【第1回】幼児からはじめられる!ごはんの時間に大切なこと
小さな子どもの食事は「箸を覚えさせるタイミングはいつ?」「ごはんで遊んでしまう」「落ち着いて食事をしてくれない」と食事中の悩み事がいっぱいです。子どもの食事のマナーについて、どう向かい合っていけばいいのかみやぎシニア食育コーディネーターとして活躍をする専門家の井上さんにお話を伺いました。
ママたちが抱える悩み。子どもの食事マナー
食事のマナーをどう教える?
毎日の食事は、子どもたちの心身の成長、健康のために必要不可欠のものです。共働きなどで、忙しいママも多く、食事の時間が短くなってしまっています。ごはんの時間は、親子のコミュニケーションや子どものマナーを育てるにはとても大切な時間です。
人にやられて嫌なことをしないことがマナーのため、“食事中に椅子をカタカタしてはいけません”“テーブルに足を乗せてはいけません”と言葉で子どもに伝えても、ママやパパがテーブルに足を乗せて食事をすることはないため中々、伝えることは難しいです。
小さな子どもにマナーを教えるのに大切なことは気づきからです。同じ年代の子どもたちが集まる幼稚園や小学校など集団生活の中で、食事中にあんなことしたらダメだよね、いやだよねと、自然と感じてきます。その気づきから、やっちゃいけないんだということがだんだんとわかってくるので無理にあれはダメ、これはダメと目くじらを立てずに自分自身で気づくまで待ってあげてもいいかと思います。
10分でもOK!家族での食事
家族で一緒にごはんを食べることで食事のマナーを子どもは自然と身についていきます。
パパの帰宅が遅かったり、ママも家事に追われてしまうこともあるかと思いますが、子ども一人での食事は避けるようにしましょう。小さな子どもたちは、真似事から動作を覚えるので一人での食事になってしまうと、サンプルがなく自由になってしまいます。
ごはんの時間の空間づくり
子どもに「今からご飯の支度をするからね。」「いい匂いがしてくるから待っててね。」と声をかけることで、匂いにつられてお腹が鳴ってきたり、カレーの匂いがするなどごはんの時間だという、リズムが生まれます。
心から食事を楽しむということが一番なので、小さなうちは上手に箸が使えなかったり、残してしまっても気にせず、みんなでごはんを食べるのが楽しい、ごはんが美味しいねという空間をつくることが大切になります。
今からはじめる簡単な食事マナー
ごはん遊びは集中力の問題?
ネットで様々の情報を知ることができるため、他の子や同じ世代の子どもたちは?と考えてしまいますが、子どもによって癖やリズムが違ってきます。
あの子はこれができたから、自分の子もとなると成長を度外視した早さの追求になってしまいます。
ママやパパ、集団での食事の中で基本的なことは自然と身につけられます。マナーを急いで教えようとする前に、大切なことは食事はいつも笑顔で、楽しく美味しくというのが大切です。眉間にシワよせて、しかめっ面で料理を食べても美味しくないですから。
小さい子の料理になると、ごはんも少量のため、大人の時間に合わせてしまうと長過ぎてしまいます。そのため、子どもの時間をある程度区切って、満足しているようでしたら、全部食べ終わるまで待つ必要はありません。
子どもの中で食事に満足してしまうと、食器を叩いたり、グチャグチャしたりと遊びが始まってしまいます。子どもの様子をみて、食事を下げたあとに、量が足りないようであれば、おやつを用意してあげるようにしましょう。
大人に合わせて食事を用意し、栄養バランスが大切だから全部食べなさいと思いがちですが、間食を視野に入れ、食べ終わるまで待つのではなく、子どもの様子を観察しママの判断で食事の時間を終了しましょう。その方がメリハリがあり、集中してご飯を食べるようになっていきます。