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生ハムは出産後にも注意が必要?特徴を知って食中毒対策をしよう

生ハムは出産後にも注意が必要?特徴を知って食中毒対策をしよう

パスタやサラダなどに使われる「生ハム」は、トキソプラズマ感染のリスクを避けるために妊娠中に食べてはいけないといわれています。産後は特に制限されていませんが、食べるときは少し注意が必要です。今回は生ハムの特徴と食べるときに注意したいことを紹介します。

まずは生ハムの作り方や種類について知ろう

ほとんどのハムは豚肉からできている

ハムエッグやサンドイッチなど、ハムは日常の食卓でもおなじみの存在です。

英語の「Ham」は「豚のもも肉」という意味があり、本来のハムは豚のもも肉からできています。ただし、今はもも肉ではなく、肩から腰までの肉を使った「ロースハム」や肩肉を使った「ショルダーハム」も一般的です。

また、かたまり肉ではなく豚肉や馬肉などのひき肉をまぜてハムに似た食感にした「プレスハム」のほか、七面鳥の「ターキーハム」や鶏肉の「鳥ハム」、魚肉を使った「魚肉ハム」など豚肉以外の材料を使ったハムもあります。

生ハムは豚のもも肉を骨つきのまま加工した食品で、現在「ハム」と呼ばれている食品のなかでは、もっとも伝統的なスタイルといえそうです。

普通のハムと生ハムの違いとは

普通のハムと生ハムの違いは、名前のとおり「加熱するかどうか」の違いといえます。

普通のハムは生の肉を塩や塩水に浸けたあとボイルして作りますが、生ハムはボイルしません。ただし、15~30℃の低温で1~3週間煙でいぶす「冷くん」を行います。

実は、塩漬けにしたあと冷くんするという製法はベーコンの製法と同じです。ただし、ベーコンはバラ肉を使うという違いがあるほか、ハムはボイルや冷くんの前に牛の腸などで包装する「ケーシング」を行う点が異なります。

また、塩漬けにしたあと冷くんを行わず、吊るして長期熟成させる「ラックスハム」と呼ばれる生ハムもあります。ハムと呼ばれているのに一般的なハムとの共通点は「肉の部位だけ」というのが面白いですね。

生ハムには様々な種類がある

生ハムは産地や製法、使用する肉の部位によって様々な種類に分けることができます。

イタリア産の生ハム「プロシュート」は塩漬けしたあと冷くんを行わずに作るラックスハムの一つです。さっぱりとした口あたりと柔らかさが特徴で、日本でなじみの深い生ハムではないでしょうか。

ラックスハムのなかではスペイン産の生ハム「ハモン」も人気があります。イタリア産生ハムよりもやや硬い口当たりとねっとりとしたコクが特徴で、オリーブオイルやワインとの相性がよいと評判です。

このほか、冷くんを行うドイツ産の生ハム「シュヴァルツヴェルダー・シンケン」はスモークならではの香ばしい風味を楽しむことができます。日本で主流のラックスハムとは違う独特な魅力が人気です。

出産後のママが生ハムに注意する理由とは

抵抗力が弱まるので食中毒の可能性がある

ボイルなどの加熱処理を行わない生ハムは「生肉」ですので、トキソプラズマ感染症の原因になることがあります。

トキソプラズマは目に見えない大きさの寄生虫です。抵抗力がある大人は感染しても風邪程度の症状ですみますが、抵抗力が弱い人が感染するとインフルエンザのような重い症状が出ることがあります。

また、生ハムは食中毒の原因となるリステリア菌が付着していることがあるため注意が必要です。健康な大人であれば感染しても無症状であることが多いのですが、抵抗力の弱い人が感染すると高熱、おう吐などの症状が出ます。

出産後は生ハムを食べてもよいですが、出産や育児の疲れなどで抵抗力が弱くなっています。感染したときのリスクが高いので避けたほうがよいかもしれません。

食中毒になっても母乳へは影響しない

血液からできている母乳は食べ物からの栄養だけではなく、煙草のニコチンや薬の成分も含まれてしまいます。さらに、HIVや成人T細胞白血病・リンパ腫などは母乳を経由して感染することで有名です。

このことから、病気になったときに母乳を飲ませることにためらいを感じるママも多いでしょう。もしママが食中毒になったとき赤ちゃんに授乳してもよいのでしょうか。

食中毒の原因になる菌には様々な種類がありますが血液に入り込む菌ではないため母乳から感染する心配はありません。食中毒になったときでも授乳を続けてもよいですよ。

ただし、食中毒で下痢やおう吐があるときは体内の水分量が減っています。授乳によって体内の水分量が減ると脱水症状が出る可能性があるので注意してくださいね。

生ハムに含まれる高い塩分にも配慮しよう

一般的なハムはボイルなどの加熱処理により保存性を高めていますが、加熱処理を行わない生ハムは高濃度の塩漬け処理で保存性を高めています。

そのため、メーカーなどによって違いはあるものの、生ハムには普通のハムの2倍以上の塩分が含まれているようです。

また、文部科学省の「日本食品標準成分表」によると、生ハム100g中に含まれているナトリウム量は1,100mgとなっています。食塩相当量はナトリウム量に2.54をかけた数ですので、生ハム100gの塩分はおよそ2.8gです。

厚生労働省では18~49歳女性の食塩摂取量を7g/日としています。生ハムを食べすぎると塩分の摂りすぎで高血圧などを招く可能性もあるので注意してくださいね。

出産後のママが生ハムを楽しむためのコツ

食中毒を避ける保存や加熱の方法

食中毒の原因となる菌の多くは熱に弱いという特徴があります。生ハムを加熱するのはなんだかもったいない気がしますが食中毒防止には加熱調理が最適です。

生ハムを加熱すると普通のハムのような食感になります。味はハムよりもベーコンに近く塩気があるのでジャガイモや卵などの食材に組み合わせるとよいでしょう。

また、購入後はできるだけ早く冷蔵庫に保管する、賞味期限内に食べる、パッケージを開けたあとは賞味期限にかかわらず速やかに食べきることも大切です。

開封した生ハムはラップでしっかり包み、ジッパー付きの保存袋に入れて冷蔵してください。食べる前に変なにおいがしたり、ぬめりがあったりする場合は食べるのをやめましょう。
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