母乳育児に最適な食事を学ぼう!赤ちゃんのためによいもの悪いもの
はじめての母乳育児。色々トラブルもありますよね。飲ませてあげたいのに赤ちゃんが飲んでくれなかったり、思うように出なかったり、逆に出すぎたり張ってしまったり…母乳はママの体でできるものだからよい身体を作る食事がよい母乳を作ることにつながっていることでしょう。どんな食事がよいのか、確認していきましょう。
ママの食事が母乳に影響する理由
母乳ができる身体の仕組み
妊娠中は「プロラクチン」という乳腺を刺激し発達させるホルモンが分泌されています。プロラクチンには母乳をつくる働きがあり、その刺激により多くの方は妊娠中のおっぱいが妊娠前より大きくなります。しかし、同時にプロゲステロンという母乳を出すことを止めるホルモンも分泌されています。
出産を経て赤ちゃんがおっぱいを吸うことで、プロゲステロンにかわり、オキシトシンというホルモンの分泌が盛んになります。オキシトシンは、母乳だけでなく母性を引き出す効果とともに出産で広がった子宮を収縮させる働きがあり、ママの産後の回復も助けてくれます。
母乳は血液からできている
鉄分、カルシウム、ビタミン…私たちの体の隅々に栄養を届けているのは血液です。妊娠中発達したおっぱいには毛細血管がたくさん張り巡らされ、そこを通った血液から漉しとった栄養分や免疫成分を乳腺の組織で受け取り、母乳は作られます。このとき、赤血球は受け取らないので母乳は赤くはなりません。ママの血液から作られるというのは、こういうことなのです。
材料である血液が母乳にそのまま混じることはありませんが、血乳といって、ママが乳腺炎を起こしているときなどに血液の混じった母乳が出ることがあります。赤ちゃんの下痢にもつながりますので、医師に相談しましょう。
ママの食事内容が悪いと母乳の質も下がる
また、不要なものは取り込まない乳腺の組織ですが、アルコール、カフェインは漉しとってしまいます。これは赤ちゃんの体には決してよくありませんよね。
授乳中はできるだけ禁酒して、お付き合いなどでどうしても飲まないといけないときは、飲酒後3時間は授乳を控えましょう。コーヒーは、タンポポコーヒーなどで代用するなど工夫してみましょう。
母乳の質と量を上げる食事のポイント
バランスよくなんでも食べること
根野菜を多く使ったお味噌汁に、メインは揚げ物よりは煮物。副菜には野菜や豆類、海藻類を用意して、しっかりいただくと産後のママの体調回復の助けにもなりますよ。
もちろん疲れて食事の支度がおっくうなときもあると思います。そんなときはスーパーのお惣菜コーナーや外食を利用するなど、ストレスがたまらないようにしましょうね。
身体を温める食べ物を摂ること
着るものや室温の調整も必要ですが、食材は体を温めてくれる効果のあるものを選びましょう。魚介なら海老、肉類なら牛肉や鴨、羊肉、野菜は根菜類がおすすめです。生よりは加熱して熱いうちにいただきましょう。果物ならミカンや桃に体を温める作用があるといわれています。
なかなか調理する時間もとれないママですが、鍋料理にすると簡単に温かいものをいただけますね。前日が水炊きだったなら、翌日1人のお昼ごはんはトマトペーストとパスタやご飯を足して、スープパスタやリゾットなどにアレンジしても、目先が変わってよいですね。
意識的に水分を多めに摂ること
飲み水として飲むことばかりを考えていると、かなりしんどくなります。三度の食事にお吸い物や味噌汁を加え、食後に飲み物を1杯、授乳したらまた1~2杯、それも一気に飲むのでなく、ひと口ずつゆっくりいただくと飲みやすくなります。
授乳中はほうじ茶、ミネラル分を多く含むルイボスティーや麦茶、水溶性食物繊維を含むごぼう茶などがおすすめですが、麦茶は体を冷やす作用もあるといわれます。季節に応じて利用しましょう。
母乳の質を上げる食べ物と下げる食べ物
母乳の質を上げてくれる食べ物
色々なビタミンが多く、赤ちゃんに大切な葉酸を含み、体を温めてくれます。
・大豆などの豆類
良質なたんぱく質、食物繊維を含みます。納豆なら血液をサラサラにしてくれる効果もありますね。
・肉・魚類
肉類は、バラなどの脂の多い部分はおっぱいを詰まらせることもあります。赤身の部分や、鶏なら胸肉やササミがおすすめです。
・乳製品
ヨーグルトは乳酸菌の働きでママの便秘解消などに一役かってくれることでしょう。
・穀類
私たちの大切なエネルギー源の一つです。バターや甘いジャムといっしょにいただくことが多いパンよりも、日本人にはご飯のほうが体質に合う人が多いです。便秘気味のママなら雑穀を足してもよいですね。