育児うつとはどういうもの?基礎知識から入院などの対応策まで
気分が落ち込んでやる気が出ない、眠りが浅くて疲れが取れない、子どもが泣いているのに反応できないといった状態で困っているママはいませんか?1日だけなら「疲れているだけ」かもしれませんが、何日も続いているとしたら「育児うつ」かもしれません。今回は育児うつの基礎知識から入院などの対応策まで紹介します。
育児うつの基礎知識を理解しよう
密室育児が原因の一つ
核家族化が進んだことで増えている「密室育児」も原因の一つです。ママと赤ちゃんが2人きりで過ごす時間が長くなると、育児に対するプレッシャーや不安が強くなり、ストレスも大きくなります。
誰かに相談したり頼ったりすることもできないため、ママのストレスは積もる一方です。
厚生労働省の調査では、子育て経験者の50%近くが「育児ノイローゼかもしれない」と思ったことがあるという結果が出ています。密室育児が常態化した日本では、誰もが育児うつになる可能性があるといえるでしょう。
怒鳴ることが増えたら危険かも
しかし、ちょっとしたことで怒鳴ってしまう、以前よりも怒鳴ることが増えたというときは危険かもしれません。
うつ病になるとネガティブな感情をコントロールする力が弱くなります。怒鳴りやすくなってしまうだけではなく、怒鳴ったことによって起こる自己嫌悪などの感情が連鎖反応を起こし、感情を抑制できません。
子どもを傷つける言葉を言ったり、カッとなって叩いたりすることがある場合は、すでに育児うつになっている可能性もあります。できるだけ早く、医師や保健師に相談するほうがよいでしょう。
育児うつかな、と思ったら…
育児うつの原因は主に「ストレスがたまっていること」です。ストレスを発散し、溜めないようにすることで、症状が改善し、初期の育児うつや「うつの一歩手前」なら治まることもあります。
まずは、身近な人に愚痴を言ったり、ブログやSNSでストレスに感じていることを書いてみたりしてはいかがでしょうか。言葉や文章にすることで自然とストレスが発散され、心が軽くなりますよ。
また、家事や育児の負担を減らし、「ひとりになる時間」を作るのもおすすめです。ストレスの原因を減らし、気分をリフレッシュさせてくださいね。
育児うつの対応策はどうすれば良い?
辛くならないように自分を責めない
しかし、「きちんとしたい」という気持ちが強すぎると、思いどおりにできなかったときに「もっときちんとしないと」など自分を責める原因となります。
家事や育児に明確な終わりはありません。自分が納得することが終わりだとすると、「きちんとしたい」という気持ちが強いほど結果に納得できず、ストレスと負担が大きくなります。
思いどおりにできなかったとしても、自分を責める必要はありません。完璧を求めず、「これでいいんだ」と自分をいたわってくださいね。
追い詰められないためにパパの協力を仰ぐ
すべてが滞りなくできる日もありますが、疲れて体が思うように動かなかったり、子どもがぐずったりして余計な時間がかかる日もあります。「しなくてはならないこと」が多いと時間の余裕がなくなり、精神的に追い詰められてしまうのではないでしょうか。
精神的に追い詰められていると感じたときは、オーバーワークになっていないか見直してみましょう。
また、パパに家事や育児の協力を仰ぐことも大切です。子どもは「2人の子ども」ですので、パパにも育児を分担してもらいましょう。
ポイントはがんばりすぎないこと
しかし、どんな人も毎日がんばり続けることはできません。「疲れているけどがんばろう」と思ったときは、「本当にがんばる必要があるか」を考えてみましょう。
一晩くらい食器を洗わずに置いていても、衣類にアイロンをかけなくても、すぐに困ることはありません。お風呂や歯磨きも、一度サボったくらいでは病気になることもないでしょう。
家事も育児も、「がんばる必要があること」は意外と少ないものです。がんばりすぎず、疲れたときは体を休めてくださいね。
育児うつを入院して解決するときのポイント
入院する期間や費用を見積もる
精神科への入院は、ケガや病気で入院したときと同じように健康保険の適用対象となります。そのため、投薬などの医療費は3割負担ですが、個室代や食事代は全額自己負担です。
入院にかかる費用は病院によって違いはあるものの、1日1~2万円ということが多いと言われています。費用負担が大きいため、高額療養費制度の対象になることがほとんどでしょう。
入院する期間には個人差がありますが、治療よりも休養をメインにした入院の場合、2週間程度で退院することが多いようです。