子どものコミュニケーション能力に不安。障害との違いや改善策の紹介
子どもが外に遊びに行きたがらず、園でも一人で遊んでいることが多いと、コミュニケーション能力に問題があるのか心配になりますね。コミュニケーション障害を正しく理解し、最近の子どものコミュニケーションの変化を知り、親が子どものためにできることや、コミュニケーション能力を伸ばす方法をまとめました。
コミュニケーション能力は改善できる?
発達障害との違いについて正しく知ろう
発達障害が原因で起こるコミュニケーション障害の特徴としては、子どもの態度に落ち着きがない、人と一緒の行動ができない、相手の話を聞かず一方的に話をしてかみ合わない、予想外のことが起きるとパニックになりやすいなどがあります。これらの特徴が見られた場合は、発達障害の可能性を考えて、早めに専門家に相談に行くことをおすすめします。
集団の中で人と一緒に行動ができ、日常生活に支障がない場合は、育つ過程が原因でコミュニケーションが苦手という可能性が高いでしょう。
親の接し方で改善できること
挨拶はコミュニケーションの第一歩といわれ、取りかかりやすいですし、子どもが挨拶を返したら褒めてあげましょう。褒められることで、話しかけることに苦手意識が少なくなり、子どもが話かけてきたら、うなずきながら、話を遮らず、きちんと話を聞きましょう。
話を聞きながら、「楽しかったんだね」「悲しいね」などと子どもの気持ちに共感して、気持ちを受け入れる態度で接してみましょう。次第にコミュニケーションすることに安心感を覚え、人に対して安心して関われるように変化してくるでしょう。
コミュニケーションを学ぶ教室
子どもの思考力や創造力を高めながらコミュニケーション力を身につける教室や、失敗することを怖がらず、成長することをサポートしながら対人関係力を身につける教室など、様々な教室があります。遠くまで通うのは大変なので、自宅から通える範囲内にどんな教室があるのか調べてみて、気になる教室があればまずは見学してみるとよいですね。
コミュニケーション能力の低下について
親子のコミュニケーションの現状データ
3歳から小学校2年生の子どもを持つ保護者5,000名を対象にして行われたある調査では、子どもと話す時間が足りないと感じている親は約7割、子どもと向き合って話をする時間が15分未満という親は約2割、小学校や園での様子を毎日聞いている親は4人に1人、という結果が出ています。子どもについて夫婦で話す時間が足りないと感じている親も約6割、夫婦で子どもについて話している時間が15分未満という夫婦も5割以上いました。
これらのデータを見ても、子どもとコミュニケーションを取れていないと感じている親が多く、実際に話をしている時間も少ない親子が多いことが分かります。夫婦間でも子どもについて話す時間が少なく、家族間のコミュニケーション自体が少なくなっているようです。
共働きの親も増えていますし、コミュニケーションの量を増やすよりも質を上げる努力や工夫が必要になってきているのかもしれませんね。
変化する子どもたちのコミュニケーション
また、読書をする子どもが少なくなってきたことで、文章を読んで内容を理解したり、言葉から想像力を働かせて相手の気持ちを推し量ったりという機会も少なくなってきています。そのため、自分の感情を的確に表現する言葉が分からなかったり、考えをまとめて文章を構成する力や文章から相手の気持ちをくみ取る力が弱かったりなど、友達とトラブルになることも多いようです。
子どもたちのコミュニケーション能力が、周りの環境の変化によって影響を受けているというわけですね。身近にいる友達よりも、傷つけ合わなくてすむバーチャルな方法を使って人と繋がり、子どもたちの言葉の使い方やコミュニケーションの形もより変化していきそうですね。
コミュニケーションが苦手な子に大切なこと
親からの愛情と親子のコミュニケーション
コミュニケーションの基本は言葉になるので、多くの言葉を知ることが大切であり、親が子どもに愛情を持って話しかけることで、子どもにも親の愛情が伝わるとともに言葉を知る機会にもなります。親が楽しみながら話しかけることで、子どもも親の楽しさが伝わり、コミュニケーションの楽しさを感じることができるでしょう。
うまく話しかけようとするよりも、「気持ちいいね」「冷たかったかな」などと、そのとき感じたことを素直に話しかける方が伝わりやすいでしょう。
絵本でコミュニケーション能力がアップ
例えば、絵本の犬を一緒に見ながら「なでなでしてあげようか」と言って、子どもになでてもらったり、ページをめくる前に「今度は何が出てくるかな」と聞いてからページをめくって、出てきたものを子どもに答えてもらったりと、絵本を通してお互いにコミュニケーションを取り合うのです。楽しみながらできますし、多くの言葉に触れる機会にもなって、言葉を知ることもできます。
子どもは絵本を読む親の表情や口調を見て感情表現を学び、感情表現の豊かな子になるでしょう。
習い事で能力を伸ばしてあげよう
他人と意志交換する機会が多い習い事として、まずは英会話があります。英会話は英語で会話をし、相手に自分の言いたいことを伝え、相手の言っていることを理解することになりますので、それを繰り返せばコミュニケーション力も自然と養われるでしょう。
言葉を使うことが中心ではありませんが、サッカーやバレーなどのチームスポーツもお互いの意志交換が正しくできなくてはチーム力を上げることができませんので、自然とコミュニケーションを図る機会も増えて能力も伸ばすことに繋がります。