保険事務所に提出し申請となりますので、会社と相談して手続きをしてくださいね。

出産手当金の手続きも確実にしよう

出産手当金とは産休中に標準報酬月額の2/3を限度に支給される手当金のことです。この出産手当金の手続きも確実に行っておきましょう。

支給されるのは出産の日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)以前42日(多児妊娠の場合は98日)から出産の翌日以後56日目までの範囲内で、会社を休んだ期間となります。

働いていない産休中にも給料の2/3程度が支給されるので、ママにとっては心強い制度ですよね。手続きは健康保険組合に書類を提出することで行われますが、事業主経由で行われるのが一般的です。

産休に入る前後は引き継ぎなどでバタつくことも多いため、これらの手続きについても早めに会社と段取りをしておくことをおすすめします。

妊娠に関するお休みでもらえる傷病手当金

傷病手当金とは勤め先の健康保険の加入者が病気により休業した場合に、本人やその家族の生活を補償するための制度です。病気や怪我で連続4日以上休んだ場合、4日目以降の休んだ日数分の手当金が支給されます。

健康保険加入中であれば切迫早産やつわり、妊娠中の異常のための入院や自宅療養であっても適用されます。支給額は【支給開始前12カ月間の標準報酬月額の平均額を30日で割った額】の2/3に相当する額となり、支給される期間は最長で1年半です。

傷病手当金の申請は「傷病手当金支給申請書」という書類を医師に記入してもらい、担当の窓口に提出する必要があります。退院後や職場復帰後に申請書を用意し傷病手当金を請求してくださいね。 

働くママが産後にチェックするポイント

育休中の大事な収入!育児休業給付金の申請

育休中にもらえる給付金として育児休業給付金というものがあります。これは育児休業中の父母に対して生活の保障として雇用保険から支払われる給付金です。

給付金を貰える条件は「雇用保険に加入している」「育休前の2年間のうち、1カ月に11日以上働いた月が12カ月以上ある」「就業日数が各支給単位期間ごとに10日以下である」「育休中に休業開始前の給料の8割以上の賃金を支払われていない」といったものです。

雇用保険に入っていない人、妊娠中に退職する人、育休後退職予定の人、育休を取得せずに産後復帰する人などは給付されないので注意してくださいね。

もらえる金額は育休開始日から180日目までは月給の67%となり、181日目~育休最終日までは50%が支給されます。月給は上限が426,300円、下限は69,000円です。

手続きは会社がハローワークに対し行うことが多いですが、会社に「育児休業給付金支給申請書」「育児休業給付受給資格確認票」を産休の1カ月前までに提出する必要がありますので覚えておくとよいでしょう。

【番外編】住民税対策もしておこう

住民税は前年度の収入で決定され、支払いは翌年の6月から1年間の間となります。収入が減っている産休育休中でも請求されるもので普通徴収として納めることになります。

収入が減っている産休育休中でも税金を納めなければなりませんが、なるべく出費を減らすための住民税対策がありますのでご紹介します。

・住民税減免制度
産休育休で所得が前年に比べて半分以下になった場合は、住民税の減免制度を利用できます。制度内容は市区町村によって違いますので事前に確認が必要ですが、全額免除や半分免除など大きく減免される場合がありますので確認してみましょう。
また自治体により手続きの方法が異なりますので、市区町村の役所内の税担当部署に確認をしてみるとよいでしょう。

・ふるさと納税
ふるさと納税とは、地域に寄付をするとお礼の品物がもらえ、尚且つ住民税や所得税が減る制度です。ふるさと納税をしている人であれば、産休育休で収入が減った際にも住民税の負担を減らすことができます。

このように産休育休中は収入が減りますので、住民税の支払いが少しでも減るように対策をしておくとよいですよ。

まとめ  

妊娠中や出産時、出産後についても民間の保険金や給付金を受け取ることができる事例はたくさんあります。初めての出産であれば知らないというママも多いのではないでしょうか。

国の給付金は受け取れる資格がある人が多いので、この記事でチェックしてぜひ申請をしてみてくださいね。

また、現在民間の保険に加入しているママは妊娠中や分娩時、産後の思わぬ事態のときに保険金が下りる可能性があります。妊娠中のうちから各保険会社に問い合わせをしておくといざというときに安心です。早めの備えで安心して出産に臨みましょう。
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