子どもが歩くために歩行器を使ってもよい?歩行器の使い方や注意点
歩行器は赤ちゃんが早く歩けるようになる目的で使われていましたが、最近では少し歩行器の使用に対する考え方が変わってきています。そこで、ここでは歩行器のメリットとデメリット、使い方や注意してほしいことについて詳しく紹介しています。参考にしてみてくださいね。
歩行器を使う目的と適切な時期は?
早く歩けるように使うのはNG
ですが最近では、歩行器の使用は赤ちゃんがつま先だけで簡単に移動できることに慣れてしまい、足腰をしっかり使うことがないため、歩くための練習にはならないと考えられています。
さらに歩行器の誤った使い方で赤ちゃんの体の発達が阻害され、成長や発達に遅れをきたす可能性や、転倒などの事故のデメリットが懸念され使用を迷われる人も増えています。
また、使い始める時期が早いからといって赤ちゃんが早く歩けるようになるということはないといわれています。
子どもを歩行器に乗せてよい時期
製品によって使用できる月齢が若干違いますので、生後7カ月をすぎて赤ちゃんの腰が安定し、1人でお座りができるようになったころを目安にするとよいでしょう。
腰がしっかりすわっていない状態で歩行器に乗せてしまうと、赤ちゃんの体に負担がかかったり、体の正常な発達の妨げになったりしてしまいます。
対象月齢であっても、まだ腰がすわっていない場合は使用をさけるようにしてくださいね。
赤ちゃんがしっかり歩けるようになった後は、おもちゃの一つとして長く使う人もいるようです。
ママが忙しいときの手助けアイテムに!
まだ安定して歩くことができない赤ちゃんが、バランスを崩して転倒しないかを気にしながら家事をするのはとてもハラハラします。また、ぐずって抱っこをせがまれたりすると家事もすすみませんよね。
そんなときに歩行器を活用することで、赤ちゃんが転ばないように歩行を補助してくれるため、ママも安心して家事をすることができます。
危険な場所に歩行器で入れないように対策しておけば、歩行器はママの家事や育児を助けてくれる便利なアイテムになりますね。
使い方で子どもの発育によくないことも
ハイハイしなくなる場合も
歩行器を使用していない場合でもハイハイの動作をしないままつかまり立ちに移行する赤ちゃんがいますが、この場合は自分の足腰を使って立ちあがるという段階をふんでいるため、体の発達の仕方がまったく違うのです。
ハイハイをすることで赤ちゃんが本来養うはずである、反射やバランス感覚、筋力などが成長していくのですが、早い時期から歩行器を長時間使っていると、その機会を奪ってしまう可能性があります。
筋力がないので背骨や股関節に影響が
この、歩くための準備をする大切な時期に歩行器に頼りきってしまうと、ハイハイをしないことで筋力や背骨が正常に発達することができなくなるかもしれません。
その状態で歩行器を使い続けると未完成な赤ちゃんの骨に負担がかかり、背骨や股関節などに負担がかかってしまいます。
もし股関節に脱臼の傾向がある場合、歩行器を使用していると股関節が十分開いた位置にならないため、脱臼をひどくしてしまうおそれがあります。
長時間使用すると体と脳の成長の妨げに
そして長時間の使用を頻繁にしていると、赤ちゃんがこの状態に慣れてしまうのです。自分で体重を支えたり前に出るために踏ん張ったりする力を使わないため、赤ちゃんが頑張ることを忘れてしまったり、自分で動かそうとする力や意欲が失われてしまったりすることもあるので注意してくださいね。
身体機能を高めて自力で歩く力をつけるためにも、赤ちゃんの動きたい、歩きたいという欲求を阻害することのないよう、歩行器の長時間の使用は避けてくださいね。