新生児の五感はどうなっているの?赤ちゃんの五感の不思議
赤ちゃんは、お腹の中にいる10カ月の間に、体や臓器だけでなく「五感」の感覚も成長していきます。五感の中には、生まれた時点で、大人よりも優れた感覚もあるといわれています。今回は、子どもの成長に不可欠な「五感」の発達のしかたや、五感を刺激する早期教育、五感を育てるために大切なことについても紹介します。
生まれた時から持っている五感
お腹の中の胎児には五感はある?
実は、赤ちゃんの五感(視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚)は、胎内にいる間に、ある程度形成されているそうです。お腹にいる短い期間に、赤ちゃんの様々な機能が並行して発達し、五感が機能するようになると、外の様子を感じながら胎内で過ごし、やがて誕生を迎えます。
そのため、妊娠中にパパやママが赤ちゃんに対し、積極的に話しかけたり、コミュニケーションをとったりすることは、親子の信頼関係や愛情を育むステップの1つなので、積極的にできるといいですね。
新生児の触覚・聴覚の発達
【触覚】痛みや温度を感じる皮膚感覚などの「触覚」は、他の五感が妊娠20週頃から発達するのに比べ、妊娠8週から育ち始めます。これは胎児が自分の手で、顔や体に触れたり、指を吸ったりする動きから確認できます。足や手を動かして周りに触れることで、脳に刺激が伝わり、神経回路が発達しいくのです。
【聴覚】ほぼ胎内でできあがっている「聴覚」。妊娠20週頃に、ママの血流の音や心音、28週を過ぎると、胎内にいても人の話し声や外の音、高音・低音の聞き分けもできます。産後、ママの声やよく聞いていた音楽に反応するのは、発達が進んでいた証拠でもあります。
視覚・味覚・嗅覚の発達
【味覚】妊娠28週以降に「甘味」「苦味」、その後「酸味」が、「旨味」「塩味」は生まれてから発達していきます。味を感じる味蕾(みらい)は生後3カ月頃が一番多く、味に敏感になりますが、だんだん減少します。
【嗅覚】生まれた時、大人と同じくらい鋭いのが「嗅覚」。食べ物の腐敗などの目で確認できないリスクから身を守るため、早くから発達しています。視力が弱い中、母乳を飲むためにも必要な感覚です。
赤ちゃんからの早期教育と五感
早期教育と五感の関係性
なんでも吸収しどんどん成長していく時期に学習を始めると、新生児の発育にメリットがあるとして「早期教育」に注目が集まり、関連する習い事教室や教材が多く生まれています。
「脳の80%が育つ3歳までにインプットしたことは、脳の土台となり、子どもの能力を左右する」と考える早期教育では、小さな頃から、五感をフルに使った様々な活動が取り入れられています。五感を使った体験をし、子どもに様々な良い刺激を与えることで、脳の土台を広げることができるのです。
早期教育ってどんなことをしているの
幼児教室の場合、文字・漢字・言葉・数・図形などを、高速で大量に見せ脳を刺激するフラッシュカードや、パズル・タングラム、つみきなど指先を使った遊びなど、子どもの発達に合わせた活動を行っています。また、ママとのふれあいも大切にし、手遊びなどの活動を取り入れている教室もあります。
子どもが育つ方向性は、教室により様々ですが、ほとんどで、赤ちゃんが遊びながら楽しく体験できるよう工夫されています。教室によって合う合わないもあるので、体験教室などの機会を利用するといいですね。
事前に大人も勉強が必要
<懸念される弊害の例>
・基礎学力が身につき、将来の可能性は広がるが、自然な成長の中で育まれる「感情」「個性」は育つのか?
・早期教育に時間をかけるため、いろいろな人と接する時間が減り、コミュニケーション能力を育む機会が減らないか?
・親の期待に応えようと、子どもがストレスを感じないか?
・パパやママ自身が、精神的に追い詰められないか?
早期教育を検討する際は、懸念される部分を理解し、活動の内容や先生や子どもの様子など話を聞いておくと安心です。大人も早期教育について知り、子どもの発達、家族の生活に合った無理のない方法を見つけてきましょう。