早産リスクの山場になる34週出産!その理由と早産兆候について
まもなく妊娠34週目をむかえる妊婦さんや、切迫早産と診断された妊婦さんのなかに、妊娠34週目が出産までの一つの山場と聞いた方はいませんか。なぜ、妊娠34週目が山場とされるのか、また、早産になりやすい妊婦さんの特徴や、早産のリスクについて見てみましょう。
34週目が出産の一つの山場といわれる理由
出生体重が1,500gを超えているから
妊娠34週目での出産は早産ですが、出産の一つの山場といわれています。その理由を理解しましょう。
妊娠34週目の平均的な赤ちゃんの様子は、体つきもふっくらして表情も出てきます。体長43~46cm、体重1,800~2,500gにまで成長しますよ。
早産の赤ちゃんへの後遺症が心配ですね。程度に差はあるものの、赤ちゃんの出生体重が1,500gをこえると、後遺症が残る確率は5%以下となるデータがあるので、心配しすぎなくてもよいですよ。
肺が完成し自発呼吸ができるようになるから
まだまだ未発達な面があるものの、正期産で生まれた赤ちゃんに近い状態になりますよ。ママの不安も少し和らぐのではないでしょうか。
しかし、その他の身体機能の発達や免疫が未熟なので、NICU(新生児集中治療室)への入院・治療が必要になります。母乳やミルクを自力で飲むことができるようになり、体重が2,300gくらいまで成長し、体調が安定していることがNICUを退院する目安ですよ。
臓器が完成し障害のリスクが減るから
早産で生まれた赤ちゃんは、身体機能が未熟なため、疾患とともに生まれてくるなど、生まれてから治療が必要な場合が多く見られます。早産で生まれた場合、さまざまなリスクがあることは事実です。
呼吸が上手にできなかったり、消化器官や循環器系機能が未熟だったりすると、チアノーゼをともなって呼吸が停止したり、母乳が飲めなかったり、心臓機能が弱く心不全や低血圧をおこしたりというリスクがあります。34週という山場をこえて生まれた赤ちゃんのリスクは減るとされていますので、それまで赤ちゃんがお腹の中で育ってくれるように、ママも頑張りましょう。
早産が起こりやすい妊婦さんの特徴
双子など多胎妊娠中の妊婦さん
まず、双子を妊娠中の妊婦さんは、早産になりやすい傾向があります。単胎妊娠と比べると約9割は早産になるとされ、医師が、胎児の様子を見ながら計画的に分娩を行います。
原因として、子宮頚管が短くなることがあげられます。子宮頚管とは、子宮の外側の入り口と子宮の内側をつないでいる管で、赤ちゃんをお腹に留めておくために十分な長さが必要です。
多胎妊娠中の場合、通常よりお腹が大きくなるため、子宮頚管も引っ張られて短くなります。赤ちゃんを支えることができず、産道が開いて早産になりやすいのです。
また、子宮収縮が早く起こりやすいことや、妊娠高血圧症候群にかかりやすいことも原因になります。
2人目で上の子のお世話がある妊婦さん
ママは大丈夫だと感じていても、上の子の要求にこたえて抱っこしたり、力を使ったりという行動が積みかさなって、ママの負担になっている可能性もありますよ。もし、両親やママ友など、身近に頼れる人がいるなら、思いきって上の子のお世話を頼んでみてはいかがでしょうか。
また、上の子のお世話をしていると、妊娠中であっても、つい自分のことを後回しにしてしまうママも多いようです。体が疲れたり、お腹が張ったりする場合は、無理をせずに休むことが大切ですよ。
絨毛羊膜炎に感染してしまった妊婦さん
絨毛羊膜炎に感染すると、子宮頚管が短くなったり、過度の子宮の収縮がみられたり、卵膜が弱くなったりします。そのような状況が切迫早産や早産につながります。
絨毛羊膜炎は、膣内の細菌のバランスが崩れて細菌性膣症になり、膣炎や子宮頚管炎の原因になります。妊娠中は、それが絨毛膜や羊膜まで広がり、絨毛羊膜炎に感染する恐れがあります。
また、歯周病が原因となる場合もあるので早めに治療をしましょう。定期的な妊婦健診も必ず受診しましょう。